見出し画像

忍殺TRPGリプレイ小説【コム・シュッサー・トートゥ】

邦題:甘き死よ、来たれ(Komm, süsser Tod)

これは、ニンジャスレイヤーTRPGのオリジナルシナリオ、どくどくウール=サン作「イタチを求めてジャングルへ」を元にしたリプレイ小説です。つのが一人でやりました。かなり自由に改変していますが、一応ネタバレにご注意下さい。やや長くなりましたが分割しません。

これまでのあらすじ

ソウカイ・シンジケートのニュービーニンジャ・アズラーイール(AZ)は、初ミッションである多重債務者の捕獲と引き渡しを終えてカンオケ・ドージョーへ戻って行った。しかしサイバネアイにかけられたローンを返済すると手持ちの万札は2、家賃を払うと1しかない。

上司のソニックブームは彼にテンプル襲撃のミッションを与えようと考えていたが、そうこうするうちシックスゲイツの六人のうち四人が死ぬわ、ニンジャスレイヤーは死ぬわ、アベノ・スゴイハルカスへ攻め込むわ、オンセンやオキナワへ行くわですっかり忘れていた。残されたAZはと言うと……。

◆アズラーイール(種別:ニンジャ)
カラテ       3>4  体力        3>4
ニューロン     4    精神力       4
ワザマエ      5    脚力        3
ジツ        0    万札        1>1
DKK       7    名声        0

◇装備や特記事項
▶サイバネアイ:ワザマエ判定ダイス+2
◆チャカ・ガン二挺拳銃:遠隔武器、射撃難易度HARD、連射2
○キラーマシーン教育:ワザマエ+1、ニューロン-1(反映済み)

能力値合計:12>13 サイバネ数:1 回避ダイス:5 ワザマエ判定ダイス:7
余暇2日を概念的に与えられましたが、このままでは鍛錬もままならないのでモータルハントに出ます。ワザマエは7として、1D6を振ると4。万札3を獲得しました。万札は4となり、残り1日でカラテ鍛錬します。出目は5、成功。カラテが4になりました。万札3消費し、残り万札は1です。残りは体が鈍らないよう鍛錬とかしています。

導入な

「あーあ、なんか儲け話ないかな……」トコロザワ・ピラーのトレーニングフロアを出たAZは、レインボーフードのスシ店へ赴く。駆け出しのサンシタとはいえ小遣い程度の給料は出るし、ここのスシ屋は安くて旨い。スシは完全食品であり、ニンジャ耐久力を活性化して体力を急速に回復させる。

「ん?」AZは見慣れぬショドー張り紙を廊下の壁に発見した。なかなかの達筆だ。興味を惹かれ、目を通してみる。題は『依頼:タマチャン・ジャングルでのオーガニック・イタチ捕獲。依頼人:ハーフペーパー』とある。報酬は万札12。場所が場所とはいえ、お使いにしてはそこそこの額だ。

多くのニンジャを抱えるソウカイ・シンジケートは、こうした互助的依頼もたまにある。多くはソウカイ・ネットに出されるが、このようなアナログな手段で伝達するとは。感心して依頼書を読むAZの横を、年老いた小柄なニンジャが通りかかった。「ドーモ、ユコバックです。どうしたかね」

AZは振り返り、アイサツを返す。「ドーモ、ユコバック=サン。アズラーイールです。……いえ、この依頼書が気になって」「ほう。つい先日、キモノ姿の女ニンジャが貼り付けていったものだよ。ちと忙しくて手伝えんが、君、やってみるかね?」「ハイ」「殊勝な心がけだ。頑張りなさい」

「ドーモ」ユコバックは笑いながら立ち去った。いろんなニンジャがいるものだ。AZは鼻を鳴らし、張り紙を剥がして丸め、懐に収めた。「あ、スミマセン。ショドー作業室ってどちらですか」「ああ、こっちだ。ついて来なさい。ニュービーかね」「ハイ」スシは後だ。善は急げ。

AZはユコバックの後を歩き、広大なトコロザワ・ピラーを進む。今のねぐらのカンオケ・ドージョーとは雲泥の差だ。

ユコバック=サンはどくどくウール=サンのところのニンジャです。元シナリオには明記されてませんが、そうだろうと思うのでアイサツさせました。彼については下の記事をご覧下さい。

