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三年計画の定点観測(2021年10月度月報)

◆前書き
昨年はリーグ戦の試合の直後にアンケートを取って、自分の評価と比較しつつ三年計画のプレーコンセプトが表現できていたのかをまとめていました。ですが、協力してくれた方もアンケートの項目が多くて面倒だったんじゃないかとか色々自分なりに考えて、今年は試合ごとの記事はその試合の内容によってピックアップする事象を変えた雑感として出しつつ、月の終わりに月報のような形で三年計画のプレーコンセプトについての定点観測をしようと思います。


◆10月の戦績

10/2 (Sat) J1 第31節 (A) vs 神戸 ●1-5
10/6 (Wed) ルヴァン SF 1stLeg (H) vs C大阪 △1-1
10/10 (Sun) ルヴァン SF 2ndLeg (A) vs C大阪 ●0-1
10/16 (Sat) J1 第32節 (H) vs G大阪 △1-1
10/22 (Fri) J1 第33節 (H) vs 柏 ○5-1
10/27 (Wed) 天皇杯 QF vs G大阪 ○2-0
10/30 (Sat) ルヴァン Final ×

※リーグ戦 1勝1分1敗 7得点7失点(0)
※ルヴァン杯 0勝1分1敗 1得点2失点(-1)
※天皇杯 1勝0分0敗 2得点0失点(+1)

本当なら10/31になってから10月の振り返りをする予定だったのですが、残念ながらそうはいきませんでしたね。9月が0トップのメリットが際立って好成績を収めた一方で、10月は逆に0トップのデメリットが際立ってしまった訳ですが、調子が良いチームに対してきちんと対策してくるのは自然なことです。

前線にストライカーを置かないことで中盤の人数は増やすことが出来るのでそこで数的有利を作りやすくなるものの、神戸は人が足りなくなるエリアに後ろの列から積極的に人を出してきました。相手の背後を脅かせないからこそ相手の最終ラインは思い切って前に出られるわけで、ではそれをどう利用するの?あるいはどうやって相手にそうさせないようにするの?というところは上手く表現しきれなかったのかなと思います。

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9月最後のFC東京戦でも、東京が5-3-2に変更して中央の人数を増やしてからの展開もそうでしたが、上手く相手の間のスペースを見つけて相手がボールの移動中には届かない距離に入りながらボールを受けることが得意な小泉に対して、そもそもスペースを小さくしたり、そこに出て行く選手を決めてさっさと潰しに行ったりしてボールが来た時には相手も来ているという状態にされてしまう彼にとっては苦しい状態が続いてしまいました。

勿論、チームとして相手が簡単にブロックをコンパクトに出来ないように左右、前後に広げるように人やボールを動かすのが理想なのですが、それが出来ない、チームとして相手を上回れていない時に、相手に当たられても耐えてボールをキープしたり、体を入れて相手が前に出られないようにして先に触ってはたいたり、相手が潰しに来る力を利用してターンしたり、そういう個人が局面で出来ることによってチームの不利、不具合を清算できるかの部分へと回帰していきます。3月の川崎戦のあとに個人の部分にフォーカスしたコメントを小泉はしていましたが、また1周して同じ課題に戻ってきたと言えるでしょう。


続くルヴァン杯準決勝でも前半は7月の天皇杯相模原戦での負傷から復帰した山中を活かすべく、左のハーフレーンをショルツが持ち運ぶ、内側には汰木が立つことでC大阪のSH、SBに対しての3vs2を再現性高く作り、早い時間で先制点を取ることが出来ました。

ただ、この試合で気になったのは右CBに入った槙野がビルドアップ時にどんどん中央へ、さらには左へと動いてしまうことでビルドアップ時に左サイドで前進しようとしたけど、相手に塞がれたから逆サイドへやり直すリサイクルをしようとするときに槙野から右の選手への距離が伸びてしまうだけでなく、相手からすれば中央にいてくれるのでFWがそのまま出て行くだけで同サイドへ押し戻すことが出来てしまいます。

リカルドは選手のシンクロ、距離感というのを大切にしているというのを定例会見で何度も言っていて、それは誰か1人でもそのバランスを崩した場所に立ってしまうとたちまち総崩れしかねないという危うさがあって、この試合でそれが致命傷になることは無かったものの、そこでスムーズにボールを動かすことが出来ていればもっと余裕をもって試合を進めていけたのかなとは思いました。


後半になったところでC大阪は誰がどこに出て行くという守備の部分での約束事が強調され始めました。それによって神戸戦と同じようになかなか相手から距離を取ったポジションに立つことが出来なくなったり、そこに立てていても相手がすぐに出てくるので速く速くボールも人も動くことで保持の時間が短縮されてしまい、それによって自分たちのポジションバランスを整える時間も減ってしまったりしていました。

