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不妊治療と産後クライシス②

不妊治療と産後クライシス①からつづく

そもそもなんで子どもが欲しいんだろう?

結婚したら子どもがいて当たり前だから?
それが決まった幸せのカタチだから?
それとも社会的な要請?

病院の門を叩いた弱冠30歳の私は、そんな問いについて考えたこともありませんでした。
結婚した友達はぼちぼちママになっている人が多かったので、そろそろ私も?みたいな、そんな軽い気持ちだったと思います。

ただ、一つ、その頃の私にとても重くのしかかっていたのが、

長男の嫁としての務め

夫は、由緒正しい家柄というわけではないにしろ、田舎育ちの長男坊で、公務員の義祖父、それを支える優しい義祖母、一人娘で市役所勤めのお嬢様である義母、そこに婿入りして自営業をしていた義父にぬくぬくと育てられた人です。

当時、すでに二人兄弟をもうけていた義弟夫婦は、結婚後すぐに子どもができたこともあり、長男夫婦の私たちのところにも、当然のように跡取りのプレッシャーがかかりました。

田舎に帰った時、甥っ子と義妹が昼寝しているところに義祖父に呼ばれ、

「あなたの仕事は職場ではなくこういうところにあるだろう、早く子供を生みなさい」

と言われたこともあります。

義母や義祖母に

「あなたは出世なんてしなくていいわ」

と言われたことも。

私自身、出世第一のバリバリキャリアウーマンというタイプではないけれど、他人に言われるとどこか違和感を感じました。


嫁は子どもを生んで一人前

多分、そんな意識が私の中にも知らない間に植え付けられていたんでしょうね。


でも、ね。

なかなか子どもができない原因は、そんな大事な長男坊にあったんですよね…

検査の結果が出て、自然にできる確率が非常に低いと病院の先生に言われたんだと、夫から義実家の家族に言ってもらいました。
…少し残酷だったかもしれませんが…。

私が仕事をしているから子どもがいないわけじゃないと、分かってもらえるかな…。
そんな祈りに近い感情を抱いて。。。

帰ってきた答えは…


うちの家系にはそういう病気を持った人はいないから



私の親からは…


うちの方に原因がなくてよかった


私って…どちらの家からも受け入れられていないのかな…
表現し難い大きな脱力感に苛まれたことを、今も強く記憶しています。

③につづく

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