風の外野席 手のひらかざして
学生時代にお付き合いした人が
元高校球児だった。
甲子園出場して
一回戦敗退。
がっしりとした体つきの彼は
キャッチャーだった。
彼はいつも、辛いことがあると
ひとり静かに真っ暗な部屋で
VHSをビデオデッキに差し込む。
缶ビール片手に
何度も何度も
甲子園の映像を繰り返し観ていた。
なんてことを、のちに同僚に話したら
その同僚の元高校球児で甲子園出場したという元彼も
ちょっと落ち込んだりすると
YouTubeで自分の試合を観ていた、と。
(ジェネレーション…遠い目…)
どんなスポーツであろうとそれはあるのだろうが
とくに野球って
ある一時期、
本気でそればかりに取り組んだ人にとって
とくべつなものなのだろうなーと
外野席から、眺めている。
まぶしい草野球
作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実
『SURF&SNOW』 1980/12/1