見出し画像

2年1か月ぶりの再会、その涙の理由は? ~ネタバレなし!ゆずツアー2021初日を観て~

⚠️今回のレポでは、セットリストや演出に関する記載は控えてあります。途中のMCに関して、少し触れる形でレポを展開していきます。あらかじめ、ご了承ください!⚠️

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

最後の1曲に差し掛かったとき、リーダー・北川悠仁(Vo/Gt)は、気持ちを落ち着かせるように、そして一言一言を置きに行くように、こんなことを話し始めた。

「このライブをこんな時期にやるべきなのかと、ずっと悩みました。開演する直前まで悩みました。こんな時期に100%の正解がない中で、僕たちにできることは何なのか、問い続けていました。こんな時期だからできるエンターテイメントとは何なのか。楽しんでいただけたでしょうか?」

この話を終えて歌った最後の1曲の冒頭の、悠仁が歌うフレーズは、震えた声をしていた。涙をこらえようとしていたのかもしれない。「心の中で(謳って)」と客席に告げ、マイクを向けるその手は、その顔は、その葛藤の答え合わせをするかのように、そして今だからできるエンターテイメントとは何なのか、手探りをするような、そんな姿だったように思えた。

この日のライブ全体を総括すれば、
いつものゆずがそこにはいた。

ただ、いつものように声を出すことはできない。

客席ではマスクが必須。

そんなガイドラインに沿ったライブが、
ステージの上にはあるだけ。

いま、このレポを書き出しているのは、ライブが終演して3時間ほど経った23時過ぎのこと。つまり、その余韻と熱がまだ身体の中に帯びている。

一ゆずっことして、一音楽好きとして。

この日のライブをどうしても観ておきたかった。

そんな私自身の記録として、このnoteを始めます。

追記 (2021年9月12日)
本日をもって、ツアーファイナルを迎えた「YUZU TOUR 2021 謳おう」。ネタバレ込みのライブレポを更新しました!よかったら、そこも覗いてみてくださいね!

ゆずの2020年、そして2021年へ。

日本を代表するフォークデュオ・ゆず。

「夏色」、「栄光の架橋」、「虹」といった名曲は多い彼らだが、そんなゆずの2020年はきっと派手なものになったはずだった。同年3月にリリースされたアルバム『YUZUTOWN』を引っ提げたアリーナツアーの開催が予定され、それに加えて自国開催となる東京オリンピック/パラリンピックが控えていた。「栄光の架橋」が、日本のスポーツを代表するアンセムとなったこの頃故、ゆずにとってとても思い入れの深い1年になる、と思われていた。

しかし、その"思い入れの深い1年"とは、別の意味で作用することとなってしまった。予定されていたアリーナツアーは延期、今年2月には正式に開催中止が決定した。

これにより、恐らく元々予定していたことは多くがキャンセルになったに違いない。それは、2020年の新曲のリリースペースだとか、表舞台への露出度が極端に少なかったことが、それを意味していたように思うからだ。

ただ、そこで足を止めるようなアーティストでないことは、ファンならきっとご存じだろう。2020年6月にリリースされた新曲「そのときには」を皮切りに、同年9月にはライブベスト盤「YUZU ALL TIME BEST LIVE AGAIN」2作品のリリース、計5公演行われた配信ライブ「YUZU ONLINE TOUR 2020 AGAIN」と、このご時世だからできることは何なのか、そしてどうやってファンとつながるのか、思考を止めずにアクションを起こし続けていた。

そして、2021年6月に開催されたオンラインライブ「ALWAYS YUZUTOWN」の終盤に発表されたのが、今回行われた有観客ライブ「YUZU TOUR 2021 謳おう」である。

ゆずが人前でワンマンライブを開催するのは、2019年7月7日に福岡ヤフオク! ドーム(現・福岡PayPayドーム)行われたドームツアー「ゆずのみ~拍手喝祭~」以来2年33日ぶり、その日数は764日ぶりのことだった。

個人的な見解なのだが、2021年は徐々にライブというものを再開する動きが加速している印象を覚える季節である。若手バンドや大御所でも、昨年夏や秋といった早い段階でライブを再開するアーティストは多かったものの、大物と呼べるような人気アーティストで、有観客でのライブを行っている人たちはその当時は少なかった。そんな中で、2021年は人気の大小とか関係なく、色んなアーティストがライブを再開している印象を覚える。近年だったら、ジャニーズ系のアイドルから大御所バンドまで、多くの人たちがガイドラインを遵守しながらライブを開催している。

