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新型コロナ「肺炎全体の重症者数、死者数の推移」に注目しては?

医療も統計も専門外ですが理屈で考えてみました。

■感染者数・死者数では「大局を見誤る」

経路不明の市中感染が次々に見つかる今、注目すべき統計値は「肺炎全体の重症者数、死者数の推移」ではないでしょうか。

新型コロナの報道では、感染者数、死者数が大きく取り上げられます。経路不明の感染が1件でも発生すれば疑心暗鬼になるでしょう。感染者が急増してイタリアのようになるのではないかと不安に駆られる方も多いでしょう。

しかし、これは検査をした範囲だけの値です。それだけで過剰に心配したり、反対に発生してないからと安心したりしては「大局を見誤る」のではないかと思います。

といって全数検査は不可能ですし、検査数を増やすだけで医療が崩壊する危険が高まるのは、あちこちで言われている通りでしょう。

「大局を見る」には、もっと全体を網羅するような値を考えたほうがよい。

■「大局を見る」指標を考える

新型コロナ感染の重症・死亡はほぼ肺炎ですから、新型コロナに限らず「肺炎全体の重症者数、死者数の推移」を追ってはどうでしょうか。それをここ数年の平均と比較してみる。

肺炎死者数

肺炎で亡くなる方は、2010年~2016年は年間約12万人いました。2017年は96,841人です。(肺炎球菌ワクチンの効果だとか)
単純計算すると死者は1日平均約265人です。
普通でも「肺炎で亡くなる方は毎日250人前後いる」ということは、頭の片隅に置いておくほうがよい数字だと思います。

肺炎全体の重症者・死者が例年を上回る勢いで増加しつつあるなら移動制限や街の封鎖など強力な対策を打つ。
そうでなければ、現状の対策を維持する。

肺炎の重症者、死者が例年程度の状況を維持できていれば、医療現場は崩壊せずになんとか切り抜けられるのではないかとも思います。

※推測ですが・・・
抗生剤が効かずに重症化・死亡した件数に絞れるなら、「ウィルス感染の可能性の高い肺炎」としてもっと確度があがるのではないでしょうか。

■日本の肺炎死者数の推移について参考資料
東京健安研セ年報 Ann. Rep. Tokyo Metr. Inst. Pub. Health, 69, 271-277, 2018
「人口動態統計からみた日本における肺炎による死亡について」

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