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米国株 VIXとS&P 500の同時上昇が示す市場の動揺とリスク再評価のサイン

このグラフは、 #VIX (市場のボラティリティを示す指標)と $SPX(S&P 500指数)の両方が上昇している日数を、過去3ヶ月間の期間で示しています。

ここで言及されている「Taper Tantrum」とは、2013年にベン・バーナンキ前FRB議長が量的緩和の縮小を示唆したことで、市場が大きく動揺した出来事を指します。この時、長期にわたる低金利政策("lower for forever")への見方が変わり、市場金利が上昇しました。

グラフの最新の部分を見ると、VIXとS&P 500が同時に上昇する日数が増えており、これは市場参加者がリスクを再評価していることを示している可能性があります。

通常、VIXは市場の不安が高まると上昇し、株価が下落することが多いですが、VIXとS&P 500が同時に上昇するというのは、一般的ではありません。

このような動きは、市場参加者が将来的なリスクを織り込んでいるか、あるいは不確実性の高い状況下で株式を買い進めていることを示している可能性があります。

この状況が2013年の「Taper Tantrum」時と似ていると指摘されており、市場が現在の金融政策の方向性や将来の経済見通しに疑問を投げかけていることを意味しているかもしれません。

2013年の「Taper Tantrum」時は米連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和の縮小を開始する計画をベン・バーナンキが発表した後、市場は急反発した。

投資家は債券買い入れプログラムの終了を恐れ、債券が一気に売られた。このため、米国債10年物の利回りは2013年5月の2%前後から同年12月には3%前後まで急上昇した。

この時期の急激でネガティブな市場の反応から「テーパー・タントラム」と呼ばれるようになった。

株式市場もこれに応じて下落し、S&P500種株価指数は数週間のうちに8%下落、世界の株式は約10%下落した。

新興国通貨と株式は特に影響を受け、それぞれ5%と15%下落した。

この出来事は、中央銀行の政策発表が世界の金融市場に与える影響の大きさを浮き彫りにした。

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