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思い出のある曲が一番殺傷能力を持つ

 入り口に足を踏み入れた瞬間、秒針の音が聞こえてきた。

 アリスと同じ空間に立ち尽くし、ここに来て良かったと久々に興奮を覚える。ひとりで飲み込むには感情が少し多すぎて、あの人と共有したいと強く願ったけれどその人は東京にいなかった。
 多く登場する青いアゲハ蝶を見て、自分の人生における伏線回収を受けた気持ちにさせられた。スワロウテイルという言葉は私にとって大きな意味を持っているから。

 『劇場』を読んで、人との別れを考えた。
 また笑顔で会えるような別れは、それは別れじゃ無いと思う。そんな予防線を張った別れなんて、それはただの区切りであって終わりではないよ。
 その”終わり”にも二つあって、きちんと納得して終わったものと、気づけば終わってしまったものの二つがあるように思う。
 わたしの経験した終わりはほとんどが後者で、年々交友相手が減っていく一方。もう少しできたことがあったんじゃないかと悶々と考えてしまい、いつまでたっても成長できない。だからこそ、最近は人との関わり方に慎重になってしまって、”めんどくさい女感”が強まってきているなと痛感してしまう。
 ありのままのわたしを受け入れてくれる人だけと付き合って行きたいと思うのはもちろだけど、もっとみんなに受け入れられるように色々治していかなきゃとなる日もある。だって、ありのままで生きてきたからあの人たちと終わってしまったんでしょう、とかね。
 もちろん、そんなしょーーもないやつらのことなんて、と叱咤してくれるみんなに本当に救われていることも確かだよ!

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