【インタビュー】るんげ「さる沢」

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今度2019年12月12~15日の吉祥寺ギャラリーマジェルカでの公演、肉汁サイドストーリー「さる沢」の脚本・演出るんげ(肉汁サイドストーリー)さんに
カリフォルニア檸檬が、お話を聞きました~


―― さっそくですが「きっかけ」って、あると考えていますか?
るんげ たいていあるんじゃないですか?なくてもいいと思いますが。
―― 「きっかけ」って意識しますか?
るんげ しません

―― 独り言に受け手がいて、それでどうにかなるとしたら「言霊」になるでしょうか?
るんげ なります。完全な独り言でもなります。
―― 「言霊」にならない、独り言は何ですか?
るんげ 「パホルヌ」みたいな意味のない言葉じゃないですか?

―― 「選ぶ/選ばれる」の「能動/受動」について、考えていたりしますか?
るんげ 考えますね。自分は選んでいても選ばれないことってたくさんあると思うので。やっぱり選ぶより選ばれたい派です。選んでないものからでも選ばれたら嬉しいかもしれません。選ばれ方によりますが。


―― 近ごろ関心のある事象とかって、ありますか?
るんげ やっぱり差別がアツいですね。特にツイフェミに興味があります。最近は「巨乳の人、乳房縮小手術というものがありますよ。アメリカでは巨乳だとバカに見られるからと女優が受ける例もあります」という趣旨(だと思う)の差別ツイートが素晴らしかったです。もっと人類には差別をどんどんしてほしいですね。
―― 差別、今、仮説なのですが。差別、をするには対象を認知しなければならなくて
たぶん発話者は差別対象のことを、あるていど見ていて
その上で、シンプルエゴを押しつけているからですか?
るんげ 多分そう…?

―― 「さる沢」の「暗さ」って、たとえばどういう「暗さ」と似ていますか?
るんげ パンを踏んだ少女を読んだ時とかかな…?違うかも
―― (アンデルセンの『パンを踏んだ娘』でしょうか)
読みながら、これは漫画『デスノート』???と思いましたが、たぶん違いそうですね……
るんげ そうです!そして多分違います!
―― 村田沙耶香の小説『コンビニ人間』のような雰囲気も、たぶん違いますよね……?!?!
るんげ 読んでねえな… 
―― 湊かなえ(読んでいれば)だと、どれが近いですか?
るんげ 少女
―― 分かるような分からないような、が分からないに近づきました……(『白ゆき姫殺人事件』かと思ったりしていました)
るんげ にこにこ!

―― るんげさんが山形県(酒田市)出身ということですが、民話「猿沢伝説」は地元だと有名な話なのでしょうか
るんげ たぶん…?ほんのり広く知られているんじゃないでしょうか。猿沢伝説の話を他人としたことがないので不確定ですが。
―― 猿沢伝説を選んだきっかけとか、ありますか?
るんげ 猿沢伝説は私の人生のテーマ?である「選ばれない・愛されない」を初めて意識させてくれた作品なのでずっとやりたかったのですが猿をやれる素質のある役者に出会えていなかったのでやらなかっただけです。バンナイヒュウガという才能を手にしたので満を持しました。
―― 「選ばれない・愛されない」というのは演劇のテーマとしては「選ばれようとする・愛されようとする」ところへ焦点が当てられるのでしょうか
それとも、あくまで「選ばれない・愛されない」そのもののところを扱うのでしょうか
るんげ 後者です
―― 「選ぶ・愛す」側への視点(感情移入への導入とか)みたいなのは、あったりしますか?
るんげ それはネタバレかもしれん!

―― 登場人物の猿の一人称は、なんですか?
るんげ おれ
―― ありがとうございます。なぜか「わし」かと思ってましたが、急に
孫悟空っぽい印象が浮かんできました、今これはミスリードですか?
るんげ えっわかんない!悟空ではないです!
―― なぜか小柄なイメージを持っていて、猿だから人間と比較したら
小柄なのは、それはそうなのですが
小柄でも大柄でも猿は猿だし、一人称オレにも
あんまり関係しないですね……
るんげ バンナイ(猿役のバンナイヒュウガさんのこと)は180cm近かったような 
―― 演劇で、物語や空間などを覆う存在感ってあったりなかったりするかと思うのですが、この「さる沢」では「猿」による部分が大きかったりしそうですか?
るんげ いや、そうでもないですね。じゃあ何って聞かれたら知りませんが…………………
―― 「暗さ」……?
るんげ 全体的に「もうだめだ」って感じはありますね。

―― バンナイヒュウガさんは、オーディションでですか?
るんげ 昔共演してなぜか給食係に興味を持ってくれたので入ってもらいました。オーディションではないです。野球でいうと逆指名に近いのかな?
―― 共演の時は、どんな役でしたか?
るんげ おれの弟の役!

―― 出演される市川賢太郎さんについて、お聞きしたいのですが
ご本人のツイッターで「とても我慢している僕はすごく貴重です!」とツイートされているのを見ました。
前回の公演「セメント・モリ」でも、ずいぶん我慢している役だったように思うのですが
どういうことでしょうか。
るんげ わかりませんが、大声を出さない、明るくやらない、などが多分本人の言う「我慢」です。

―― 冴島學さん・たかぐちさん・梅津光さん、それぞれの注目ポイントなどはありますか?
るんげ 冴島:命燃やしてるとこ。特に猿と喧嘩?するシーン
たかぐち:マジで何にも心が動かされないとこ
梅津:なりふり構わないとこ

―― 「さる沢」を演る吉祥寺に対する感情は、ありますか?
るんげ 一切無いです
―― もしかして、特殊な仕掛けができたりする劇場なのでしょうか
るんげ ギャラリーなのでそういうのは一切ありません
―― やっぱり、一切無いんですね……
るんげ へい
―― 法外券の「特典等一切無し」と同じ「一切無し」ですか?
るんげ せや!
―― 一切無し関連なのですが「さる沢」を観劇するに当たって「猿沢伝説」を享受しておく必要は、一切無しですか?(とはいえ、すぐにネットで得られるものでは
当然、不十分かとは思うのですが)
るんげ 一切無しですね。劇でやるので。ただバチボコに脚色してあるので、原典(つっても口伝なのではっきりしたものはないですが)と比べたかったら読んだらええ。

―― 最後に言っておきたいことなどあれば、お願いします!
るんげ よろしくね〜
―― ということで。ご多忙な中お時間いただき、ありがとうございます!

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山形県民話「猿沢伝説」については、劇中で触れるとのことなので事前予習は不要とのこと。

それで実際どうなっているか、
ぜひ観劇に足を運んでみてください!!


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詳細→https://stage.corich.jp/stage/104779
予約→https://www.quartet-online.net/ticket/sarusawa






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