これによって、前半は汰木を筆頭にボール保持の時に相手のブロックの中に立てていることで、その中でボールを奪われた時にすぐに奪い返しに行くことができたのですが、後半はそこのポジションに移動する前にボールの保有権が変わってしまうのでネガトラも利きにくいという展開。

また、C大阪は9月の対戦でも対4-4-2では典型的な攻略法として最後尾を3枚、アンカーを置いてSHとCHの間、SHの脇に人を置くという3-1-4-2のような並びにすることで4-4-2の側はアクションを起こさざるを得ない状況を作りつつ、起こされたアクションに対して逆の選択肢を取れば前進できるという構造はあって、それが9月よりもこの試合の後半では浦和の保持の時間が減った分だけ表現出来る回数が増えたと言えるのかなと思います。


そして、1-1の状態で乗り込んだアウェーゲームではC大阪は試合序盤から1stレグ後半の続きのように積極的にプレッシングに出てきました。これに対して浦和は柴戸をCBの間に落としたり、右SBの西を残して左上がりにしてみたり、今度は敦樹がショルツの脇に下りてみたりとあの手この手でC大阪のプレッシングを止めつつボールの前進経路を探っていました。

結局は敦樹を下ろしながらのビルドアップの時間が長かったかなと思いますが、そうなると敦樹が下りた分のスペースに入ってくるのは小泉になり、そこについては原川がしっかりついていって潰すという神戸戦の似たような状況が生まれてしまいました。神戸戦からの3連戦については雑にくくってしまえば相手が強く守備の矢印を連続的に出してこられると、それを跳ね除けるだけのキープ力であったり、それを裏返してやり切ることは出来なかったということになってしまうのかなと思います。


G大阪戦ではユンカーが直前で負傷していたということもあってFWに明本が入ることになりました。8月にユンカーが出られなかったときも江坂と縦関係の2トップは組みましたし、その時には攻守で前への推進力を出していて、この試合でも序盤から積極的にスペースに向かって1stアクションを起こしていました。

この間に浦和は何点取れたか分からないくらいのチャンスがあったわけですが、これを決めきることが出来ず、さらに35分には明本が負傷交代してしまい、浦和は小泉を入れて0トップになった訳ですが、序盤から決定機はあったのでそのうちなんとか出来るだろうという感覚であったり、中盤の選手が多いことで誰かが動いたらその次に動くという感覚であったりというのが相手ゴールに向かうための矢印を弱くしてしまったように見えました。勿論、東口が超人的なセービングをしなければ全然点は入ったでしょとはなるのですが。


課題が出てくればそれに対して答えを出せるというのは、見ている側として今季あまりストレスを引きずらずに済んでいる要因なのかなと思いますが、柏戦ではユンカーがCFに入ると、相手ゴールに一番近いところ、相手守備者にとっては一番入ってきてほしくないところに真っ先に動いてくれる選手がいて、そうなるとそのまわりの選手はユンカーのアクションに引っ張られて空いたスペースを探していけるようになります。柏戦での先制点はまさにそういった要素が出たのかなと思います。

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ユンカーが背後のスペースを狙うから古賀の出足が鈍ったり、ユンカーがサントスの背中を取り続けるからサントスの前のスペースが空いたり、こういうアクションを起こせる人がいるのは大事だなと改めて感じました。

さらにユンカーは平野がポンと前に送ったボールをサントスの競争の末にゴールにしてしまい、やはり試合に絡めてゴールが取れてくるとtwitterの投稿も活発になっていて、こういう可愛げにはニヤニヤしてしまいます。


10月最後の試合となった天皇杯では、またしても平野からユンカーへの必殺ロブパスが通って先制しました。「正直、キャスパーのことは見えていませんでした。」とのことだそうですが、いまだに得失点差にカウントしてもらえない湘南戦のゴールも、柏戦のゴールも、相手のラインが前に出てきていれば背後のスペースを狙う準備はしっかりしているというユンカーのストライカーとしての矜持を確かに感じる2試合連続ゴールだったかと思います。0トップでも良いけど、俺達には最高のストライカーがいる。