そんな中で、ゆずも遂にその一歩を踏み出す、というのが個人的な見解だ。

今回のライブの大前提として

このパートで書くことは、人からしてみたら「ネタバレだ!」とか言われそうな内容だが、このご時世でのライブのガイドラインに関する話をまずは触れておきたい。

というか、ここのチャプターは、これからこの「謳おうツアー」に行かれる方全員に見てもらいたいことである。行かれた方も、これから行かれる方も、少し目を通していただけたら嬉しい。

上記に記載したのは、音楽コンサートの開催における「新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」である(以下、ガイドラインと称する)。今回行われる「YUZU TOUR 2021 謳おう」は、このガイドラインに沿ってライブが行われている。

まずは、客席・入退場に関する話から触れていこう。

ライブの入場に関する基本事項として、観客全員のマスク着用が義務となっている。飛沫防止のために、声を出すことは禁止されている。

そして、入場時には検温やアルコール消毒が徹底されている。今回のライブに関しては、チケットは楽天チケットが全てを管轄しているようだが、入場前にはいくつかの項目のチェックが必要となる。例えば、接触確認アプリ・COCOAのダウンロードや感染者との接触の有無等々。それらは、入場前にしっかりと済ませることをお勧めしたい。

また、退場時は、一旦その客席に待機して、席番号が呼ばれたら退場する分散退場が実施されている。終電等の急な移動が求められない限り、可能な限り、分散退場に協力しよう。

加えて、ライブ時にも感染対策が施されている。例えば、密閉を避けるための換気タイムがツアーでは行われている。約3分ほどの換気に加え、スタッフ全員のマスク着用、メンバーに接するスタッフに関してはフェイスシールドを着用している場面も見られた。

客席を観てみると、席ごとのディスタンスが保たれていた。今回は、グループディスタンスといい、チケット2枚購入した方は、連番で2席を確保。その隣の1席を空席にして、次のグループ用の客席が用意されていた。見た限りでは、そもそも空席にする場所はあらかじめ決まっているようで、そのディスタンスや全体の動員のバランスを踏まえて、今回のチケット販売や収容人数を定めているようだった。

ライブ演出・鑑賞時にも感染対策は施されている。

それに関して、少し残念なお知らせになってしまうが、某"夏の名曲"で飛ばされる銀テープは、今回はない。これは、ガイドラインの6条(12ページ)にある「お客さま同士の密接を招く銀テープ・花吹雪などの演出は行いません」という項目からなされているものである。その他にも、アーティストと観客の距離を保つことなど、その対策は徹底されたものとなっている。

また、今回のライブは全編着席指定となっている。いつものライブのように、立ち上がっての鑑賞は行えないので、ガイドライン以前の問題としてのライブマナーはちゃんと守って、ライブを鑑賞してほしい。

結構な情報量が、ここには記載されているが、要約すれば「謳おうツアーは、マスクを着けて、声を出さないで、座って楽しんでね」というのが、絶対的ルール。そんな状況を踏まえて、早速ライブの模様を振り返っていきたい。

謳おうツアーの幕開け

開演 18:15  終演 19:57

ツアー初日となったパシフィコ横浜 国立大ホール。

普段のライブとは異なり、入場ゲートまでの入場が少し複雑だったこともあり、開演が少し押す形となり、定刻から15分が過ぎ、ライブが始まった... いや、ゆずのライブの前と言えば... な"アレ"が始まった。もちろん、例のアレも座りながら行うので、いつものように腕を振っては隣の人にあたる可能性があるので、加減には注意しよう。

そして、客席が暗転。

換気タイム含めて、1時間42分となるライブ、ツアー初日は無事に幕を下ろした。そのライブに関する多くのことは、今は語りません。そのほとんどは、ぜひライブ会場で確認してほしい。

ただ、このことは先に書いておこうかな!

