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コロナ禍での外出、「だいじょうぶだぁ」と「だめだこりゃ」

■「外出」を感染防止の視点から考え直す

「不要不急の外出を控える」と盛んに言われるため、用がなければ家に閉じこもって外に出てはダメだと思っている方が多いようです。一方で会社の仕事なら人に会うのは問題ないと思っている方も多いでしょう。

そこで、新型コロナ感染拡大防止の視点から、外出を「だいじょうぶだぁ」と「だめだこりゃ」、さらに「ちょっとだけよ」と「あんたも好きねぇ」に分けてみました。
※新しい例、考え方の誤りやご意見があればお知らせください。随時追記・修正していきます。

■考え方の基本⇒「自分が感染者だとイメージしてみる」

新型コロナ感染拡大防止を考えたとき、考えなければならないのは以下の条件でしょう。

1.人に会わないこと
  一緒に生活している家族は運命共同体としてOK
2.人に会っても距離を空ける
  呼吸や声とともに飛ぶ唾液等(飛沫)が届かない距離…無風で2m以上
  飛沫を飛ばさないためにマスクは有効
3.人や自分から出た息がすぐに薄まること
  換気が悪いと薄まらない。時間がたつほど濃くなる。
  屋外だと1秒で薄まる。ただし飛沫が飛ぶので風向きには注意。
4.人が触ったものに触った後は手を洗うまで口・鼻・目に触らない
5.人が触るものに触る前に手を洗う
6.自分の口・鼻・目に触ったあとは手を洗うまでものに触らない

自分が感染者で、自分の口や鼻から呼吸や唾液とともにウイルスが飛んだり流れ出しているイメージを描けると、やっていいこと、やっちゃいけないことが想像できると思います。

これを超具体的に書いてくださっているのが下記
コロナ感染から身を守る方法

もう一点、「免疫力を高める・維持する」という視点も必要です。
何日間も部屋の中だけで過ごすというのは免疫力低下の要因になります。
厳格な都市封鎖が行われている町でも、1日1回の運動のための外出は認めています。フランスでは外出には許可証が必要ですが、生活必需品の買い物や散歩、ペットの散歩は許されるとのことです。
お日様の光にあたる、風にあたる、体を動かす、気分良く過ごす、楽しく過ごす、気楽に過ごすといったことが大切です。

■「だいじょうぶだぁ」

いずれも自分ひとりか家族と一緒に。
どんなに親しくても友人とはNG
(お互いの家族の行動範囲まで制限てできるならOKかなぁ)

1)庭の手入れをする
 気持ちもすっきり
 まわりに人がいないならマスクは不要
2)家の大掃除
 気持ちがすっきり、そして感染症リスクが下がる
 ホコリ対策でマスクはあったほうがよい
3)庭やテラスでラジオ体操
 身体もすっきり。朝6:30からラジオでするのがいいです。
4)庭やテラスで食事
 バーベキューだってOK
5)ひなたぼっこ
 お日様の光を浴びながらぼーっとする。
6)散歩に出る
 あまり人に会わないルートで。
(田舎だとどこを歩いても人に会わないけど)
 犬の散歩は犬のためにも必要。子どもとの散歩も楽しい。
 ゆっくり小さな発見を楽しみながら散歩しましょう。
 都会の人は、すぐ人に会ってしまうので注意が必要ですね。
7)近所の人、知り合いと会ったときは2m以上距離を空ける
 あいさつ、おしゃべりも、いつもの倍以上の距離で。
 飛沫飛散防止の目的でマスクがあると良い。
8)人通りが少ないところでジョギングする
 散歩より声を掛けられる確率は少ないかも
 前後の人とは5m以上の間隔が必要
9)畑仕事をする
 移動の方法とその間に人と会うことには配慮が必要
 休憩時間に人と一緒になることには特に注意が必要
 まわりに人がいないならマスクは不要
10)車や自転車で移動する
 移動した先で人に合わない、物に触れないこと
 自転車走行中は前後の人とは20m以上の間隔が必要
11)人が少ない広い公園に行く
 人が多いようなら避ける
 他の人とあったら4~5mは間隔をあける
 間隔があけられるならマスクはなくて大丈夫
 それが無理ならその場から離れる
12)人が少ない野山に行って遊ぶ、満開の桜の下で熱唱する
 行方不明、遭難には注意
 他の人とあったら4~5mは間隔をあける
 間隔があけられるならマスクはなくて大丈夫
13)人の少ない海岸に行って遊ぶ、大きな声で叫ぶ「せやろがい!」
 転落注意!一人で行くと誰も助けてくれません。
 他の人とあったら4~5mは間隔をあける
 間隔があけられるならマスクはなくて大丈夫

