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遺伝カウンセリング

遺伝性のがんであるとわかってから、主治医に遺伝について詳しい説明をするためにカウンセリングを勧められました。初めは何をするのか全くわかっていなかったのですが、実際に受けてみるとこれまでで一番貴重な時間になりました。今回は遺伝カウンセリングの中でどんな話をされるのか、詳しく解説してみたいと思います。これから遺伝カウンセリングを受けるか迷っている方は参考にしていただければと思います。

DNAと遺伝子の違い

人間の細胞1個の中には全部で46個の染色体が並んでいて、2個ずつペアになって並んでいます。この染色体の中に約30億個のDNAがあり、そのひとつひとつを構成しているものが遺伝子と呼ばれるものになります。

DNAの中にはタンパク質をつくる情報が遺伝子によって配列されているのですが、その順序は完全に決まっていて固定されています。

どういうことかと言うと、タンパク質が構成される遺伝子はA(アデニン)G(グアニン) C(シトシン)T(チミン)の4種類しかなく、この遺伝子が3つずつペア(塩基)となって一つのアミノ酸が指定されています。

うん、難しいですね。苦笑

BRCA1,2変異とはどういうことか

今回私が受けた遺伝子検査は、罹患した乳がんが遺伝性乳がんの原因となるBRCA1もしくはBRCA2の変異によるものと考えられるのかを判断するために行いました。

検査結果には「BRCA2 c.1813dupA (p.Ile605Asnfs*11)」と表記されていたんですが、解読不能なので先生に意味を聞くと

「BRCA2 遺伝子の1813番目のA(アデニン)が重複していて、その結果605個目の塩基で停止している」

本来何万も続くこのBRCA2の遺伝子ですが、私の場合この変異によってたった605番目でまでしか存在していなかったんです。

というような話を先生は淡々とおっしゃっていました。素人の私が聞いても「やばそう」な感じがわかりました。。

変異によってどうなるのか

そもそもこのBRCA1,2という遺伝子は「がん抑制遺伝子」と呼ばれていて、遺伝子を構成するDNAが傷ついた時に修復してくれる役割があります。

それが変異によってこの役割が失われてしまうと、乳がんや卵巣がんになりやすいことが分かっています。

つまり私もこのパターンで乳がんを発症した可能性が高いということになります。

家系で考える遺伝性がん

先生は私の家系図を書いて、誰ががんを発症したのか聞き取りを始めました。その中で母と母方の祖父が乳がんに以前罹患していたので、分かっている情報で見ると、やはりその可能性が高いという話でした。

また自分のきょうだいにも50%の確率で遺伝子の変異が起こるので、今回私の変異がわかったことによって母ときょうだいにも遺伝子検査をすすめられました。

※2021年7月現在、既にがんに罹患した家族は私の遺伝子変異が分かったことによって受ける遺伝子検査が保険適用になります。

健側の乳房 予防切除について

遺伝子変異が分かったら、また再発する可能性があるのでもう片方の乳房と卵巣も切除することを勧められました。

ただ、以前から二人目を希望している私は子どもを授かったら母乳を与えたいという思いが強くありました。

一人目の時はなかなか母乳が出なかったのですが、マッサージに通い水分を毎日2Lのみながら試行錯誤した末、おっぱいが大好きになった娘との時間は何にも変えがたい喜びでした。

でもまたいつ乳がんを発症するか分からないとなった今、それを選ぶ事はとてもリスクがある事を意味します。

母乳を与えることだけが子育てではないです。むしろまた乳がんを発症して、子どもをおいて自分が死ぬほうが無責任だと冷静になったら思いました。

そもそもミルクだけで赤ちゃんはすくすく育ちますからね。そう考えたら気持ちも固まってきました。

卵巣の切除も早めに行う方がいいそうですが、BRCA2変異の場合は全体の発症率からみて切除する時期を40歳から45歳までに延ばすこともできる、と言われました。

それまでには、2人目妊活にけりを付けたいと思います。私、諦めが悪い性格なのでここで宣言させていただきます。


というわけで、いかがだったでしょうか。

なにぶん素人の発言ですので、専門の方にすると違うと感じる部分があるかもしれません。その時はコメント欄で教えてもらえたら嬉しいです。

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