眠ること
私はすぐに眠くなるタイプの人間だ。
心の底から幸せを感じながら、幸せに包まれながら眠るということは、いつでもどんなときでも感じられるわけではない。
19歳のとき、27歳のあのひとがすきだった。
女子高生のころから片思いを続けて、高校を卒業して、19歳になってやっと付き合ってもらえたあのひと。
大学の授業が終わったあと、あのひとの一人暮らしの部屋で二人でくっついて、それから二人でウトウトしている時間は幸せだった。
あのひとの肩におでこをつけて、あのひとの呼吸を感じながら眠りに落ちる。
「優等生」「母親の期待通りの娘」「純潔な少女」・・・
あのひとの前では、そういう自分を作っている仮面をすべて外していたと思う。
あのひとはあのひとで自分を作る仮面を私の前では取ってくれた。
「真面目」「いい歳の大人」「社会人でサラリーマン」・・・
きっとお互いに恥ずかしくなるような、間抜けな顔だっただろう。
でも私にとって、それは一番の幸せだった。
☆ ☆ ☆
ひとは時々、幾重にも仮面をする。そうやって本当の自分を守って生きている。
母親、妻、娘、嫁、発達障害者当事者、発達障害を持つ子どもの親、会社員、コンサルタント・・・
そうしていくつもいくつも仮面をかぶっているうちに、本当の自分がわからなくなるときがある。
だから、こうやって、ときどきほんとうの自分をさらけ出したくて、書いてしまうんだ。
あなたは、仮面の下で、ほんとうはどんな顔をしているの?
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