そして、外出から戻ったらていねいに手を洗うこと
⇒ 参考:手洗い動画(Wash Your Hands)】〜嵐〜
⇒ 参考:赤ちゃんだっこバージョン
⇒ 参考:赤ちゃんたっちバージョン
⇒ 参考:子ども向け

■「ちょっとだけよ」(必要最小限にする)

1)生活に必要なものの買い出し
 事前に必要なものをリストアップして、一人で行き、できるだけ短時間ですます。
 長時間店にいれば、それだけ人と接近する時間が増える。
 時間つぶしの買い物はNG。家族そろっていくのもNG。
2)集合住宅のエレベーター
 使用頻度は必要最小限に。マスクをして、口を閉じて鼻呼吸。
3)公共交通機関の利用
 移動は徒歩、自転車、自家用車が望ましい。公共交通機関はどうしても必要なときだけ。混んでいるときは避ける。マスクをして、口を閉じて鼻呼吸。話をしない。乗る前、降りた後に手洗い。
4)持病等の診察を受ける、薬をもらうなどで病院に行く
 事前に病院に電話をして最短の時間で済ませられるようにする。
 できれば車で移動し車中で待機
5)会社や自分にとって重要な会議・打合せ
 できる限り電話やオンラインで。
 どうしても会って話しあう必要があるなら、一人ひとりの距離を空け、常時換気し、マスク着用。できるだけ短時間で済むように事前準備する。
6)仕事に行く・・・特に企業経営者に考えて欲しい
 ・在宅ワークにできないか。
 ・自分たちの仕事は、どのくらい生活の維持に必要か。
 ・自分たちの仕事を止めると社会にどんな困ったことが起きるか
 ・困ったことは、どのくらいの期間休むと起きるのか
 これらを考えて必要最小限の出社にする。
 出社する人が少なければ少ないほど感染拡大リスクは下がる。
7)テレビでワイドショー・報道番組を見る、SNS等で情報を得る
 外出に関することそのものではないけど特別に。
 気分が滅入る。考え方が偏ってくる。心身ともに不健康。
8)通販でのお買い物
 物流のための出社や配送業務もだんだん命懸けになってきます。
 通販利用も必要なものに絞ったほうがよいでしょう。
 1回の配送で済むように配慮しましょう。
 通販事業者が、できるだけ少人数の出勤で回していけるよう、配送時間がかかることは許容しましょう。

