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【司法修習生の勉強法】弁護士登録を目前に読むべき本5選|この本を読まずに弁護士になると大変なことに…(*_*)

はじめに

こんにちは。弁護士のマイクです。

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今回は、弁護士の私が、弁護士になることが決まっている司法修習生に向けて、実務に着く前に、修習中に読むべき専門書5冊をご紹介します。

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もったいぶらずに言うと、5冊とは、これらの本です。

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後ほど、これらの本を1冊ずつ紹介しますが、総論的にいうと、これらの本を通読しておことで、実務に着いた時の初速で他の動機を圧倒することができます。即戦力とは言わないまでも、事務所に入ってから右も左もわからないというところからのスタートという最悪の事態を避けられます。

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その程度かと言われてしまうかもしれませんが、事務所に入ってから右往左往していては差をつけられます。また、何から手を付ければよいのかわからなくなると事件処理が停滞してしまいます。事件処理が停滞すると、依頼者からのクレームにつながり、仕事が次第に苦痛になってしまいます。そして、仕事が苦痛になると、さらに事件を滞留させるという悪循環にはまってしまいます。

この動画で紹介する本を読んでおけば、そんな最悪の事態を回避することができます。そして、ここで紹介する本は、私が、優秀な先輩弁護士や司法修習時代の同期から教えてもらった本で、私自身も読んでいいと思った本なので、間違いありません。

Youtubeでも解説しているので、よければそちらも見てみてください<(_ _)>

前置きはこれくらいにして、早速、本編へ行ってみましょう。

本編

さて、読むべき本を紹介しましょう。

ザっと紹介すると以下のとおりです。

①事例に学ぶシリーズ
②若手弁護士のための民事裁判実務の留意点
③離婚調停
④センスの良い法律文書の書き方
⑤入社1年目の教科書

(1)『事例に学ぶシリーズ』

まずは、『事例で学ぶ』シリーズです。

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事例で学ぶシリーズは、事件類型ごとに実に様々な本が出ています。その中でも、特にこの本を読んでほしいという本があります。それは、離婚・相続・建物明渡し・交通事故・損害賠償です。

これらの事件類型は、実務につくとすぐに直面します。ですので、一般民事事件を扱う事務所への就職が決まっているという方は、実務に着く前に読んでおいてください。

この本の秀逸なところは、なんといっても本の中でOJTができるという点です。

若手弁護士とベテラン弁護士とが、相談者から相談内容を聞き、どのような争点があるかを洗い出し、どのように事件を進めていくか、またその事件処理にあたって作成すべき書類などが掲載されています。そして、必要な範囲で制度の概要などについても解説されています。

この本があれば、一つ一つの事件について、生の事件程ではないにしても、最初から最後までどのように事件が流れていくかをイメージを持つことができます。

正直、弁護修習だけでは、わずか2か月程の間に事件の最初から最後真を見ることは到底できません。ですので、ほとんどの修習生は、事件の流れを知らずに弁護士業務に入っていきます。なので、この本で最初から最後までOJTをしてみましょう。

ただ注意すべきは、この本に書いてある方法だけが唯一の事件処理方法だとは思わないようにすることです。いろんな事件処理の方法があるので、こういう事件処理の方法もあるのかという程度で読んでもらった方がいいと思います。

(2)『若手弁護士のための民事裁判実務の留意点』

次に、「若手弁護士のための民事裁判実務の留意点」です。

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この本は、民事訴訟の進行手順が書かれた本です。

民事訴訟手続は、民事訴訟法を知っているだけでははっきり言って何の役にもたちません。何を裁判所・相手方代理人に直送(FAX送信)できるか、何が直送(FAX送信)できないか、尋問の際に気をつけるべきこと、敗訴した場合の控訴提起のスケジュール感など、民事訴訟手続を進める上で必要な知識が分かりやすくまとめられています。

また、巻末には、書類・文例の雛形が「54つ」も紹介されています。

どんな雛形が書かれているかというと、一部を紹介すると、訴状、答弁書、準備書面、調査嘱託申立書、取下書、陳述書、控訴状などです。民事訴訟で使う書面文例が全般的に掲載されています。

(3)『離婚調停』

3つ目は、「離婚調停」です。

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なんといっても、実務に着いたときに真っ先に直面するのが、離婚事件です。弁護士なりたてのころは、結婚も離婚も経験していないという弁護士が大半と思いますが、それでも離婚事件を任されることが多いです。一般民事事件を扱う法律事務所(町弁)の場合、避けては通れない事件ですからね。