ダンゴウ

「ここだよ。交渉は自分でやりなさい」「ハイ。アリガトゴザイマス」AZがオジギすると、ユコバックは去って行った。ショドー作業室のドアに向き直りノックする。「ドーモ、依頼書を見た者ですが」

「どうぞ」女性の声。AZは「シツレイシマス」と声をかけ、奥ゆかしく入室した。この程度の礼儀作法はモータル時代に暗殺教団で叩き込まれた。暗殺の標的に近づくには、油断させるよう礼儀作法も大事だ。が、今回は相手を殺しに来たわけではない。「ドーモ、アズラーイールです」深々とオジギ。

「あら、若いのに礼儀正しいこと。ドーモ、ハーフペーパー(HP)です」

彼女に関してはこの記事をご覧下さい。スズリ=サンの姉ということですがつのバースのスズリ=サンとは多分無関係だと思います。チーム・ヒップが彼女のことを聞けば会わせようとするでしょうし。

「AZ=サンは、なぜこの依頼を受けたのですか?」「有り体に言えば、カネです。ぼくはニュービーで、この前ローンの返済をしたばかり。カネがないんです」「あらあら。そのお金で何を?」「鍛錬とかですかね。あと、カンオケ・ドージョーから出るにもカネがいりますし」「そうですよね……」

HPはAZと軽く会話し、狂人のたぐいでないことを確認した。やや冷酷で、黒いカルマのオーラを感じるが、基本的にはまともな少年のようだ。「ではお願い致します。行く先は中国地方のタマチャン・ジャングル。前金及び交通費として、こちらを……」HPは奥ゆかしく封筒を渡す。万札2だ。

「残り10は成功報酬です。ニンジャとはいえ危険な場所。本当は私自身で行きたいのですが、お気をつけ下さい」「ハイ。オーガニック・イタチは一匹だけでいいですか?」「ええ、稀少な野生動物ですし。毛皮が傷つかないよう、なるべく生かして捕獲して下さい。処理はします」「了解しました」

「詳しい地図はこちらに」HPはショドーで描かれた地図を渡す。「この付近にはオーガニック墨職人の隠れ家もあると聞き及んでいます。お会いできたらご挨拶して下さいね」「ハイ」墨職人。ついでにオーガニック墨を持ち帰れば、彼女に恩を売れるだろう。上司に口利きしてくれるかもだ。

「じゃ、早速行ってきます」「ハイ。くれぐれもお気をつけて」AZは依頼書と地図と前金を懐にしまい、スシ屋へと足を向けた。前金を持ってトンズラすれば、ソウカイヤ内で悪評が立つだろう。依頼の件はユコバック=サンにも知られている。目先のカネに目が眩むのはイディオットだ。

タマチャン・ジャングル

……数時間後!

ネオサイタマの北、中国地方。その五割を覆うのが広大なタマチャン・ジャングルである。重金属酸性雨耐性を獲得したバイオバンブーとバイオパインから形作られる、陰鬱でサツバツとした密林だ。トラックの荷台への無賃乗車を繰り返し、AZは悠々と目的地近くまでやってきた。しかし……。

「暑……」季節は真夏。ネオサイタマより蒸し暑い。しかしこのジャージを脱げば、バイオ蚊やバイオ蛭にやられる。ニンジャ耐久力でも暑さ寒さを堪えるのは限界がある。ペットボトルの水を飲みつつ、日陰の涼しい場所を選んで進む。帰ったらピラーの大浴場でも利用させてもらうか。……その時!

ニューロン判定、難易度E。[3,4,5,5]=成功。

ガサガサ……バンブーの茂みが揺れ、大きな影が飛び出してきた。「オルルルル……!」腹を空かせた獰猛なバイオパンダだ!