■「だめだこりゃ」

1)「救済」と称しての飲み歩き
 だめだこりゃ
2)飲み会
 2、3人でもNG。家族だけでも店飲みはNG。距離を取ってもNG。
3)店に行っての食事
 自分が感染者だとしたら店にとってみれば迷惑。
 何かを食べる限りはマスクは取るし、口・鼻にも触れてしまう。
 向かい合っておしゃべりしながらは危険。
 横並びで距離を取りもくもくと。
4)密室での会議
 どんなに重要な会議であっても、長時間、距離を取れない、換気が悪い部屋ではNG
5)自宅に友人を呼んでお茶とおしゃべり
 「自宅から出ない」なら良いということではない。
 あなたが感染者なら、あなたも友人も家族まで含めて2週間の外出禁止。
6)カラオケBOX
 狭い部屋で大きな声を出す。不特定の人が使う。
 自殺行為。
7)閉鎖空間で体を動かす、声を出す
 ダンス、エアロビ、武道、ゲームセンター、声援を伴うライブなど
 集団発生の実績が多い。
 集団自殺行為。
8)コンサート、映画、観劇、パチンコ
 声を出さないが、長時間、近距離で多数が同じ空間にいる
 ドアなど共通で触るものもある
9)ショッピングモールで暇つぶし
 広い空間だが多数の人が行きかうので感染リスクは実は高い
10)体調が悪いけど出かける
 免疫力が落ちている。家で休養を。感染している可能性も考える。
 症状が悪い場合は我慢せず、かかりつけの医院にまず電話で相談して指示に従う。 
11)感染者の少ない地域に旅行や避難
 あなたが感染を広めに行くのです。
 殺人行為。
12)友達を呼んで自宅の庭でバーベキュー
 友達を呼んだ時点で屋外でもNG。
 ましてや一緒にバーベキューはNG。
13)春から夏にかけての大規模なお祭りとその開催準備のための会合
 何千人、何万人と人があつまるお祭り、特に全国から人が集まるようなお祭りは、感染爆発に直結する。
 その準備のための会合は、数回から数十回行われるが、参加者は感染後の重症化率が高い60歳以上が多いし、時間も長い。こっちもNG。
14)買い物で買わないものに触る
 自分が感染者だと考えてみましょう。
 特にしてはいけないのは「手に取ったものを棚に戻す」です。

■「あんたも好きねぇ」(どうしてもやりたいことの代替案)

1)オンライン飲み会
 ZoomやSkypeで顔を見ながら飲み会
 飲みすぎ、声の出し過ぎによる体調不良に注意
 家族の迷惑にも配慮を
2)食事の出前、持ち帰り
 ただし相手のお店が感染防止対策を十分やっていること
 いままで持ち帰りをしてなかった店では、暖かくなるにつれ食中毒に注意を

■「不要不急の外出」という言い方の問題点

「不要不急の外出を控える」という言い方に、ずっと引っかかっています。
「不要不急」はとてもあいまいな表現です。
多くの人は「会社に行く」ことは「不要不急」ではなく、「散歩に行く」ことは「不要不急」と受け取っています。
新型コロナ感染拡大防止の観点からは、「会社に行く」は社会的にどうしても必要な業務を除いてNG、「散歩に行く」(人には会わない)は推奨されることです。

「要・不要」「急・不急」は通常「私にとって」が判断基準です。
しかし、今、必要なのは社会にとっての「要・不要」「急・不急」の判断です。
「社会にとって、市民が健康に生活していくため もしくは 感染症と戦うために必要なこと」という観点で「要・不要」を決めていかなければなりません。
ここを決める法的な根拠が特別措置法になるのだと思います。
「『緊急事態宣言』が出た場合 東京都の対応」
 NHK 特設サイト 新型コロナウイルスより

特措法の45条2項で「多数の者が利用する施設」は使用制限や停止を「要請」できるとなっていて、「多数の者が利用する施設」は政令で定められています。主なものは、映画館や展示場、百貨店やスーパーマーケットのほかホテル、美術館、キャバレー、理髪店、学習塾などとなっています。ただし、スーパーマーケットのうち、食品、医薬品、衛生用品、燃料など生活必需品の売り場だけは、営業を続けることができます。ただ、民間企業を強制的に休業させる直接的な規定はありません。企業が活動を休止したり、イベントを中止したりした場合の損失補償については、そもそも強制的に店舗を閉めたり、イベント中止を命じることはできないため、特措法には直接の規定はないということです。

国や自治体には、企業や個人に対する規制ははっきりとは決められないようです。
となれば、企業が、個人が「社会にとって、市民が健康に生活していくため もしくは 感染症と戦うために必要なこと」を基準に、「要・不要」「急・不急」を決めなければならないでしょう。

■「人に会わない・近づかない」という言い方に変える

「不要不急の外出を控える」だと、「自分にとって必要なら良い」と解釈されてしまいます。
人に伝えるときは、「妥当な行動がその人に具体的に見える言葉」が良いと思います。
「人に会わない・近づかない」
という言い方はどうでしょうか。
これがテレビや新聞、ネット上で繰り返されれば、「お散歩中に近所の人に会ったときにも、それとなく距離を取りつつ挨拶を交わす」という風景になるのではないかと思っています。

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