これまでもそうですし、10月に改めて顕著になった傾向としては浦和はビルドアップ時に相手がSHなど2列目以降の選手の縦スライドを伴ってビルドアップ隊の枚数に縦方向からバチっと嵌めつつ、その後ろの列(最終ラインまでを含めて)がしっかり連動して繋がって前向きにコンパクトな対応をされると、手前、手前のパスで潰されてしまって前進できる回数が減ってしまう、ロングボールを出しても収めて時間を稼ぎながら全体の押し上げを待てるタイプの選手は今はピッチに立っていない(少なくともユンカーはそういうタイプではない)ので、ロングボールで抜け出してやり切れれば良いけど、そうでない場合は再び自陣でのプレーが増えて相手を押し返せないという感じでしょうか。

逆にビルドアップ隊で+1を作れていたり、柏のように前の選手と後ろの選手の矢印が連動しない時にはそこを見逃さずに人もボールも空いている場所をきちんと利用することが出来ていますし、これはここまでのリーグ戦、天皇杯、ルヴァン杯49試合でのチームとしての積み上げあり、個人の成長です。冒頭の話に戻りますが、強みや自分たちのベースは色濃くなってきたので、では相手にそこを対策された時にどうやって上回っていこうか、という次の段階に来ているんだなというのを強く感じた1ヶ月でした。


◆プレーコンセプトは表現出来ていたか

※各項目5点満点
1) 個の能力を最大限に発揮する
 →4点(3月=3点/4月=4点/5月=4点/6月=4点/7月=3点/8月=3点/9月=4点)
2) 前向き、積極的、情熱的なプレーをする
 →5点(3月=2点/4月=4点/5月=4点/6月=5点/7月=4点/8月=4点/9月=5点)
3) 攻守に切れ目のない、相手を休ませないプレーをする
 →5点(3月=2点/4月=3点/5月=3点/6月=4点/7月=3点/8月=3点/9月=5点)

1) 個の能力を最大限に発揮する
→ 3点

個の能力をどう捉えるかは難しいですが、「もっと出来るだろう」と感じる選手もいたかなというのが正直なところ。特に田中、大久保についてはスピードがあるのにまずはボールをもらってからプレーしようとするのが多いのはもったいないなと。

リカルドがMARCAでの連載で書いていたのは日本人のサイドプレーヤーはシャドーとして内側に入ってくるのが多いということでした。

Una de las cosas que más me llama la atención del fútbol japonés es que hay pocos extremos puros, sin embargo hay muchísimos mediapuntas -lo que ellos llaman 'shadows' (sombras)-. Suelen ser jugadores pequeñitos, con capacidad para jugar en pocos metros o para poder ir al espacio.
(日本サッカーで最も注目されることの1つが純粋なウィングプレーヤーが少なく、シャドーと呼ばれる中盤の選手がたくさんいることです。彼らは小柄で、数メートルの距離でのプレーやスペースへ入っていく能力があります)

相手の守備ブロックを横に広げるだけでなく、ラインを下げさせて縦にも広げるためにはサイドのプレーヤーが幅を取りつつ裏を狙いに行くのが必要で、田中と大久保についてはそれを担える可能性が他の選手よりも高いと思います。

シャドーとしてプレー出来る選手は小泉、江坂、汰木、関根と揃っているので、大久保や田中が同じようにプレーする必要は別になくて、彼らは彼らの良さを別の方向で発揮してくれるとよりチームとしての幅が出てくるので頑張ってほしいなと思います。


夏に加入したショルツ、平野、江坂、酒井は相変わらず安定したパフォーマンスを見せていますし、彼らは完全にチームに欠かせないピースになってきています。特にショルツと平野については隣の選手、つまりは岩波と柴戸にも大きな影響を与えていて、例えば岩波ならビルドアップ時にショルツが素早くボールの高さまで下がって相手から距離を取ってパスを止める時には体が前を向けるようにボールを待って受けているのが良いお手本になっているように感じます。


横パスを迎えに行くように受けてしまうと体は横を向いてしまって、そこから向き直す間に相手はプレッシングに出てくるかもしれないし、ブロックを作り直すかもしれない。ショルツはボールの受け方によってこの時間を相手から削ることが出来ていて、だから余裕を持って相手を見てスパッとパスを出したり、スルスルとドリブルで運んだり出来ているのだろうと思います。

ボールを受ける時の体の向きはこの動画での福田さんの指導が分かりやすいので、見てもらえると上手くビルドアップが出来る選手とそうで無い選手の違いが見えてくるかもしれません。


平野についてもショルツと同様に足を運んで相手から距離を取ることを怠らないのがとても良くて、それ故に周りを見る時間を確保することが出来て、オンザボールでのプレーがかなりシンプルになっているのだろうと思います。それだけでなく、柏戦、天皇杯G大阪戦で連続したことでより印象に残るのがパスの選択肢をまずは相手ゴールに近いところから使おうと出来ていることが良いですね。