◆バイオパンダ(種別:アニマル/バイオ生物/パンダ)
カラテ       4    体力        6
ニューロン     1    精神力       1
ワザマエ      3    脚力        3
ジツ        -    万札        0

◇装備や特記事項
●連続攻撃2、頑強な肉体
●突撃:脚力2倍距離移動(直進)、使用直後の近接攻撃ダメージ+1
●ベアハッグ:攻撃が命中した相手を拘束する

ジャングルに生息するバイオ生物。クマの一種なので実際つよい。

パンダァァーーッ!」バイオパンダは後足で立ち上がり、鋭い爪を振り上げて襲いかかってきた!AZを夕食にする気だ!

連続攻撃2。2D6で[5,6][1,4]=2成功、1成功。ニューロン判定に成功したので回避難易度E。AZは2D6を2つで[6,5][1,5]=2成功、1成功。

「イヤーッ!」AZは咄嗟に回避して距離を取り銃撃!BLAM!

7D6で[1,1,1,1,2,5,6]=成功。バイオパンダの残り体力5。

「AARGH!」命中!「オルル……」意外な反撃に恐れをなしたバイオパンダは、野生の本能に従って逃走を選んだ。AZも追わない。ニンジャであってもあれを狩るのはやや難しい。それに目的はパンダではなくイタチだ。無駄な銃弾と体力を使うこともなかろう。AZはさらに森の奥へと歩みを進めた。

じっとりとへばりつくような不快な湿気。鬱蒼とした密林からはそこかしこから野獣や怪鳥の声が響き渡り、不快感に拍車をかける。……その時!

ワザマ…ニューロン判定、難易度はなんらかのなんかによりU-Hだ。4D6で[1,2,3,6]=失敗、もとい成功!トーリーボーシッ!

ニンジャ第六感に異常反応あり。上だ!AZは寸前に察知し素早くダッシュ!ザアアッ!スコールのように赤黒い何かが降り注いだ!それは体長15センチを超す巨大な吸血バイオ蛭!それも悍ましい数!「うわ」思わず振り返ったAZは、見たことを後悔しながら先を急ぐ。なんたる危険な密林か……。

ニューロン判定、難易度H。[3,3,4,6]=成功。

「!」AZのニンジャ第六感がまたしても何かをとらえた。ビュン!ビュン!鋭く風を切りながら、2本の矢が視界の外から飛来!

連射2、時間差。回避難易度E。2D6と3D6で[4,6][1,4,4]=成功。

「イヤーッ!」AZは素早く前転回避!攻撃者の気配は……ない。おそらくはブービートラップだ。「アブナイな。ぼくがモータルなら死んでるよ」バイオ生物のみならず、アンタイブディズム・ブラックメタリストや盗賊など、タマチャン・ジャングルには危険が多い。こうした罠にも気をつけよう。

「けど、これがあるってことは……近くに人がいる証拠だね」

墨職人の家

トラップ地帯を抜け、さらにジャングルを進む。すると……

ニューロン判定、難易度E。[1,3,4,5]=成功。

「ん」AZのニンジャ嗅覚は、この密林にそぐわない香りを感じ取った。これは先程ショドー作業室で嗅いだ香り……そう、だ。「ああ、オーガニック墨職人とかがいるって言ってたっけ」AZはHPの言葉を思い出し、香りのする方向へ近づく。なるほど、奥ゆかしい民家が建っているではないか。

「よくバイオパンダとかに襲われないものだね」AZが呟きながら歩いていくと、外で作業をしている老人がいる。「ドーモ」「アイエッ!?」何の気無しにアイサツするが、老人は驚いた。このような密林の奥に子供が訪ねてくるなど。しかも異様なアトモスフィアを漂わせ、二挺拳銃を帯びている。

「クセモノ!」「あー、ぼくは……ダクオ・ユトです。コンニチワ」AZはニンジャネームとニンジャアトモスフィアを隠し、奥ゆかしくアイサツした。「ど、ドーモ。ワシはスルスミ・ゲンクロです」老人は思わずアイサツを返す。ニンジャでなくてもアイサツは大事だ。

イメジはPicrewの「ミニマムおじいちゃんメーカー」で作りました。ユコバック=サンのと同じメーカーです。

「何の用じゃな。誰かの遣いかの?」「ハイ」AZは依頼書と地図を見せ、ハーフペーパーという女性の依頼でここに来たことを告げた。目的はオーガニック・イタチだが、オーガニック墨も持ち帰った方が依頼人も喜ぶ。「急いで来たので、オミヤゲも万札もありませんが……彼女にご挨拶だけでもと」