実は、初日・8月9日の公演は収録カメラが多数入っていた。開演前に「本日の公演は、ツアーの収録日となっています。存分に盛り上がってお楽しみください」というアナウンスが入るほどだったから。もしかしたら、早いうちに配信ライブとしての解禁、または映像作品としてのリリースが行われるかもしれない。その日を期待したいところだ。

ここからは、個人的に感じたライブの感想を少し書いていきたい。もちろん、ここもセトリなし・ネタバレなしでまとめていくつもりだ。

この日のライブを2つの視点でまとめるとするのなら、一ゆずっことして観るのなら「圧倒的ファン殺しな濃度の濃さ」とまとめるだろうし、一音楽ファンと観るのなら「葛藤の最中のライブ初日」とまとめるような気がしている。

前者の「ファン殺しな濃度」というのは、無論、演出面やセットリストを知ったら絶対にわかることだ。これから行かれる方は、そこをぜひ期待してほしい。

そして、後者の「葛藤の最中のライブ初日」という側面。

ここでは、それについて細かくまとめていこうと思う。

ここで、このレポの頭に書いた場面を触れていきたい。

ここでリーダーが流した涙には、このご時世にライブをやるべきなのかという疑問だとか、久々にファンに会えた嬉しさとかという感情が現れた、というよりかは、全てが混在した複雑な気持ちというものが、そこにはあったような気がしていて。

事実、「こんな時期だからできるエンターテイメント」という側面がこのライブには存分に詰まっていた。恒例のグッズ・タンバリンを使う曲もあれば、最新グッズ・Boo Boo ゆず太郎を用いた場面も多い。この2つは、謳おうツアーには必須なことは間違いないだろう。

そういう「楽しませる」という仕掛けやアイデアは、圧倒的に成功したように見える。少なくとも、客席から大きな声が上がることはなかったし、手拍子や腕を振ったりして、ステージと客席は一体となっていた。そういう点からいえば、ゆずのライブとしての根本的なエンターテイメントは成り立っていたように思えるし、同様にこんなご時世だからなせるものは存分に詰まっていたように思えた。

しかし、ファンを楽しませたという事実以上に、緊急事態宣言の最中でのライブということ、全国的な感染者の増加の中でのライブ開催というものに対する安全性の確保だとか、「本当に今すべきことなのか?」という葛藤は、ずっと止まなかったように思えた。

それは、序盤のMCで「皆さん元気にしてましたか?」と問いかける声と、終盤の「ずっと悩みました」と話す声が圧倒的に違うトーンだったことが証明していたような気がしていて。

少なくとも、例年のツアーであるように、序盤からうまくいったというような感覚は、このツアーにはないことが明白だった。それは、言い換えれば公演数を重ねることで、心境の変化やライブというものの存在意義の再認識が気持ちの中でより動いていくのではないか。それを感じ取るような瞬間が、多かったように私は思えた。

決して、これはネガティブな話でない。

事実、このライブは後半に行くにつれて、ライブの熱気を取り戻すかのように、ホールはより盛り上がっていった。「よかった」だとか「楽しかった」という意見がそこにはあった。

ただ、今回のライブに関して、MCでも触れていたように「家に帰るまでがゆずのライブだから」というものは、終演後の行動や感染者を出さないということが、このツアーの最大のミッションであることを意味しているように思えて。

うーん、なんか時間が短いからうまくまとめられないのが私の拙いところではあるけど、このライブに関しての"間違いない100%の正解"がもしあるとするのなら、そこにはファン自身の行動というものが絶対条件として存在する。ライブ以外の不要不急を減らすこと、なるべくすぐに家やホテルに戻ることなど、アーティストやスタッフが感染対策を徹底すること以上に、観客もしっかりと感染対策を徹底する。それが、少しでも「このライブが安全で、ものすごく楽しかった」と言い切る、絶対条件だといえるわけで。

だから、その涙の答え合わせは、まだまだ先の話になってしまいそうだ。無事にツアーを完走すること、観戦者をアーティスト・スタッフ・観客ともに出さないこと。それを成し遂げたときに、その涙がプラスの意味に傾いてくれるはず。そう思えて、今は儘ならないです。

私自身、今回のツアーはこの初日・8月9日公演に加えて、8月10日昼公演・8月11日公演・9月11日夜公演の計4公演を観に行くことになっている。「こんな時期にこんな多く、、、」とか言われることはわかっている中で、私自身の経験や感染対策の徹底の中で、少しでも私はこのツアーが「成功した」と言えるような方向性になるようにしていきたい。

そんなことを思う、ツアー初日公演でした!

いつかは、このツアーの完全版レポを解禁する予定です。それは、このツアーの最終的な方向... 映像化するとか配信するとか、そういう状況を鑑みたうえで、載せていきたいと思います!

○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○

noteを最後まで読んでいただき、
ありがとうございました!

もし読んでいて「面白いな」とか思ってもらえたら、TwitterやらInstagramやらなんかで記事の拡散なんかしてくれたら嬉しいな、なんて思います。よかったら、noteのいいね&フォローよろしくお願いします!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?