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12月生まれの宿命

メリー・クリスマス🎄

駅前には大きなツリーが飾られ
街はイルミネーションに彩られ
クリスマスソングが流れる日常に
自然とワクワクする

師走の気忙しさも相まって
ワクワクだかソワソワだか
年末に向けて落ち着かない日が続く

この時期になると思い出す
幼い頃の記憶

私は12月生まれなので
物心ついた頃からなんとなく
誕生日プレゼントと
クリスマスプレゼントは一緒に
まとめて1つな感じになっていた

物心ついた頃と言ったけど
鮮明に覚えている
それは7歳の誕生日

母と買い物に行った時に
おもちゃ売り場に連れて行かれた

「今年から誕生日プレゼントと
 クリスマスプレゼント合わせて1つね」
「好きなの選んでいいよ」

『え?どうゆう…こと?』
『誕生日プレゼント
 好きなの選んでいいはわかる』
『は?クリスマスプレゼントと一緒?』
『なに?クリスマスのプレゼントは
 サンタさんが持って来てくれるでしょ』

その頃の私は
少しの疑いを持ちながらも
まだサンタさんの存在を信じていた
可愛らしい包装紙を継ぎ足して
大きな靴下型の紙袋を作って
『サンタさんへ』などと
お手紙まで書いていた

母の放った言葉が
頭の中をグルグルと渦巻く

うっすらと感じていた真実
まだ理解はしていない真実
母にどうゆう事かと訊ねる事で
真実を突きつけられ
現実を受け入れなければいけなくなる

突きつけられるくるいなら
うっすら感じていた真実を
自ら受け入れる方がマシだ

うっすら感じていた真実
うっすら感じ取った大人の事情

私は
『あーはいはい
 そんな事は前から解っていた』
とゆう素振りで
「誕生日とクリスマスが一緒なら
 少し高いモノでもいいよね?」と
1ミリも傷ついてなどいない態度で
母に言ったのを覚えている

「ちゃっかりした子だね〜」
そんな意味合いの事を言われたと思う

理解はしたけど
納得などしていない頭と心は
まだグルグルと
色んな思いが渦巻いていた

悩んだフリをして
全然欲しくない
ネコのぬいぐるみを買ってもらった

こうして私のサンタさんは
7歳の誕生日を機に
いなくなった

毎年のように思い出すエピソード
こうして文章にしてみると
全く子供らしくなかった
自分にぞっとする


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