手段が目的にすり替わってしまうというのがその手段を使いこなせない状態の時には起きがちで、今季の浦和であればしっかりボールを保持して前進しようねという手段に再トライしている中で保持すること、保持しやすい短い距離のパスを選択することに意識が向きやすかったのかなと思います。

4月の鹿島戦からアンカーとしてヘソの位置に定位してターンもしながらボールを捌けるんだぞということを示した柴戸ですが、ボールを持った時に配れる範囲についてはなかなか広がらないのが課題としてあったのかなと思います。そういう中でパスの範囲が広い平野が隣に現れたのは刺激になったでしょうし、柏戦3点目の最後尾に降りたところから山中まで飛ばすボールが出たことは彼の更なる進化を示すプレーだったかなと思います。


2) 前向き、積極的、情熱的なプレーをする
→ 3点

すごく小さいことに固執しているようで良い気はしないのですが、どうしても神戸戦の4失点目までの過程はこの「姿勢」の面でやってはいけないことだったんじゃないかなと心の中で引っ掛かり続けています。ちょっと長いのですが神戸戦の雑感の一部を抜粋します。

試合の流れを決してしまったのは1点を返した後の4点目だったかなと思いますが、浦和のゴール前の攻防のシーンから少し前に巻き戻すと、51'33に西川から明本の方へ向けてロングボールを出してこぼれ球を拾います。そこから明本が山川を抜きにかかった時に足が引っ掛かって明本が倒れるも判定はファウル無し。明本が数秒倒れた後、判定に対して腹を立ててピッチを手で叩いてから立ち上がる間に菊池がボールを拾って明本と平野の間にパスを通して一気に神戸が浦和陣内へ攻めかかりました。

正直、この試合での木村さんの判定については首をかしげることが多かったので、「またかよ!」「ふざけんな!」という感情になることは十分に理解できますし、自分もテレビの前で思いっきり舌打ちをしていました。なので、明本を咎める権利はないのですが、そんな自分も含めて判定に対してセルフジャッジをして次のプレーに遅れを取る、それがゴールにまでつながってしまうというのはあってはいけないことなので、大いに反省しないといけません。審判の判定に対してどうこう思うことと、それでプレーを止めてしまったことについては分けて考える必要があります。

あそこで、明本がすぐに立って菊池からのパスをカットしていればそのまま浦和の攻撃に戻せたわけで、そうすれば4失点目はせずに2得点目が取れたかもしれないわけで。「前向き、積極的、情熱的なプレーをする」というのは不利な状況に陥ったとしてもその時にやれることを果たすという強さも含まれていると思います。感情を出して良い場面と、感情をニュートラルにするべき場面があって、あの場面では後者でした。

失点の直接的な原因ではありませんが、その火種を作ったのはこの姿勢の部分だったように思ってしまいます。強いチームの選手でも判定に不満があれば文句を言っている場面はよく見ます。でも、それはプレーしながら、ボールを奪われた後であればボールに向かったり自陣へ戻ったりしながらその意思を示していることが多い気がします。印象論で申し訳ないですが。

ただ、立ち返る場所として「今ピッチに立っているのはチームとして勝つためだよね?」ということを考えた時にはそのためのアクションをプレーで起こすことが第1にあって、上回るべきは相手チームであって審判ではないので、そこにストレスを抱えることは当然あるのですがそういった気持ちの部分というか、頭の中の整理のところは強いチームになるために当然求めなければいけないですよね。


3) 攻守に切れ目のない、相手を休ませないプレーをする
→ 3点

攻守に切れ目のないプレーを最も体現してくれているのは汰木と柴戸だろうと思います。

まず汰木についていえば柏戦の3点目が山中からのクロスのこぼれ球をそのまま拾ってシュートしましたが、あのポジションにいたのは偶然ではなくて他の場面でも、他の試合でも汰木はあの位置にいることが多いです。いわゆる大外アイソレーションの状態でボールを受けて、カットインで仕掛けて行くというのが昨年までの彼の強みでしたが、今年はこれまでの起用でもそうかなとは思っていましたが10/8の定例会見でリカルドは汰木のことをはっきりとシャドーとして扱っているようなコメントをしています。

(ユンカー選手も先発出場し、試合の最初からストライカーを起用するのは久しぶりだったと思うが、この形で戦うときのメリットや気を付けなければいけないことは?)
「前の試合では江坂(任)がトップとしてプレーしていて、(汰木)康也や(小泉)佳穂がシャドーでプレーしていましたので、形自体はあまり変わっていません。そして守備はシーズンを通して4-4-2でやり続けていますので、それも変わっていません」

