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空き缶

あの目だ。
あいつもあの目をしている。
あの声だ。
あいつもあの声を発している。
トラウマを運んで来る人間独特の目と声。
不快で陰気なのを隠そうともしない。

自分の言葉なんて持っていないし
考えたこともない空っぽの空き缶みたいな人たち。
自分が空っぽだと気づかないから蹴られていることにも気づかないそんな空缶に期待なんてしたわたしが馬鹿だった。
喉が渇いているのにわざわざ空き缶を手にしてしまった。
傾けても一滴も口には入らない。
しばらくそのままじっと待っていたけど空だと気付いたからゴミ箱に入れてあげよう。
あの空き缶は最後の一滴まで飲み干した人に
ゴミ箱に入れてもらえなかった可哀想な空き缶。
次のチャンスを与えられることも
自ら掴めるわけでもない。

ただただ可哀想だ。



辛辣な態度を受けたあと書いたものです。

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