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香港慕情 エピソード5(2023:9/1)

シグナル8の街歩き

 
 台風なので夜遊びもせず早くに寝たせいか、4:30には覚醒した。
 ぼちぼちと旅の記録を書きつつ時間をつぶし、旺角の倫敦大酒楼を目指して宿を出る。
 風はそこそこ強いが雨はぱらつく程度、なのに人がほとんど歩いていない。
 7:00開店の15分前にシャッターの降りた入り口にたどり着くと「従業員とお客の安全の為、開店時間を1時間遅らせるよ」との張り紙。

風の球だから上陸、じゃなくて落ちるの?

 従業員が先に来る姿勢は好感が持てたけど、お腹は空いているのでMRTで堅尼地城に向かう。
 香港島側はまだ雨も降っていないせいか、新興食家はシグナル8をものともせず満席だった。相席でハチノスのカレー煮、うずら卵乗せ焼売、大根餅を食す。マーラーカオも食べたかったけどまだ蒸しあがっていないとのことで断念した。

さっくりと噛み切れる柔らかさ。辛くはない
お腹が膨れると分かってても食べたい大根餅


 堅尼地城駅目の前の士美菲路街市でお手洗いを借り(思っていたよりずっときれいだった)、青果店で大きなパパイヤを買う。部屋に冷蔵庫がないが?と聞くと濡らした速乾タオルで包めば冷えるだろう、と夫が言う。

一度キッチン付きの宿に泊まってこれを調理したい
どれだけ見ていても飽きない陳列
かえる!と手前は田ウナギ?

 街市の目の前にシャトレーゼ(香港に進出していたとは)があり、その隣の点心テイクアウトの店「喜点」でマーラーカオを買ったところで雨がぱらつき始めた。

日本のシャトレーゼでもこの月餅が買えたらいいのに


 ホテルに戻ると連日の疲れが出たのか激寒冷房の中腹を出して寝ていたせいか、夫が風邪をひいたっぽいと訴える。確かに熱っぽいので、シャワーの熱湯で湯たんぽを作ってやる。
 風は吹いているけど雨はそこまででもないので、ホテル近くのショッピングモールK11をうろうろする。
 昨日の夜は激込みだった高級スーパー「Market Place」(庶民派スーパーの康惠の系列らしい)がガラガラに空いているので、ゆっくり見て回る。確かに高級食材も並んでいるけれど、そこまでお高くもないラインナップも並んでいる。ディズニー柄とPB物のティッシュ、ポテチ(7.5HKDが3袋で15HKD)を買う。袋不要だと更に1.5HKD値引きらしい。1HKD=20円と計算すれば、30円引きは侮れない。

MTR仔がかわいい
高級スーパーの中秋節グッズはキラめいている

 冷たい水が飲みたい、と夫からリクエストがあったので(病人はわがままである)薬局で水とソルティマンダリンドリンクを買う。コンビニよりはるかに安くてしかも冷えてて、数歩だけどこちらの方がホテルに近いので、たびたびお世話になった。台風なのに開いてるし。これだけ近くに店があれば部屋に冷蔵庫がなくてもいい、と夫は主張するけれどパパイヤは冷やしてくれないからな?
 することもないので部屋で洗濯などをして過ごす。「アタック どこでも袋でお洗たく」が丈夫で繰り返し使えて大変便利である。夏の旅行はどうしても洗濯回数が増えるので、バスタブのないホテルで洗面台が小さいと洗濯がしづらくて閉口したものだったが、この袋のおかげで億劫がらずに洗濯が出来る。
 それでもできる限り洗濯をしないで済むように、普段から「旅行先で履いたら捨てる着古した衣類」を貯めておくようにしている。今回は相当な枚数を捨てて、その分お土産を詰めて帰るのだ。
 早起きした分眠くなり、うとうとする。小腹が減って目覚めても夫はまだ昏々と眠っているので一人でご飯でも、と外に出る。
 相変わらず風は強いが雨は時折ぱらつく程度。ネイザンロードまで出ると、バスが一台も走っていない!!これは後で写真を撮ろう、と思う物見高い観光客である。

いつもはバスが連なっているのに
こんなに見通しが良いネイザンロード初めてだ

 暇なので我が家の常備のど飴通称オヤジ飴(今はオバサンだけども)を探して薬屋をはしごする。正式名称「金嗓子喉片」だが、はじめは中国旅行の際に入手していた。味は激マズだけどとにかく喉に効く。 

https://www.watsons.com.hk/zh-hk/%E9%87%91%E5%97%93%E5%AD%90%E5%96%89%E7%89%87/p/BP_293876

 定価がいくらなのか知らないけれど(そもそも香港には定価という概念があるのかどうか)店によって28とか25とか勝手気ままな値段の中20HKDという店を見つけて2缶(缶だった。中国のはもうずいぶん前から紙箱入りになっていたけれども)買い、風邪ひき夫の為にお粥と油條をテイクアウトした。

油條12HKDと言う値段に目玉が飛び出そうになる

 そういえば、このテイクアウト容器も今後は使えなくなると何かで読んだけど、絶対店の近くに使い捨て容器屋が乱立して結局減ることにはならないだろうな、と思いつつ粥をぶら下げて帰る。
 覚醒した夫が食欲も出て具合もよくなったというので、台風のビクトリア湾を見に行こう、となる。

酔狂二人


 いつもと違う香港の風景が見られることに興奮を隠さず歩いていく。こういう状況を一緒に楽しめるところが、夫の数少ない美徳の一つかもしれない。
 少し雨が降り始めるが、同じように物見高い人々がスターフェリー乗り場付近にぽつぽつと徘徊している。

バスが!1台も停車していない!
スターフェリーも運休
運休なので当然フェリーも停泊していない!(どこにいるんだろう?)
ニュースの中継待ち

 さらに周辺をうろうろしてペニンシュラホテルの前を通りかかると、全面シャッターが下ろされている。一体どこから出入りするんだろう…きっと今ならアフタヌーンティも待たずに楽しめるだろうな…

裏に回ると一か所だけ開いてる出入口がありました

 だんだん風雨も強くなってきたので酔狂な散歩は終わりに。
 18時過ぎにはシグナル9が発令され、20時過ぎにはとうとうシグナル10となり、台風はまだまだこれからが本番なのであった。


 
 


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