「ふむ……」スルスミは目を鋭く光らせた。

AZはニューロン判定、難易度HARD。[1,2,5,6]=成功。が……

「……なかなかのワザマエじゃな。が、墨はくれてやらん。然るべき代金とオミヤゲを持って、彼女自身が来るべきじゃ」「ま、そうですね。ぼくには墨や筆の善し悪しとかわかりませんし」AZは肩をすくめた。

スルスミはふっと微笑した。「荒事慣れしとるようじゃな。それなのに、ワシを脅して奪おうとせんとは」「不要な事はしませんよ。貴方の機嫌を損ねて依頼主を悲しませたくもないですし」「そうか。小屋で冷たいチャでも飲んでいかんか。話し相手が欲しくてな」「アリガトゴザイマス」

このシナリオの間、精神力の上限値+1。

小屋の中は意外に涼しく、清らかな井戸水で淹れたチャは精神を癒やす。墨工房も見学させて貰った。「植物油の煤を素焼きの蓋でとり、膠と混和してよく練る。膠とはゼラチン、動物の皮や骨を煮出したものじゃ。香料を入れて臭いを消し、目方を量って型に入れ、時間をかけて乾燥させる……」

「灰乾燥が1ヶ月から3ヶ月、自然乾燥が半年から1年。さらに仕上げを行って磨き、彩色し、桐箱に入れて完成じゃ。全ての工程をワシだけでやっておるわけではない。この先に集落があっての、職人が何人かおるのじゃ」AZは眠そうな顔で聞いている。筆や墨など文字が書ければいいではないか。

「ところで、貴方や村人はこんなところに住んでてダイジョブなんですか?バイオパンダとか出るのに」AZの素朴な疑問に対し、スルスミは微笑みながら意外な答えを返した。「不思議なことにな、ここで作られる墨の香りをバイオ生物は嫌うようじゃ。オーガニック墨のパワーなのじゃよ……」

オカルトか事実か。だが実際この家屋の周囲にはバイオ生物は見られない。植物もバイオバンブーやバイオパインではなく、オーガニック種だ。先程飲んだチャもそうだ。バイオやケミカルなものばかりの暗黒都市ネオサイタマで生まれ育ったAZにとっては、別の惑星にいるような違和感しかない。

「集落の近くには確かにイタチが出るが、捕まえるのは困難じゃな。ケサキという猟師がイタチを狩って、筆用の毛にしておる。そいつに談判して譲って貰え」「ハイ」スルスミはさらさらと手紙を認め、AZに渡した。「これを集落の者に見せれば信用するじゃろう」「アリガトゴザイマス」

まるで平安時代か江戸時代だ。「しかし、集落では最近異変が起きておる。ブラックメタリストたちが出没するそうじゃ。気をつけよ」「ハイ。アリガトゴザイマシタ」AZは手紙を預かると、スルスミの家を後にした。日はだいぶ傾いてきた。今夜は集落で宿を借りるとするか。

集落

小屋から続く細い道を通り、AZは件の集落に到着した。廃墟と化したコケシマートや廃屋、廃工場などが立ち並ぶ。住民たちはそこに住み、オーガニック墨のパワーでバイオ生物やジャングルの侵略を防ぎながら、細々と暮らしているのだ。そこかしこに餌を食むオーガニック・ヤギや畑が見える。

AZは極力ニンジャアトモスフィアを抑え、ヤギを飼っている村人に話しかける。「ドーモ、ぼくはダクオ・ユトです。ケサキ=サンにスルスミ=サンからの紹介状を預かって来ました」「アイエ、ドーモ」ヤギ飼いは驚いたが、手紙を受け取って中身をあらため、匂いをかぐ。「……本物だな」

ヤギ飼いは頷き、表情を緩めた。「ケサキ=サンなら、そこのコケシマートにいるよ。ついてきな」「アリガトゴザイマス」「その若さでここまで来るとはねえ。トラップの位置とか考えたがいいかな」「ブラックメタリストが出るとか」「ああ、ヤギを盗んで行くんだ。根絶やしにしねえと……」