離婚事件では、争点は、離婚原因、親権者、養育費、財産分与、慰謝料、年金分割、と6項目にわたります。これらについて、争い方などをある程度マスターしておかなければなりません。

具体的には、婚姻費用や養育費の算出に当たって、何を収入としてみるか、個人事業主の場合の収入認定の方法、オーバーローンの場合の不動産の財産分与方法、親権者の適性の判断方法など、調停の中ではいろいろと判断しなければならない事柄が多いです。

そのため、この1冊を最初から最後まで読んでおけば、臆せず調停に臨み、意見を伝えることができます。

逆に、しどろもどろになったりすると、離婚調停の場合、隣に依頼者がいるので、最悪の場合、弁護士であるあなたに信頼を寄せてもらえなくなってしまいます。

ですので、遅くとも、離婚事件の相談を受ける前までには、この本を読んでおきましょう。そうすれば、相談段階で、離婚調停を念頭において助言することもできますので。

(4)『新・センスのよい法律文書の書き方』

3つ目に、「新・センスのよい法律文書の書き方」です。

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弁護士の仕事の中心は、なんといっても起案です。デスクでカタカタとパソコンで訴状・答弁書・準備書面を作成するのが、仕事の中心です。案外地味です。ドラマとのギャップの一つですね。

そして、起案の書き方ひとつで、実力を図られてしまうのも、弁護士業の怖いところです。

そこで、この本を読んでおけば、最低限まもるべき書面の体裁を整えることができます。

例えば、契約書の条項を引用する方法や、事件におけるキーワードは書面で繰りかえすことや、定義を書く場合の方法など、最低限まもるべき法律文書のルールをこの本でマスターしておきましょう。

正直、このレベルの書面さえ守れていないものも実務では多いので、この本をマスターして実践できるだけで、中の上の書面になります。

ページ数は240ページ程なので、すぐに読めてしまいます。といっても、濃い内容です。

はじめて訴状・準備書面を書く前には読んでおきましょう。

私は、実務についてから、先輩弁護士から教えてもらった本なのですが、修習中から読んでおけばよかったな~と後悔しています。

(5)『入社1年目の教科書』

最後は、「入社1年目の教科書」です。

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これまで紹介した本とは趣が違って、社会人として法律事務所内でどのようにふるまうべきかが書かれた本です。

なぜ、この本を紹介するのかというと、著者が「伊藤塾」という司法試験予備校出身で、その後司法試験に合格し、海外でMBAを取得して、ライフネット生命を設立した方だからです。

「伊藤塾」というと司法試験を受かってきた方にとっては馴染みですよね。

私は、入社直後に先輩弁護士に進めてもらって、読みました。

どのような内容が書かれているかというと、例えば、なぜ朝元気に挨拶をするべきなのか、報連相の重要性、スピード感をもって仕事をすべき理由など、が書かれています。

新人弁護士は、今の時代にあっても社会経験が乏しいのが実情です。大学在学中にガリガリ勉強してきて、協調性がない人、一人が好きな人も多いです。それでも、法律事務所に入ると、先輩や事務局と協力しながら事件を進めていかなければなりません。

要するに、あなた一人だけでは事件を処理できないということです。周囲と協力して事件を進めるにあたっては、どのように協力していくのかをあなた自身が理解していなければなりません。そして、どのように協調していくのかを学ぶには、この本が最良です。

最後に

いかがでしたでしょうか。

今回の動画で紹介した本以外にも、『刑事弁護ビギナーズver2.1』『要件事実マニュアル』『赤本』『判例タイムズ』など、あらかじめ買って目を通しておくべき本があります。

ただ、これらの本は、わざわざ言わなくても知っているという方が多いと思います。

そのため、今回は、実務でとっても役立つ本でしかも、誰かに教えてもらうまではななかなかわからない本をご紹介しました。

私の記事・動画では、今回の動画のように、弁護士になるまでに役立つ情報を紹介しています。

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それ以外にも、司法試験勉強の悩みや、修習中のお悩みなどをコメントでいただければ、相談に乗ろうと思います。私自身、受験時代にそういったお悩み相談ができる場所が欲しいと思っていたものですから。

それでは、また別の記事・動画でお会いしましょう。

さようなら~

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