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VRならではの箱庭型視点の傑作ゲーム『Moss』:XR映画ガイド第12回

https://youtu.be/dHgIHdKYy1o?si=zmSHlg1dewmESSgE

今回紹介する『Moss』は、3人称視点で展開される謎解きの要素を含んだVRアクションアドベンチャーゲームです。プレイヤーは主人公の白いねずみクィルを見守る存在となり、クィルを導きながら行く手を阻む仕掛けを動かしてパズルを解いたり、敵との戦闘を繰り広げながら箱庭型のステージの冒険を進めていきます。

箱庭型のアニメーションは実績のあるBaobab Studiosと3darの共同で制作された『Paper Birds』、ヴェネツィア国際映画祭でBest VR Experience賞を受賞している『The Line』、2023年のヴェネツィア国際映画祭で4年連続のノミネートを達成した伊東ケイスケ監督『Feather』等よくできたものが多いですが、『Moss』はその視点で行われるゲームです。6DoFなので、視点を変えてパズルを解いていくことができます。ステージ全体を視点を自由に変えて見ることができるのがこのゲームの大きなポイントです。

このゲームはシアトルを拠点として、VRゲームを中心に開発するスタートアップ・クリエイター集団Polyarcの制作です。Polyarcは2020年に900万ドルを調達するなど順調な成長をし、今回紹介する『Moss』のエンディングの後を描いた、『Moss: Book II』も2022年に公開しています。

見所:VRならではの箱庭型視点の傑作ゲーム

箱庭型の視点はVRが作り出した1つの大きな見せ方でしょう。先述したように多くのアニメーションも作られています。箱庭型の視点は自分がそこにいるかのようなという没入感とはまたちょっと違いますが、VRにしかできない演出方法であるでしょう。そして、『Moss』はこの視点を良く活かしたゲームの1つの傑作と言えます。

主人公のクィルはプレイヤーの存在を知っていて(プレイヤーはクィルとハイタッチなどができます)、一緒にパズルを解いていく感覚になれます。クィルのいる小さな世界での冒険を大きなプレイヤーが手伝っていくという設定は、没入感を損なわない秀逸な設定でしょう。1つ1つのパズルもこの設定をうまく活かしていて、大きなプレイヤーが小さなクィルを手助けしていく形になるので、世界観に無理なくプレイヤーはゲームの世界に関わることができます。

クィルと一緒に冒険を進めていきます

操作はそんなに難しくないので、すぐに問題なくコントロールできるようになると思います。ストーリーは字幕ではなく、ナレーションで進行していきます。没入感という観点からは当然の帰結である気もしますが、結局字幕の文字をどこに配置するかという技術的な問題が大きいのでしょう。ナレーションは日本語に対応していますが、Meta Quest2で行うと初期設定は英語なので、設定で日本語を設定し直してください。

作品データ

タイトル:Moss
ジャンル:アクションアドベンチャーパズルゲーム
制作:Polyarc
制作年:2019
制作国:アメリカ
メディア:6DoF/VR

https://www.polyarcgames.com/games/moss

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