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【第22回】シナリオ分析実践ガイドSTEP5:対応策の定義

前回までのプロセスで把握した気候変動の影響に対して、STEP5はどのような対応策をとっていくかを検討するプロセスになります。

1.STEP5の実施事項

最初に、STEP5の「対応策の定義」が全体像の中のどの部分に該当するか、下記の図で確認いただきたいと思います。

【シナリオ分析全体像におけるSTEP5の位置】

出所:環境省「TCFDを活用した経営戦略立案のススメ~気候関連リスク・機会を織り込むシナリオ分析実践ガイドver3.0~」
https://www.env.go.jp/policy/policy/tcfd/TCFDguide_ver3_0_J_2.pdf

STEP5における実施事項は、下記のとおりです。

STEP 5-1:自社のリスク・機会に関する対応状況の把握
STEP 5-2:リスク対応・機会獲得のための今後の対応策の検討
STEP5-3: 社内体制の構築と具体的アクション、シナリオ分析の進め方の検討

シナリオ分析実践ガイドでは、上記STEP5の工程の全体像が、下記の通り図で紹介されています。

【STEP5の全体像】

出所:環境省「TCFDを活用した経営戦略立案のススメ~気候関連リスク・機会を織り込むシナリオ分析実践ガイドver3.0~」
https://www.env.go.jp/policy/policy/tcfd/TCFDguide_ver3_0_J_2.pdf

以下で個別に説明します。

2. STEP 5-1:自社のリスク・機会に関する対応状況の把握

 今後の対応策を検討する前に、まず現状がどうなっているかを把握します。特に大企業の場合には、社内に周知されていなくても検討を始めているケースもあり得ます。将来への対応策を現状から展開させるために、事業インパクトに対する現在の状態を把握することがスタートラインとなります。

3. STEP 5-2:リスク対応・機会獲得のための今後の対応策の検討

 TCFD提言は、シナリオ分析を通じて企業のレジリエンスを示すことが重要であるとしています。従って、STEP5-1で把握した現状に対してレジリエントであることを示すために、どのような対応策をとるかを検討することが実施すべき事項となります。

4. STEP5-3: 社内体制の構築と具体的アクション、シナリオ分析の進め方の検討

 STEP5の最後に、対応策に向けた具体的アクションや今後のシナリオ分析の進め方を含めた社内体制の(再)構築について検討します。

次回からSTEP5の各内容について具体的に紹介する予定です。

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