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映画『変な家』について

皆さんは映画は好きですか?
私は月に何度か劇場に足を運びます。
やはり家で見るのとは違った雰囲気があり、作品に集中できるのが映画館の良いところですね。

ところでこんな映画の記事を見ました。

変な家』が週末3日間で観客動員38万9,600人、興行収入4億9,100万円を記録し、3週連続首位をキープした。累計成績は動員207万人、興収26億円を突破するヒットとなっている。

とのことで興行的には大成功と言える『変な家』ですが、皆さんはご覧になりましたか?

変な家とは?

元々がYoutuberの雨穴さんが作られた20分ほどのミステリー動画です。

雨穴さんのデスクの上を起点として、依頼人や意見役の設計士とは電話でやり取りするというスタイルで、凝った絵作りではないものの内容の面白さと二転三転する展開でとても引き込まれる作品です。

この時点ですでに完成された作品なので、劇場版という話を聞いたときには、いったいどうなるだろうと公開を心待ちにしてきました。

私が劇場に足を運ぶ前にすでに見た人たちの評判がありましたが、批判がかなり多い心象でした。

ですが私が実際に見た感想は「ダメだと言う人の意味もわかる」しかし「これはこうあって当然の内容だ」と肯定的な意見を持ちました。

まず、この内容を原作者である雨穴さんが納得していないなら問題だと思いますが、おそらくそれはないだろうと思います。
私が思うに「同じでは面白くない」と「個人作品ではできないこと」を求めたのではないかと思います。

映画の構成

展開は全体の1/3までは原作通りです。
そこからの1/3が、原作を補強するための展開。
そしてラスト1/3映画オリジナルの展開となります。
拒否反応を示す人はこのラスト1/3の内容ですね。

原作では物件の見取り図だけが出てきて、それを元に推測をするだけです。
その推測で浮かび上がるものがゾクっとするもので、しかも『今となっては確かめようがない』なのでモヤモヤとした後味の悪い話しとして終わります。
それこそが雨穴さんの机と電話だけで進む話なので効果的なのです。
言い方を変えると、凝ったことをやらずに怖さを表現する手法で、これは怪談話でよくある「これは知り合いから切った話なのですが」で始まり「実際はどうだったのか、私にはわかりません」で終わるものと同じやり方です。

しかし映画では多くのキャストが出てきますし、階段の手法をそのままやったのでは客は納得できないでしょう。
だから実際にあの家を設計させて住んでいた人物を捜し出し、真相を聞き出す展開が必要となるわけです。
いわば「原作の解答編」といった作りになっています。

それ故に有耶無耶になったから後味の悪さであったものが、明確な答えがわかってしまうために怖さが半減してしまうわけです。

それを回避するために後半用の別の恐怖が必要になります。
少なくとも私が映画スタッフならばそう考えます。
問題はその味付けの仕方で、好みに合う、合わないに分かれるわけです。
なので私はこの結末は「あり」だと思います。
ただどんな恐怖ネタを持ってきても、万人を満足させることはできないので、あとは原作者の雨穴さんと、監督の好みで決める話でしょう。

その結果が最初に書いた興行収益なので、映画としては成功。
あれは正しい作りだった、と、言えるわけです。

しかし……

個人的に「エクスクロス魔境伝説」の奇祭ネタはギャグにしか見えないので好きな方面ではありません。
かと言って映画「きさらぎ駅」のような奇天烈な展開もギャグにしか見えない。

となると「犬鳴村」「樹海村」のようになどの呪いパターンか、家の持ち主は某国の暗殺者育成カリキュラムで秘密を知った主人公たちが命を奪われるバッドエンド系…などでしょうか?
何にしても二時間という尺で、二千円という料金を満足させるのは大変なことですね。

役者について

またこの映画に出ている佐藤二朗氏の演技がとても良かったです。
佐藤二朗といえば、独特の早口アドリブのお笑いキャラが思い浮かびますが、最近では「リボルバーリリィ」や「バイオレンスアクション」などでお調子者とドスを利かせた演技を入り混じらせて、裏社会のボス的な役がはまっています。
それが今回は早口は抑えめで、ギャグキャラではなく、説明に熱が入ったときだけ早くなる設計オタクなキャラの演技になっています。

イメージとしてはシャーロック・ホームズやエルキュール・ポアロのような知的でありつつも何処か掴み所がないキャラで、とても格好良かったですね。
佐藤二朗氏のファンなら必見の映画だと思います。

まだ観ていない人へ

もしこれから映画を観ようとするのであれば、ぜひYouTubeの雨穴さんのオリジナル版の方からご覧になることをおすすめします。

それでは良い映画ライフを!



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ゲーム業界に身を置いたのは、はるか昔…… ファミコンやゲームボーイのタイトルにも携わりました。 デジタルガジェット好きで、趣味で小説などを書いています。 よろしければ暇つぶしにでもご覧ください。