昨年の日本平での「コウヤ!ハバ!」はボールに触りたくて全体の配置バランスから外れるように中へと入っていってしまったという面があったかなと思いますが、今年彼が中へ入っているのは明確なチームとしての意図の上でのプレーだったというのが、柏戦の3点目もそうですし、それ以外でもペナルティエリアに入っていくところでのネガトラに汰木が1人目か2人目として寄せに行けている回数の多さに現れていると思いますし、ゴール前のチャンスに絡むシーンが増えているのもそうですよね。

78分から87分くらいまでの間、武藤が左SHで汰木が2トップに入るという時間がありました。これについては守備での狙いがあったのか、攻撃での狙いがあったのか初見ではよく分かりませんでしたし、試合後会見でもそれについてのQAは無さそうでしたので、これは是非いろんな人の意見を聞いてみたいところです。
個人的には3月ごろは汰木はロングボールの出し先になったりする場面もあったので中央からハーフレーンあたりでザイオンや岩波あたりから相手の中盤を越えるボールを入れて起点になってほしかったのかな?という想像はします。ユンカーがあまりロングボールを受けるのが得意ではなさそうなのでそういった役割を期待したのかなと。ただ、それなら興梠を入れても良いのかもしれないなとも思いますし、この辺りはそのうち答え合わせのような場面が来るのかもしれないですし、試合を観返していくとヒントが落ちているかもしれないので、時間がある時にまたチェックしてみても良いかもしれないですね。

これは5月の名古屋戦の雑感の中からの抜粋なのですが、今となってはあの時からリカルドは汰木が2トップに入ってプレーさせることに違和感はなくて、9月、10月でいよいよその成果が出て来たのでしょう。昨年もアウェーの柏戦でライン際に立っている時に超絶トラップ1発で相手を置き去りにしたりボールタッチの上手さには定評があるので中でのプレーも慣れればやれるでしょということだったんですかね。明本ほどの大胆コンバートではないものの、汰木のモデルチェンジも浦和の攻守に切れ目のないサッカーを展開するために大きな役割を果たしているだろうと思います。



◆11月の試合予定

11/3 (Wed) J1 第34節 (A) vs 川崎 (84pt / 26 / 6 / 1 / +49)
11/7 (Sun) J1 第35節 (A) vs 鹿島 (56pt / 17 / 5 / 11 / +20)
11/20 (Sat) J1 第36節 (H) vs 横浜FM (72pt / 22 / 6 / 5 / +39)
11/27 (Sat) J1 第37節 (H) vs 清水 (32pt / 7 / 11 / 15 / -16)

※()内は10月終了時点でのリーグ戦の 勝点/勝/分/負/得失点差
※浦和 (58pt / 17 / 7 / 9 / +8)

11月は中旬に代表戦があるため前半の2試合、後半の2試合と分かれるのでしょうが、残りの相手はいずれも難敵です。シーズン序盤も自分たちより下の順位のチームからは勝ち点を取るものの、上の順位のチームには勝てないというのが続きました。10月も神戸に対しては同じように勝ち点を取ることが出来ませんでしたが、強いチームになるためにはそういう相手からもしっかり勝ち点を取らないといけません。

こんな映像作られちゃったら滾ってきちゃいますよね。

川崎にはルヴァン杯で勝ち抜きはしたものの90分で勝った試合はない訳で今年の3試合で言えば2分1敗。天皇杯で再び対戦する可能性もありますが、まずはここでしっかりやり返して勝ち負けを五分に戻したいですし、何より目の前で優勝なんて決めてもらいたくないですからね。

Fマリノスも春先にやられた借りを返さないといけません。神戸のように強く速いプレッシングが来るでしょう。3月の試合ではその勢いに飲み込まれてしまいました。このスピードを裏返してユンカーがぶっちぎるのか、岩波、ショルツ、平野が素早くポジションを取って相手のプレッシングをいなすのか、あれからチームとしても個人としてもやれることが増えた中でどうなるのか楽しみです。

鹿島も3位争いから蹴落とさないといけません。清水とのホーム最終戦は最終節の名古屋との直接対決や天皇杯でのC大阪に対するリベンジへ向けて気持ちよくセレモニーをするために勝たないといけません。

名古屋とは勝ち点が並んでいるので直接対決で勝てばよいのですが、神戸は3ポイント先に行かれてしまっているのでこちらは勝ち続けて追い越すしかありません。今年の残り試合で出来ることはリーグ戦でのACL出場権獲得と天皇杯獲得。強くなってから勝つのではなく、勝って強くなろう。


今回も駄文にお付き合い頂きありがとうございました。

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