手紙を受け取ったケサキは、AZをじろりと睨んだ。「怪しいやつだな」「自分でもそう思いますよ。けど、用事は本当です」「オーガニック・イタチを獲りに来ただけってか。そうも思えねえな」「小遣い稼ぎと暇つぶし、ってとこです。ほんとはオーガニック墨も貰いたかったけど」

「嘘つけ。こんな秘境に暇つぶしで来るバカがいるか」「信じて貰わなくても結構。イタチはぼくが探します」AZは立ち去りかけたが、ケサキは掌を向けて制した。「待て。あんた……少なくともただものじゃねえな。十年は修羅場を潜って来てる」「ええ。だいたい十年」「……殺しはできるか」

AZは鼻で笑った。「ブラックメタリストを殺して来い、と?」「ああ。やつらは最近流れてきて、どこかに棲み着きやがった。時々夜中に襲って来てはヤギを盗みやがる。数は数人だが武装してて、俺たちだけじゃあ手に余る」「なるほど、わかりました。やります」微笑み、二つ返事で引き受けるAZ。

殺しならお手の物、ましてや自分はニンジャだ。ブラックメタリストの数匹やそこら、皆殺しにしても問題は皆無。むしろ善をおこなうことになろう。「じゃ、それがオーガニック・イタチの毛の代金ってことで。場所や人数は分かる範囲で教えて下さい。ぼくが皆殺しにして来ます

「……できるのか」「ハイ」「大将首を獲るだけでも構わんぞ」「後の憂いは絶った方がいいでしょ」AZは笑ってチャカ・ガンを弄る。「……気に入ったぜ、小僧。まずは腹ごしらえしてけ」ケサキも凶暴に笑った。忘れていたヤクザの血がふつふつと滾る。「俺も行く。メツケだ」

◆◆◆

◆アズラーイール(種別:ニンジャ)
カラテ       4    体力        4
ニューロン     4    精神力       4>5
ワザマエ      5    脚力        3
ジツ        0    万札        1>3
DKK       7    名声        0

◇装備や特記事項
▶サイバネアイ:ワザマエ判定ダイス+2
◆チャカ・ガン二挺拳銃:遠隔武器、射撃難易度HARD、連射2
○キラーマシーン教育:ワザマエ+1、ニューロン-1(反映済み)

能力値合計:13 サイバネ数:1 回避ダイス:5 ワザマエ判定ダイス:7

◆ケサキ(種別:モータル)
カラテ       3    体力        3
ニューロン     3    精神力       3
ワザマエ      3    脚力        2
ジツ        0    万札        0

◇装備や特記事項
◆マチェーテ:近接武器
◆スダチカワフ・ショットガン:遠隔武器、ダメージ2、小銃
◆カルマ:善
●近接武器、格闘、射撃習熟

能力値合計:9 回避ダイス:3
イメジはPicrewの「洋おじメーカー」で作りました。タフな猟師です。

捜索

その夜。AZはケサキと共に、ブラックメタリストの巣を探しに出る。敵の人数は、ヤギを盗んだ現場の足跡からして数人。近隣の廃村を何度か捜索したものの、どこに潜んでいるかはわからなかったという。

ワザマエ判定、難易度H。[1,3,4,4,6,6,1]=成功。ニューロン判定、難易度H。[1,3,2,5]=成功。

サイバネアイで微かな足跡を辿り、ニンジャ嗅覚でヤギのにおいを追う。何度か川を渡って足跡やにおいを消したようだ。

AZはやがて、草むらの中に隠された洞窟を発見した。大きな岩で塞がれている。数人が協力すれば動かせそうだが……「ちょっと、やってみるね」

カラテ判定、難易度H。[1,3,6,6]=成功。

「イヤーッ!」ゴゴゴゴ……!AZの細腕がニンジャ筋力を発揮し、岩を動かす!ケサキが驚愕した。「すげぇな。腕にサイバネかなんか入れてンのか」「かもね」ニンジャだとバラすと後々面倒だ。

洞窟

2人は注意深く洞窟へ入る。天然の鍾乳洞のようだ。そこかしこに足跡があり、灯がある。ここをアジトとしてヤギを盗みに来ているに違いあるまい。「……注意して。番人がいる」

