大破する

 水曜から金曜の三日、仕事でそれぞれ別の現場に行く機会があって、車移動が多かったのですが、ついぞ悪い癖で「ここで事故ったらどうなるんだろう……」という考えばかりが頭をぐるぐるしながらハンドルを握ってドキドキしておりました。幸い私の身にごっつんこな事故はなかったのですが、一回目のお出かけで豊橋で起きました、重い物を積んだ車が停止しきれずに玉突きになり、乗用車がトラックだったかタンクローリーだったかの底に滑り込むように突っ込んで前の車の下敷きに遭うという事故があったので、私は私のドキドキは不謹慎だったなと改めて戒めました。
 衝突の瞬間の日常性の崩壊と駆け巡る恐怖の速度がいかなるものか、そこに興味があったのかもわからないですが、実際あったらたまったもんじゃないので結局のところ危ない薬みたいに触れてはならないものみたいな感じですわ。

 とまあリハビリがてら珍しく素直に思ったことを綴ってみたいのですが、以前友人に会った時に去り際に素直じゃないななんて言われてしまい、私は自分の心情をあからさまに見透かされているようで、心底その薄っぺらい自分の心情に呆れと憤りを覚えました、拗らせているなんて言われればそれまでのチャチな話なのですが、私は他人に素直なことを言うと他人に迷惑がかかる、わたしにも相手にも良いことは何一つないだろうと謎の倫理くんがちーぃっすって顔を出して私をいじめるので勝手に突っぱねるようなことを言うのかもわかりません。そんなの他人に変な壁を作ってるのか、非常にめんどくさい奴になっているのです。私が素直さを欠いたのは物心つく頃から「素直じゃないな」というような意味の指摘を受けてどんどん素直であることに対して捻くれてしまうようになりました、彼等の言うそれは私にとって、「あなたの中身を手にとるように分かっているからね」と言っているようなものなのです。それは親が言ってきたものであったり、先ほどのように友人が言ってきたものであったり、かつての恋人であったりしたでしょうけど、私は他人がそうやってふっかけてきた慢心に反抗するように矛盾と意味不明さを獲得してきてしまったのかもしれないのです。あなた方のせいではございません、私が天邪鬼なせいなだけでしょう。どうぞ私を見透かした気になってください。

 ほんとこういうこと言ってっから、周りに人間が少ないのでしょうね、

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