井上雄輔

写真を使用して作品を制作しています。 主な被写体は、コンテナや窓、標識。撮影にルールを…

井上雄輔

写真を使用して作品を制作しています。 主な被写体は、コンテナや窓、標識。撮影にルールを設けて、条件を揃えて撮影しています。 https://inoueyusuke.com/

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虚構の穴 - The Imaginary Void

はじめに  私たちが日々目にする写真は、見える世界の一部を切り取ったものに過ぎない。しかし、その一片に映し出された現実から、私たちは何を読み取り、どのように想像を膨らませるのだろうか。この記事では、写真の不完全性がもたらす想像の力と、それが私たちの認識にどのように影響を及ぼすかを探っていく。 1. 空の落とし穴 「エアポケット」という言葉を聞いたことがあるだろうか。「空気の穴」という意味の、この単語。日常生活では、あまり馴染みのない言葉かもしれない。これは航空用語であり、

    • 熱量について - The Energy of Creation

      1.「熱量」とは  熱量という言葉は、日常生活でも耳にすることがある。それは、物理学の熱エネルギーのことではなく、「あの作家は熱量がすごい」というような比喩表現である。物事に情熱を注いでいるさまを表したり、そこから感じられるエネルギーを「熱量」と言ったりする。この熱量、厳密な用法が決まっているわけではない。雰囲気であったり感覚的に使われるものだ。とはいえ、熱量を持つ作品には、傾向があるはず。物理的に使われる「熱」ではない、この比喩的表現の「熱量」。どのようにしたら、この熱量

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