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虚構
2021年3月12日 00:00
全てフィクションです。◆病室静かだった。病室にはアナログ時計の規則的な音だけがしている。「ん……起きた?気分はどう……」「良く、はねぇ」小さな身じろぎ、衣擦れの音でベッドに横たわっていたジェイドが目を覚ましたことに気付き、ユークは読んでいた本を閉じる。「……ジェイド、さぁ……価値があるのは俺個人じゃないってところ……ちゃんとわかってる?」淡々とした声で、ユークは問うた。カーテンの隙