ちぐはぐな翼で
というわけで、向かいます。
久しぶりの連休、実家に帰るのも久しぶり…と思いきや、一ヶ月半ぶりでした。ゴールデンウィークに棍を詰めすぎた、というか普通に仕事が詰め込まれすぎていたせいで、ずいぶん久しぶりに感じていたようです。
この機会にゆっくり羽を伸ばそうとかなんとか、そんなことを考えていたせいか、突然脳内で再生されたのはこの曲。
青空に疲れたわけではないんですけどね。むしろ青空、最近ぜんぜん見てないというか…
だから今の僕に気になるのはむしろ「疲れた」よりも「折れた」のほうでした。翼のその後が気になって、そのまま曲を脳内でフル再生してみる。潤いをもった澄み渡る歌声からは、やはり、折れてしまった「僕」が身も心も安心して委ねられるような、無限の広さとやさしさを持った青空を感じたものの、しかし、今僕が気になっている翼じたいの行方を知ることはできませんでした。
…って、ちょっと待て。
そもそもバスの中では交響曲を聴くことにしていたんだった。ふと我に帰って、手元のiPadでSpotifyをひらく。鞄に引っ掛けたヘッドフォンをたぐり寄せてスイッチを入れつつ、今の気分にあった選曲を探した。
ベートヴェン『交響曲第7番』
うん、やっぱりこれだ。
リズミカルで思わず踊り出したくなる一曲。
膨らみのある豊かな和音から始まる1楽章は、大都会のビルの屋上で踊りたい。
鼻腔を吹き抜ける風がかすかな刺激となって、ふつふつと湧き上がってくる高揚感。はじめは新しい風に戸惑いながらも、しだいに逆らいがたいリズムの誘惑に乗って、動き出さずにはいられない。仕事で固くこわばった身体が伸び伸びとほどけて、このまま大空へ舞い上がるかのようだ。
このリズムに振り回されずについて来い!躍動感の爆発。突き上げるような激しいダイナミズムに貫かれた4楽章は、都会のど真ん中。そう、まさに、人でごった返す新宿駅そのもの!
というわけで、到着ッ!
ベートーヴェン、翼を授ける!!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?