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図解モチベーション大百科から学ぶ、UIとモチベーション

こんにちはPOP(@y_hiranai)です。趣味はお酒とゲームとUI/UX研究です。

今回はツイッターで流れてきて面白そうだった本「図解モチベーション大百科」の中でいくつか面白い項目があったのでnoteします。

どんな内容なのか

「モチベーション」と言われて、自己啓発本をイメージしたんですが、この本は「ユーザー行動の動機づけ」や「ユーザーが意思決定する際に効果的な訴求は何か?」といったことが実際に行ったユーザーテストの結果をもとに分かりやすく載っています。

「この本を読んだらユーザーのモチベーションをコントロール出来て、利用率が上がるのでは?!」というスケベ心で買いました。後悔はありません。すごく面白い本でした。

ネタバレにならない程度に紹介しつつ、自社アプリのUIに活かせそうな項目を検討していきたいと思います。

ゴールを間近に感じさせる

CHAPTER1 動機づけ / 目標勾配の項で解説されていた事ですが、人は「ゴールに近づけば近づくほど、モチベーションが上がる。」というものです。

ポイントカード_1

左のカードは「10個溜まったら次回無料」右のカードが「12個溜まったら次回無料 ※ただし最初から2個スタンプを埋めておく

ユーザーが次回無料を体験するためには、どちらのカードにせよ「10個のスタンプ」を集めなくてはいけないのですが、実験の結果では右のカードを配ったユーザーのほうが多くポイントを集め、次回無料を体験できた。というものです。

ユーザーが取るべきアクション数は変わらなくても、いまどのくらいゴールに近づいているかをフィードバックするだけで、モチベーションが変化するということなんですね。面白い!

UIでゴールを身近に感じさせる

一番先に思いつくのはダウンロード時に出るプログレスバーや、アンケートフォームなどに出ているプログレスインジケーターです。

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「必要らしい」という程度を聞きかじっていたのでデザインしてきてはいましたが、改めて読んで知ってみると、その重要性がよく分かります。

ユーザーはなかなか物事を継続できません。その一方で終わりが見えそうな物事については、なかなかやめられない習性をもっているのです。

スマホゲームでイベント最終日に「次の報酬まであと少しだな・・・」という事に気づいてしまうと、つい頑張って周回してしまうので、この心理がよく理解できます。
うちのアプリには「イベントスタンプ」のような機能は無いのですが、実装された暁にはこのあたりを参考にしてみたいですね。

ninaruポッケなら、ログインスタンプで作家さんのオリジナルグッズが当たる!とか効きそうだけど、どうだろうか。

コンテキストにあったデザインにする。ストレスのない導線にする。という以外にも、ユーザー心理を理解してモチベーションを上げるためにUI設計として出来る事は何のか?という視点は大事ですね。

手数を増減させる

これもCHAPTER1 動機づけの項で紹介されていました。小分け戦略というのだそうです。

これはUIデザイナーならタイトルで「あれね・・!」と思う方も多いと思います。入力項目などページ遷移や、クリックなどのユーザーアクションは極力少ないほうが良い!というあれです。

例として載っていたテストの内容は「ユーザーにむき出して箱に入っているクッキーを渡した場合」と「1枚1枚が個別包装されたクッキーを渡した場合」クッキーの減り方はどうなったのかを試したところ、むき出しのクッキーは6日間で。個別包装のクッキーは24日間で完食される結果になったそうです。

その差は4倍

必要アクションが減ると行動は早まり。必要アクションが増えると行動は遅くなる。という事のようですが、UIなら遅くなるどころか離脱されてしまいそうですが…

逆に離脱の可能性が低い箇所で滞在時間を伸ばしたい場合なんかは効果的かもしれません。

例えばこの漫画とか。

コマ割りにしてしまえば、ページ距離も半分くらいになり、サクサク読めるようになりそうですが、縦に分割された構成と、広めの余白のせいで読み切るまでに時間がかかります。

長さと時間の割には、決して読みづらいと感じるほどではなく、むしろ余韻をもって作品を楽しめるという意味では、手数を増やすことでポジティブなUXを作れているという事になるかもしれません。

逆にうちのmichiruというアプリでは、初回入力時のアクション数を大幅に削減した事で、入力数・突破率ともに改善された事例もあります。

ユーザーアクションを減らすだけではなく、程よく調整することでユーザーのモチベーションにアプローチをする。というUI設計も考えてみる価値がありそうです。

他にもたくさん面白い事例が載っていますでの、興味あるかたは是非読んでみてください。

では。

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