◆見張りABBM(種別:モータル/ABBM)
カラテ       2    体力        2
ニューロン     2    精神力       4
ワザマエ      3    脚力        2
ジツ        0    万札        0

◇装備や特記事項
◆カマ:近接武器
●不屈の精神、暗黒の聖戦の刻来たれり

アンタイブディズム・ブラックメタリスト(ABBM)が1人。手にカマを持っている。「どうする」「ぼくが殺す」「エッ」AZは二挺拳銃を構え、サイバネアイを駆動させ、精神を集中させる。

二挺拳銃で連射2、難易度H→N。3D6と4D6で[6,6,4][1,6,4,6]=成功。ABBMは2ダメージを食らい即死。

BLAMBLAM!「アバッ」闇を2発の銃弾が切り裂き、ABBMの脳天を貫く!「ブルズアイ!」AZは微笑む。だが!「アアアダブ!」「地獄の門が開いた!」「聖徳太子を殺す!」洞窟の奥から数人が接近!「おっと、呼び寄せちゃったか。手間が省けていいや」AZは平然としている。ケサキも笑う。

「銃構えてて。危なくなったら逃げていいよ」「おう!」AZは銃をしまい、洞窟の奥へ駆け出す。ABBMたちを殺すために!死の天使のエントリーだ!ハハハハハハ!イヤーッ!

連続側転。[6,6,6,5,5,4,2]=成功。

AZの哄笑が洞窟に響く!「どこだ!」「ここだよ」ストッ、とABBMたちの背後に着地。「アイエッ」「ドーモ、アズラーイールです」挑戦的なアイサツ!「アアアダブ!」「アーマゲドン!」「マッポーカリプス!」ABBM3人は目を血走らせ、手に手にカマを構えた!一触即発アトモスフィア!

◆雑魚ABBM(種別:モータル/ABBM)
カラテ       1    体力        1
ニューロン     2    精神力       4
ワザマエ      3    脚力        2
ジツ        0    万札        0

◇装備や特記事項
◆カマ:近接武器
●近接武器習熟、不屈の精神、暗黒の聖戦の刻来たれり

戦闘開始、1ターン目

イニシアチブ:AZ(4)→ABBM×3(2)

「イヤーッ!」AZがカラテを繰り出す!

4D6で[1,2,4,6]=成功。ABBM1人が即死!

「アバーッ!」即死!残り2人がカマを振り下ろす!「「アアアダブ!」」

1D6を2つで[4][3]=1成功2つ。AZは連続側転直後で回避ダイスが+2され7もある。3D6と4D6で回避し[1,2,6][1,3,5,6]=1成功、2成功&迎撃。

「イヤーッ!」「アバーッ!」AZは身を沈めて躱し、1人にカウンターキックを決めて殺す!「おっと、1人残しちゃった」

2ターン目

「イヤーッ!」AZの情け容赦ないカラテ!

[4,5,6,6]=4成功&殺伐。出目は2、頭部への痛打!ニューロンとワザマエが減少するが1ダメージで即死。万札D3発生。1D6は[4]=2発生。

「アバーッ!」チョップ突きがABBMの頭部を破壊!ナムアミダブツ!

戦闘終了

「これでよし。片付いたよ」AZが呼びかけると、ケサキが恐る恐る降りてくる。「アイエエ……」殺戮の天使が降臨した後は、まるでツキジだ。「こ、これを一人で?」「そうだよ。まるでニンジャでしょ」「アイエッ」ケサキは恐怖した。自分は何か、得体のしれぬ怪物と一緒にいるのでは?

……その時!

