認知症の人がみている世界【読書感想文】
こんにちは、おまきです🌷
先日読んだ本が、個人的に「とても分かりやすくて素敵だな」と思ったので紹介させてください。
こんなひとにおすすめ!
*認知症介護をしているひと
*身近に認知症の方がいるひと
*高齢の家族がいるひと
*認知症に関心のあるひと
マンガでわかる!認知症の人が見ている世界
アマゾンでベストセラーになっている本です。
祖母が認知症なので、母が勉強のために借りたそう。
実家に帰ったときに「こんなん借りたけど読む?」と声を掛けてもらいました。
事例がマンガで表現されているので、とても分かりやすくスラスラ読むことができます。
(解説の文章もありますが、1時間半くらいあれば読めました。)
高齢者施設で勤務し、普段から認知症の方と接し、勉強しているわたしでもとても勉強になる本でした。
認知症とは身近な病気
さて、みなさんの周りには、認知症の方はいらっしゃいますか?
祖父母や親が認知症にならない限り、認知症の方と接する機会はあまりないのかな~と思っています。
長年「痴呆」「呆け」と呼ばれ、偏見のあった病気ですが、高齢化の進む日本では、今後もっと身近になる病気と言われています。
身近なひとが、いつなってもおかしくない病気です。
突然診断されて「お先真っ暗」みたいな気持ちにならないように、『こんな病気なんだな~』くらいの知識を身につけておくのもいいのではないでしょうか?
進行すると日常生活を1人で送ることは難しく、常に介護が必要になり、家族への負担が大きくなる病気。
また、『なにも分からなくなってしまった。』と家族が悲しくなる気持ちは、現場ではよく聞きます。
そんな中、この本は
家族の気持ちはよく分かる…….。
けど肝心の本人はどう思っているのかな?
という部分を思い出させてくれました。
一番不安でつらいのは本人では?
普段仕事をしていて
「ここで待っててくださいね」って言ってもどこかに行ってしまってたり
傷の処置をしようとすると、叩かれたりつねられたり。
こちらからすると『言ったのになんで~』『よかれと思ってやってるのに….』ってなることもあります。
さらに、気持ちに余裕がなかったら「あー!もう!」って言いたくなる気持ちにもなります。
でも、それは相手が悪いんじゃなくて、病気によるものであり、その人自身も病気のせいでたくさん不安になっているはず。
接し方について考えた、実際の体験
以前、認知症の男性入居者さんがトイレで嘔吐したときのこと。
介護職員と2人で、処理をしていました。
入居者さんはプチパニックになって、吐物まみれのスリッパを履こうとしたり。
介護職員が「お願いだからやめて!汚いから!やめて!」って大きな声で説得していましたが、入居者さんはさらにパニックに。
これじゃあかんと、できるだけ優しく「○○さん結構戻したけど大丈夫?しんどかったね。スリッパは汚れてしまったから、新しいもの持ってきますね。」と声をかけてみると「そうか…….ありがとうな。ごめんな。」と落ち着いてくれました。
吐物まみれのトイレを掃除するのも、正直大変。
『他のひとのケアもあるのに』とイライラして怒鳴る気持ちも分かります。
ですが、嘔吐した本人が絶対一番つらい。
認知症もあるので『適切な処理方法も分からない、でも汚してしまった、どうしよう。』と不安な気持ちになるはず。
冷静に考えると、嘔吐して怒鳴られるって鬼畜すぎてやばい。
気持ちに寄り添った声かけをすることで、お互いスムーズに物事が回ることを、身を持って実感した出来事でした。
まとめ
なかなか自分の思うようにいかない「認知症介護」。
計画通りいかないからこそ、疲れきってしまったり、怒りの感情が湧いたりします。
ですが、認知症患者もひとりの人間。
病気に引っ張られず、ひとりの人として尊重し、
笑顔で優しく声かけをしよう。
改めて、そう思わせてくれた素敵な本でした!
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