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いちばん古い春の思い出

「春の思い出ってなにかあったかな…」と普段あまり過去を振り返ることがないわたしだけれども、すこし思い返してみたら小学校の入学式をふと思い出した。

まだ、母親の後ろに隠れるほど小さく幼かったわたし。いまのわたしの髪色と同じ真っ赤なランドセルを背負うよりも、背負われていたほど小さかったとおもう。

自分の教室の前で担当の在校生に名前を告げて名札をもらわなきゃいけなかった。でもそれができなかった。担当の在校生が気を遣ってくれて「お名前の名札どれかわかる?」と自分で取るように言ってくれても、どうしても体が言うことを聞いてはくれなかった。

ピッカピカのいちねんせいになっても母親に任せて代わりに名札を受け取ってもらっていたくらい、それほどまでに幼稚園の頃からずっと恥ずかしがり屋が続いていた。

お遊戯会的なものはもちろん、静まっている教室の中でなにか発表したりすることがとても苦手だった。新学期の自己紹介なんていちばん嫌いで、きちんと名前を言えた記憶がない。いまでも変わらず苦手で、スクールに通っていたときも話せなくて。最近でも打ち合わせで人がたくさんいると、時間が止まったように話せなくなってしまう。

春はそんな自分の欠点を意識しやすい季節でもあると思った。でもわるいことだけではなく、1年のはじまりということでリセットの意味でもある。

過去を思い出すと心がすこし弱くなる。過去には思い出したくないことがたくさんあって、かなしいことがたくさんあって、消えたくなったこともあって。自信なんて持つことができなくて、誰かの言葉に左右されてしまって、自分らしくがわからなくて。

そんな心を締め付けられてしまうようなことが多かった。だから普段はあまり過去を思い出すことはしないし、過去のわたしは別の人格だったとおもうようにしている。いまのわたしの方がぜったいに素敵だし、過去よりも自分のことを認めてあげられている。と、おもう。

だからい過去よりも、いまの自分がとてもだいすき。

ゲームや物語のようにリセットできないからこそ、いつだって「あのとき、こうすれば、こう言えたら…」といつも後悔をしてしまう。もうこれ以上の後悔を重ねないよう、第2の人生を歩んでいるつもり。

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