どっかのネジが取れたみたいに泣いてる


元カノに、うなじにバーコードのタトゥー入れたらと言われたのを思い出した。

人間味が薄いと思われたり思われなかったり。


人前で泣けない癖がある。

医者の前であっても本性は絶対に出さない。

その代わり家では壊れたように泣く。

「どうせまた、帰ったら一人で泣くんでしょ」

大好きな人に言われた言葉だ。
わかってくれて嬉しい。笑いながら うん、と言った。

私はこの切なくも美しい世界が結構好きだよ。

泣かずには生きていられないほど悲しいことが起きまくって、救いの手は足りなくて、踏み付けにしている加害者が笑ってるような世界だけど。

鬱は砂糖菓子みたいに甘くて、群青と空色をゆらゆらと揺蕩っている。

空を覆い尽くして誰もを一切合切連れ去ってしまう。

低音のヴァイオリンみたいな憂鬱をただひたすら咀嚼する。
また涙が出てくる。

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