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映画メモ 『ミスト』

本日の映画は「ミスト」。2007年、フランク・ダラボン監督作。

ストーリー分析

主人公はどう変化したか

家族3人で幸せに暮らしていた主人公。スーパーで買い物中に突然発生した霧とその中にいる何かに命を脅かされる。生き延びるためにスーパーから脱出するがガソリンは切れ、霧の中の何かが襲ってくるのを待つのみとなったとき、主人公は愛する息子を含む一緒に逃げてきた仲間たちを手にかける。最後に怪物から殺されるのを待っていると霧が晴れてくる。息子たちを殺す必要はなかったのだと主人公は崩れ落ちて映画は終わる。

あらすじ

ジャンル分析

「家の中のモンスター」。スーパーマーケットという閉鎖空間で霧の中に潜む謎の怪物が襲ってくる。怪物は軍の研究のミスで発生した異次元の生物、閉鎖空間の中で恐怖する人間たちの醜聞。怪物は人の罪の象徴として描かれていた。

Goodだと感じたこと

ラストシーン

いち観客としては父親が子ども殺したらアカンっていう点でまったくGoodではないのだが、それだけで終わらない絶望マシマシな展開・演出はこの映画のユニークな点であり最大の特徴になったと思う。

エンドロールの音

普通は映画のエンディング曲が流れるところだが、この映画は違う。インスト曲が一通り流れた後はずっと装甲車やヘリの音が最後まで続くのだ。ラストシーン、霧が晴れた路上で軍が主人公の横を通過していく余韻が最後まで表現され続ける。その間、観客は主人公の罪悪感に共感し続ける。


超絶胸糞わるい後味・・・。何よりもラストシーン、女こどもを手にかけてしまった主人公が死を覚悟した瞬間に霧が晴れてしまう虚しさが非常にオモタイ映画だった。絶望の淵に立たされてとる自死の行動だけでなくそこから更に取り返しのつかない罪を背負うことになるという絶望に2段階で突き落とすのがすごい。

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