見出し画像

やはり厚木からやる世界経済②レイ・ダリオの保有銘柄をただただ眺める(杉本健太郎)『暇』2024年3月号


レイ・ダリオ(Photo by Harry Murphy/Web Summit via Sportsfile)

 2月22日の朝、エヌビディアの4Q(2023年11月〜24年1月期)決算が発表された。むろん私も大厚木から様子を見ていたが、結果は市場コンセンサスを上回る爆益。前号では『暇』誌としての新NISA成長枠での投資方針を「やあやあ爆益派」と定義し、「やはりエヌビディアは何個あってもいい」と述べた。1月の月初には480ドル前後だった株価は、当原稿を執筆している2月23日の取引時間中に820ドルを超える場面があった。ここまでの2カ月の上昇幅は約70%となる。昨年から「もう高すぎて買えない」とも言われてきたが、ゴールドマン・サックスは決算発表後に目標株価を875ドルに引き上げている。また、長期見通しとして2050年の株価予測を2万6000ドル超とする分析もある(https://stockscan.io/stocks/NVDA/forecast?ssp=1&setlang=ja&cc=JP&safesearch=moderate)。

 ところで、2月14日に米証券取引委員会(SEC)にブリッジウォーター・アソシエイツが提出した「フォーム13F」によると、昨年末時点でエヌビディア株の保有を458%増やしていたことがわかった(持ち株数26万8000株となり、総額で約1億3300万ドル相当)。ブリッジウォーターといえば、億万長者のレイ・ダリオが率いる世界最大のヘッジファンド。アメリカでは1億ドル以上の保有株式がある機関投資家は、その保有状況を四半期ごとに報告する義務がある。その報告書を「フォーム13F」という。「WHALEWISDOM」(https://whalewisdom.com/)からまとまったデータを無料で閲覧できる。大厚木からでも寝転びながらスマホでアメリカの機関投資家の投資動向をチェックできる時代だ。

 また、ブリッジウォーターはイーライ・リリー株も412%と大幅に買い増している。製薬大手のイーライ・リリーは肥満症治療薬「ゼプバウンド」で23年10〜12月期決算が大爆益だった銘柄だ。肥満症治療薬はその効果の高さから今後10年で世界市場が1000億ドル規模になると予想されている。

『暇』3月号「今年こそ間合いをやる」は近日発行

【TRASHBOOKS既刊】


この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?