ブフーッ!何を騒いでおるか!」ズシン!ズシン!スモトリ崩れらしき屈強な巨漢のABBMが洞窟の奥から現れる!傍らには手下も!「光と闇の最終戦争に備え、生贄を捧げねばならぬ!アンタイ・ブッダの王に!」全身は青く塗られ、手には奇怪な大剣フランベルジュ!完全に危険だ!​

「……違うか」AZがにおいを嗅ぐ。ニンジャではない。AZはそちらへ向き直り、再びアイサツを繰り出す。「ドーモ、アズラーイールです」スモトリABBMは驚き、アイサツを返す。「ドーモ、アクマオニです。アア?なんだ貴様ァ?その村人と共に、我らに戦いを挑むか?ブディストめが!」

◆アクマオニ(種別:モータル/スモトリ/ABBM)
カラテ       6    体力        8
ニューロン     2    精神力       4
ワザマエ      3    脚力        2
ジツ        0    万札        5

◇装備や特記事項
◆フランベルジュ:近接大型武器、ダメージ2、攻撃難易度HARD
●不屈の精神、暗黒の聖戦の刻来たれり、突撃
○スモトリ崩れ:体力+2、脚力-1
イメジはPicrewの「おおおとこメーカー」で作りました。人間です。
◆側近ABBM(種別:モータル/ABBM)
カラテ       2    体力        2
ニューロン     2    精神力       4
ワザマエ      3    脚力        2
ジツ        0    万札        0

◇装備や特記事項
◆カマ:近接武器
●不屈の精神、暗黒の聖戦の刻来たれり、突撃

「ぼくはブッダの遣いさ。君たちに死を届けに来た」AZは嗤い、二挺拳銃を構えた!各々もショットガンやカマを構える!マッポーカリプス・ナウ!

戦闘開始、1ターン目

イニシアチブ:AZ(4)→ケサキ、アクマオニ、側近ABBM(2)

「距離があるうちに、ボスを撃て!」AZは呼吸を調え精神集中!アクマオニへ二挺拳銃を連射!BLAMBLAM!

[2,3,5][1,3,5,3]=成功。アクマオニの残り体力6!

「グワーッ!」命中!だがアクマオニはスモトリ耐久力で耐える!「スッゾコラーッ!」ケサキもショットガンを構えアクマオニを射撃!BLAM!

3D6。[2,4,4]=成功。アクマオニの残り体力4!

「グワーッ!」重傷!だが狂信の力で持ちこたえる!「ブッダの奴隷めが!クタバレーッ!」フランベルジュを振り上げ、AZめがけ突撃!

6D6で難易度H、[3,3,3,4,5,5]=2成功。AZは5D6で[2,4,4,5,6]=4成功&迎撃。アクマオニの残り体力3!

「イヤーッ!」AZはアクマオニの突撃を躱し、跳躍!強烈な回し蹴りを叩き込む!「グワーッ!」ズズウン!アクマオニはそのまま壁に激突だ!「アアアダブ!」側近ABBMもカマを構え突撃!狙うはケサキ!

3D6。[4,5,5]=3成功。ケサキは回避ダイス3で難易度N。[4,4,5]=3成功。

「ザッケンナコラーッ!」ケサキはカマ突撃を回避!

2ターン目

「イヤーッ!」AZが跳躍!アクマオニの後頭部へトビゲリだ!

[1,2,5,6]=成功。アクマオニは体力2!

「グワーッ!」壁に顔がめり込む!「死ねーッ!」ケサキはアクマオニへショットガンを射撃!BLAM!

[4,6,6]=成功。アクマオニ即死!

「アバーッ!」ヘッドショットが命中し即死!「アアアダブーッ!」ABBMがカマを振り上げケサキへ攻撃!

[2,4,6]=2成功。ケサキは[3,2,1]=命中!残り体力2。

「グワーッ!」命中!ケサキが負傷!アブナイ!

3ターン目

「イヤーッ!」AZが跳躍し、ABBMへ必殺のカラテ!

[6,6,3,4]=3成功&殺伐。出目は5、両腕切断!ワザマエとカラテが2減少し、追加で1ダメージを与えて体力0、即死。万札D3発生。D6は[2]=1発生。

アバーッ!」ダブルチョップがABBMの両腕を根本から切断!鮮血がスプリンクラーめいて噴き出す!「アア……ダブ……!」ABBMは血の海に沈み、事切れた。

戦闘終了

「フーッ……これで全員かな」AZが返り血を拭う。「ア……アアアア……!」ケサキは負傷の痛みと……AZから感じる恐ろしいアトモスフィアに震えた。彼は、サイバネ野郎なんかじゃない。人間じゃない。恐ろしい怪物、殺戮の天使。否!「あんたは……ニンジャ……!」「……黙っててね」

