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真面目さを肯定すること。

こんにちは。

前回の記事から少し時間が空いてしまいました。継続していくことが大事、だったのに、と思ってまずは投稿を続けます。

昨今のコロナウイルス関連で都心ではテレワークが続き、外出制限もまだ解除されない状況のようですね。お疲れ様です。

こちら地方の観光地は大きな転換期を迎えているところです。コロナウイルス対策として、そもそもの営業をするのか、そして営業再開ならばどこまでの対策を「お客様に」求めるか、といったところでしょうか。

旅館というのはまして、至れり尽くせり、上げ膳据え膳の世界でした。お客様は恭しくお部屋へご案内され、浴衣のサイズから非常口の案内や食事時間まで、希望を申し伝えます。あとは自由な時間で、食事の際も好きなタイミングで飲み物の追加をし、ある程度長居してくつろぎの時間を過ごすものです。旅館に行って、こうしてください、これはしてはいけません、というのは(常識の範囲内であれば)経験したことはないのではないでしょうか?

さて、先ほど書いたように、今は各旅館、商業施設が、感染拡大を防止しながらも自分たちの生活を守るため、経済活動を再開した、しようとしているところです。すでに耳にタコができるほど聞いた「3密」や「ソーシャルディスタンス」など、全国一般的な対策については言うまでもありませんが、これに付随してくるのが、「感染リスクの異なる、業種ごとの対策をまとめたガイドライン」です。

至れり尽くせりな旅館業を見てみると、チェックイン時にお客様はフロントで5分ほど、対面での打ち合わせを行います。その後はほぼ係がつきっきりで、エレベーターも、客室内も、食事会場も、特に「距離を置く」ことは難しくなってきます。これに対してガイドラインでは

●従業員と宿泊客の接触をできるだけ避ける。

●感染防止のために宿泊客を整理する。

といった項目を設け、各施設に置いて最大限努力をして、これを避けること、としています。


今まで私たちが続けてきた「おもてなし」は、ではどこまで可能なのでしょうか?



会社上層部による全体の方向性のもと、社員一人ひとりが、今後の対応策について意見を出してくれるようになってきました。ここが簡略化できる、この順番を入れ替えれば接触時間は短くて済む、など建設的な意見で、まとめ役としてはありがたい限りです。

ただし。

「今までこうやって接客してきたことを省いてしまって、お客様に叱られやしないか」

あるとは思いました。なにぶん地元でも大規模な旅館であり、地元住民の重要な仕事場です。勤続年数の長い大先輩が多く、その方々が受け継いできたサービススタンダード、そして歴史というものは間違いなく残っているからです。

私も思うことはあります。新入社員に徹底して教えてきた、勉強会を開いて上司に監視されながら繰り返してきた、着物での作法からお茶の出し方など、すべてやらなくてもいいのか。(1本目の記事で書いたように私個人は人とかかわらずに済むならそっちを選びますけどね)

ただ、非常に残念なのは、ここでお叱りを恐れている先輩方が「今までやってきたことだけ」でよかった人たちであり、「新しい時代に則したやり方」を考えようともしない人であるところなんです。



真面目さの定義というのは、いまちょっとはっきりしませんが、少なくとも考えることも放棄して、今までの流れにただ乗っかっていく人のことは言わないんじゃないでしょうか。会社に言われたからやっている、そんな操り人形みたいな人生は、「真面目さ」よりもつまらないものだと思うのです。

年齢は言いませんが、私は会社の中では若手です。ただし、諸先輩を追い抜いて役職をもらってプロジェクトチームに入ったり、シフト管理の仕事をしたりさせてもらっています。

ここで私は、ようやく、「真面目さ」を受け入れることができました。

面白味がなく、人間としてはつまらない、一緒にいても退屈な奴だと、きっと思われてきたでしょう。おかげで私が誘われていない同期飲み会とかも結構あったみたいです。

それでも構わないと、私はようやく言えるようになったんです。世の中非常事態で、生活に窮しているのは百も承知で言いますが、私は今の世の中の動きになって、ようやく自分を肯定してあげることができたのです。



私だけかもしれません。真面目に生きることが普通のことだと思って生きているのは。

だから周りの人に「真面目だねぇ」なんて感嘆や、ときに少しのからかいを含んだ言い回しをされるのかもしれません。

でも今なら言えます。「真面目だから私は今、ここにいるんです」

役職的な立ち位置のことでもあり、人間性のことでもあり、捉え方は聞いた人次第でしょうが、それが私の本心です。

これからも私は「真面目さ」ゆえに、例えば人を傷つけることもあるんでしょうが、誰かを助けられると信じて、進んでゆきたいと思うのです。


お付き合いいただきありがとうございました。