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前世が天使だった?!夫  (妻目線)

〈ほぼノンフィクションの話です〉

夫と私は15歳の年の差がある。
そもそも平成生まれの年下ボーイなんて絶対ありえないと思っていた。若すぎて彼氏だなんて言えず、相談する相手を間違えると、女性が年上の年の差カップルは「うまいこと騙したね」とか「若いから浮気をいつも心配していないといけないよ」なんて、良いことは言ってもらえない。
『言われなくても分かってますよー!!
騙してないし!!彼からだし!!』なんて、
話さなければ良かったと後悔することも沢山あった。
それでも悩んでいる間に時は過ぎ、まさかの8ヶ月でゴールインしてしまったのである。
『まだ若いし…やっぱり若い子が良かったなんて言われたらショックだし…。自分はシミだの白髪だのに悩んできているのに、これから男盛りになるキミがわざわざこんな歳上を選ぶ理由が分からないよ…』これは心の声。(だけど、やっぱり口に出して言ってしまう。)
ふとした瞬間にもやはり妄想が止まらず、まさかお金目当てか?それとも彼女が出来るまでのつなぎか?…なんて私を好きになる理由を考えては勝手に落ち込んだりしていたものだ。

そしてまた時が経ち、私達はただ年の差がある夫婦というだけではなかったことが判明した。前置きが長いけれど、まずは夫が人間となって地上に降りてくるきっかけになった(と思われる)日常の一部から話していこうと思う。

…第1話…

私の家は、幼い頃から家庭の問題が絶えなかった。
祖父は内閻魔の外地蔵。うまい話にのって、まんまと騙されて保証人をした為に、家まで持っていかれて住む家を失くし、やむを得ず転居することになる。自営業をしていたが、人も離れて経営困難。無職になった上毎日パチンコ屋へ通い、貯金まで全て使い果たした。
その次は父親の会社の社長が夜逃げをして倒産し、長年働いた職場なのに退職金も出ずに突然無職になる。
その時私はまだ高校生で、バイトを2つかけ持ちして家族全員が無職になった家計を支えていた。
同じ頃には祖母の認知症が始まり、行方不明になりかけたこともあった。隠し持っていた火のついたタバコを何故か押入れに入れて、スプレー缶から煙が出ていて危うく大惨事なんてこともあった。更に母は更年期の真っ只中で、情緒不安定。訳が分からない。
これは本当に一部で…とにかく家庭環境は、めちゃくちゃで心の休まる時なんてない状態。まぁ次から次へといろんなことが起きていたものである。
「もっと苦労している人もいるんだから、家族がいるだけマシだよ」なんて言われそうだけど、家族がいても生き地獄ということもあるのである。

こんな状況を空から見ていた天使がいたとは、もちろん知るはずもなく時は流れて35歳。ここから思いもよらない出来事が起きていくのだった。

施設でヘルパーをしていたのだが、ひどいパワハラにあい、精神のバランスを崩して転職をすることにした。新しい職場の面接の日に施設の中で、若い職員の男の子と挨拶をする。20歳には見えない童顔の本当に“男の子”と、いう印象。そう。この子が私を空から見ていたという天使…いや、夫だったのだ。

自宅での祖父の介護と仕事で体力が持たず、この職場は2ヶ月でゴメンナサイしたけれど、仕事をよく教えてくれたこの男の子には『仕事とはいえ、お世話になっちゃったなぁ…』と思っていて、ちょっとしたお菓子を渡した。
すると「今度一緒に出掛けましょうね!」と、言われて一瞬『え?!どーいうこと???』なんて思ったけれど、連絡先も知らないし社交辞令だろうと思って「そうだね〜」と軽く返して職場を去った。

でもこれで終わりではなく、家に帰ってからが奇跡の始まりになるのだった。

※※※第2話へ続く※※※

※※※なぜ夫の前世が天使だったと知ることになったのかは、のちのち※※※

※※※『前世が天使だった?!俺』で、夫目線の小説を書いています!
一緒にご一読いただけましたら嬉しいです^_^ ※※※

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