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ふとしたきっかけが人生を変える

日々の小さい思いのかたまり

私も勿論そうだけど、人って毎日毎日どうでもいい事で悩むもの。
その悩み事に対して、もちろん解決してすっきりしたい。
でも、そんな簡単に解決するなんて当然なくて、長引くものは年単位で引きずる。私も、年単位で引きずっていた悩みというか思いがありました。
そんなにずっとそのことについて考えているわけではないけど、時々思い出しては「もう、あの時の気持ちは戻らないのかな」と思う気持ちが。

それは、趣味のカメラの事。
もう10年以上前になるけれど、私は父の遺品のカメラを使い始めるうちに
元々好きだったカメラ撮影にどんどんのめり込んでいきました。
当時は、日々の何気ない暮らしを撮るのがとても嬉しくて、楽しくて、どんな時でも重いカメラをバッグに入れて外出していた私。

ちなみに当時はデジカメがほぼ主流になっていたけれど、まだまだフィルムを愛している人も多くて、私もフィルム派。
やっぱりフィルムが空気感出していいよね~と言っていました。

そんな日が続いて少し経って、私の状況にも変化があり、だんだんとカメラへの興味が薄くなっていくのです。気が付けばカメラの事も思い出さない日々の方がほとんどを占めるくらい。
時々、旅行に行くときに勿体ないからとカメラを持っていくけど、結局ほとんどは便利なスマホでサッと撮って終わり。

寂しい気持ち

カメラを持ち歩く事を意識して辞めたわけではなかったので、ふと街を歩いていたりすると「ああ、昔は歩いていると撮りたいものが沢山あったな。なんで、あんな何でもないものを撮って楽しかったんだろう」とさえ思う事も多くなってきていました。
その気持ちは、日によって大きかったり小さかったり、思う事すらもなかったりしました。
でも、部屋に使いかけのフィルム、撮ったものの現像までいかないフィルムが目に入ると「もう、撮りたいって思う気持ちは起きないのかも…」と、寂しさが少しずつ、ほんの少しずつ溜まってはいくのです。

無理矢理はしょせん無理矢理

寂しい気持ちが少しずつ溜まってきている事は自覚していたので、何か機会があり持っていく余裕があるとカメラを持ち歩る時も。
でも、やっぱり駄目なんですよね。
本当にしたくてしている訳ではないから。持ち歩くだけなんです。
しかも、そこそこ重い思いまでしているのに。
無理矢理は、しょせん無理矢理なのでそこから先に繋がらないのです。
心から、そうしたいと思わない限り。

書店で出会った私を変えるきっかけ

そんな思いをしながらも、特にカメラを持たなくても支障のない日々は普通に過ぎていきました。
そしてある日、書店で何か本はあるか時間つぶしを兼ねてふらふらと。
その頃、SNSを始めたのはいいけれど反応がほぼ無く、どうしたら人を惹きつけられるのだろう?と考えていたところ、偶然出会ったのがこの本。

表紙を読んだだけで「あ、確かにそうだよね」と思い、パラパラと捲ると読みやすい文章と的を得た事がリズムよく書かれていました。
家でゆっくり読もうと、購入し帰宅。

きっかけを作ってくれたひとこと

本は読みやすく、空いた時間を使って読了。
作家の田中さんの言いたいことは、シンプル。

「事実の中に、あなただけの発見を見出し、
調べて、自分に向けて書く。
その結果、あなたは誰かとつながり、
人生が変わる。」

ああ、確かにそうだよね。
でも、まだその時はその実感が湧く事は特にないのでした。

では、写真と本が、どうつながるのか

それは、作者の田中泰延さんがTwitterをしているのを知ったのでフォロー。
そこで偶然、田中さんが「SIGMA SEIN」と言うスペシャルサイトで
「フォトヒロノブ」と言うコンテンツを担当している事を知りました。

そこには、今まであまり惹かれなかったタイプの写真が。
でも年月で好みも変わったのか、田中さんの写真に惹かれたのか、デジタル写真に全く興味を持つことがなかった私が「これを映したカメラが知りたい」と。私の中では、本当に驚きでした。
こんな思いここ数年は、全く起きないくらい興味を失っていたので。
大抵こういう写真の下には、使用機器・レンズが記載されているので知るのに苦労はなく「SIGMA fp」というカメラでの撮影と知りました。
私が好きだったのは、シャープさよりも透明感だったので今までとまるで違う写りを見せるこのSIGMAのレンズに魅力を感じるなんて、自分の中の変化に驚きです。しかも、フィルム派と言っていた私はデジタルを記録用としか思えない。と言っていたのですから。
でも、そんな風に思える自分が嬉しくもあり、日々SIGMAfpに対する気持ちはつのり、高額ではあるものの計画を立てて購入をしたのです。

新しい変化の自分がとても嬉しい

SIGMA fpを手に入れてからの私の変化は予想以上に嬉しいものでした。
街を歩くと窓に映った風景さえも、橋から眺める雑踏さえも残したい風景に見える。家で乱雑に散らばっているテーブルの上の物すらも。
普段の何気ない生活を残したくなるし、何気ない生活が愛おしく感じるようになってきたのです。

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私にとっては、その変化は本当に嬉しい変化でした。
小さい変化かもしれないけれど、この小さい変化で日々が大きく変わっていくのです。

少し大げさかもしれませんが、止まっていた時計の針が動き始めた感覚です。

あの日、あの本に出会っていなくても、こんな風に思う日々は来たのだろうか。他の本でも、同じ様に思ったのだろうか。
それは無い。と断言できます。
それは、あの本で言っている

「事実の中に、あなただけの発見を見出し、
調べて、自分に向けて書く。
その結果、あなたは誰かとつながり、
人生が変わる。」

これが脳裏に焼き付き、そしてあの写真と新しいカメラとの出会いが重なったから。
きっかけは、本当にある日突然くる。
それは、些細なひとつの出来事だったりする。でも、それが重なるとこうして人生が変わることもあるのです。
一度失いかけた思いも、何かのきっかけで新しい思いとして生まれかわる。
だから、失いかけた思いを消さないでいようと思いました。
そう思える事も、とても嬉しい。


そして、これを最後まで読んでくれたあなたにも、そんなきっかけを運んでくれる事がありますように。




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