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他人の話を横取りするみなさん、だいぶ損してる「ピープルスキル」+4

ピープルリテラシーの続きです。(+1,+2,+3

前回と前々回で、コミュニケーションに亀裂を起こす対応の「判断する」と「相手に解決策を伝える」の2つのカテゴリーについて説明しました。

最後の1つは、「相手の問題を回避する」です。

こんな対応はアカン!3つの回避方法

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1つずつ解説していきましょう。

10.ごまかし

気にするなって、ところで今日の夕飯なにがいいかな?

問題から注意をそらしてくる行為。だれにでもありがち。

11.論理的説得

恋人と別れてよかったんだよ。その理由は7つあってね…

感情に配慮せず理屈で説得させる行為。論理的な男性にありがち。

12.元気づけ

元気出せよ、止まない雨はないんだぜ?

落ち込んでる相手を助けようとする行為。なんかイイやつにありがち。

回避が失敗するケース

いま説明した3つの対応は、どれも話の本筋を変える効果があります。言い換えると、見ているモノをずらしているのです。対話の流れを狂わしているわけですから、双方とは言わずとも片方はストレスを感じるはずです。

この対応を聞いて個人的に思い浮かんだのは、よく話すけど深い話はしたことのない知人です。だれしも1人や2人はいると思うんですけど、そういう人との会話は回避対応が起こりまくってました。

頻繁に起こるのが「ごまかし」でしょう。「そう言えばさー」「ところでさ〜」が枕詞にあれば、話がガラッと変わる合図です。この枕詞なしに話を変えてくる強者もいますね。車で例えると、急に車線変更しているのと同じで、されたほうは戸惑ってしまいます。

カフェで近くに座っている人の話を聞いていると、同じようなごまかしが多発しているのがわかります。1つの例として、AくんがBくんに仕事の相談をしたいが、Bくんは自分の今日起こった話がしたいとします。

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Aくんが目的を持って話し始めても、Bくんはその過程をぶった切って違う話に変えてしまうのです。Bくんに悪気がなかったとしても、Aくんの気持ちは晴れないままでしょう。

ただここでAくんも理解するべきことがあり、もしかしてBくんは緊張感の強い話は聞きたくないのかもしれません。だからあえて軽い話に移している可能性もあります。であればAくんは、相談する相手を変える必要が出てきます。この場では、Bくんの話を聞くことに専念すればいいのです。

もちろんごまかしのすべてがダメなわけではなく、暗い雰囲気を変えるために明るい話へシフトするのは気遣いとしてステキです。緊張した話ばかりだと疲れますから、リラックスした話も適度に差し込む必要があります。

論理的説得と元気づけの問題点

対話を狂わせる要因の2つである論理的説得と元気づけには、共通点があります。

それは、「感情面に配慮していない」という点です。論理的な説明がいい例です。たとえば、体調が悪くて寝込んでいるAくんがいたとします。そのAくんに対してBくんが、体調が良くなる方法論を延々伝えてきたらどうでしょう。

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体調が悪い状態のAくんが求めているのは、論理的な説明での励ましではなく、感情面をサポートしてくれるようなコミュニケーションなのです。ちょっと極端な例ですけど、感情面を考えずに論理だけを説明する人はちらほらいますよね。

すこし違う角度から説明すると、感情がシェーピング剤で、論理がカミソリだと考えるとわかりやすいです。カミソリだけでもヒゲは剃れますけど、シェーピング剤がないとヒリヒリするしケガもしやすいですよね。

その人の肌質に合わせて、うまくシェーピング剤を使うのが、目的の「髭を剃る」を達成するカギになります。要するに、目的のために論理だけで進むのではなく、緩和剤として感情を使うのも大事な要素なのです。


そして論理的な説得と同じく、元気づけも感情面への考慮がありません。

相手の役に立ちたい気持ちはあるのかもしれませんが、「元気出せ!」と背中を押すのは、自分のエゴだと言えます。もし相手を元気づけたいのであれば、安易な元気づけは控えるはず。というのも、相手の気持を考えない元気づけは、気休めにしか聞こえないからです。

まあ元気づけは、相手に深く接したくないけど、とりあえずなにかしたいときに便利な対応なのはたしかですね。

余談ですけど、そもそも元気が自然に出てくると思っているのも問題だと思うんですよね。元気がないのは、元気の入れ物がカラだからであって、まってれば湧くもんじゃないんですよ。空のペットボトルに「水よ出ろ!」とは言わないですからね。どこかで汲まないと。

まとめ

ここまで説明してなんですけど、相手の問題を回避するのは、人によって使い分けるのが良いと思っています。付き合う相手は選ぶべきですから、コミュニケーションを避けたい人には、それなりの対応をするのも大事です。

なので大事な人には相手の問題に向き合い、重要度が低い人の話は回避するのが得策かと思います。そういう意味での戦略的差別は、とても大切。笑

【試してみよう】
相手の話を遮って自分の話をしたくなった場面を思い出してみよう。どんなごまかし方をして、相手をどんな気分にさせただろうか?






読んでいただきありがとうございます。これからも読んでもらえるとうれしいです。