アクマオニの万札5はケサキへ。AZはABBMへの残虐ボーナスで万札3。

帰還

大将首を切断し、フランベルジュに突き刺して、AZは凱旋した。ケサキはその後をおずおずと着いてくる。AZは振り返る。「こいつにトドメを刺したのはぼくじゃなく、貴方だ。胸を張りなよ」「アッハイ」ケサキは頭がぼんやりして来た。そうだ、自分がABBMたちを……いや……。

集落に戻ると、人々が出迎えた。「……確かに」恐れ慄き、首とフランベルジュを受け取る。ケサキは状況を説明したが、AZがニンジャということは告げずにおいた。その夜は祝宴が開かれ、AZには風呂と寝床が提供される。

翌朝。ケサキはAZにオーガニック・イタチの尻尾を渡した。「油抜きとかの下処理は済んでる。スルスミ=サンを通じて筆職人とも交流はあるんでな」「アリガトゴザイマス」「もう少し報酬をはずみてえとこなんだが、この集落にはカネがねえ。勘弁してくれや」「充分です。お世話になりました」

AZは丁重にオジギして、集落を後にする。スルスミにも報告を行うと喜び、オーガニック墨を一つ譲ってくれた。AZはお礼を述べ、意気揚々とタマチャン・ジャングルを去って行った。

……その後ろ姿を、遠くから見下ろすものあり。

「シューッ……」断崖絶壁の上に突き出した大岩。そこに立つのは、全長3メートルはあろう巨大なアルビノ・イタチ。全身は白く、双眸は赤。そして腰には黒帯。驚くべきことに、この存在はバイオ生物ではない。この山のヌシとして人々や動物から恐れられる、強大なるオーガニック・イタチだ。

それは、地中から湧き出す超常的エネルギーを浴びて自然発生したカラテビースト……あるいは、ニンジャアニマルのたぐいであるかも知れぬ。もしAZがこのイタチに戦いを挑めば、返り討ちに遭っていたであろう。彼はそれほどの存在なのだ。ヌシ・イタチは目を細め、牙の並ぶ口をすぼめた。

「スウーッ……」彼は、AZの頭上に漂っている不吉な黒いオーラを、ほんの少しだけ吸い寄せた。ケガレを持って来た者にはタタリをなすが、同じ山に住み自分を敬う者を、自分に先駆けて護ったのであれば、それはそれで報いねばならぬ。彼のような者が来て、あのケガレどもを殺す予感がしたのだ。

AZのDKKが2減少しました。

ギギ……アマシ……」ヌシ・イタチは口角を釣り上げ、不気味に嗤った。彼はこうして力を蓄えている。自分の縄張りを守るために。「マタ、クルガイイ……アマキモノヨ……!

エピローグ

トコロザワ・ピラーのショドー作業室。AZは依頼品やオミヤゲ、それに手紙をハーフペーパーに披露しながら、今回の冒険譚を語る。「まあまあ!なんて素晴らしい!それに毛だけでなく墨まで!」「スルスミ=サンやケサキ=サンがよろしくと」「アリガトゴザイマス!後で必ずお伺いします!」

HPは万札10の入った封筒を差し出す。「こちらが約束の報酬になります。本当はもっとたくさん差し上げたいのですが……」「アリガトゴザイマス」

追加ボーナスの出目は5、スシだ。次のシナリオ開始時の体力初期値+1。

「こちらこそ!……あ、そうだ!スシをおごりますよ!レインボーフード=サンのところで!」HPは少女のように喜び、AZも顔をほころばせた。「少し、殺気が薄れましたね」「そうですか?あっちで何人か殺して来たから、スッキリしたのかな」「じゃ、行きましょう!もうじきお昼ですよ!」

昼食後。ソニックブームからIRC通知が入った。『おう、俺様だ。ソニックブームだ。テメエ、どこほっつき歩いてやがった』「ドーモ。ちょっと人助けを」『ケッ。それより、今夜ミッションだ。テンプルへ潜入しろ。詳しいことはD6に聞け』「わかりました」通話を終え、AZはニヤリと笑った。

「ブラックメタリストを皆殺しにし、次はテンプルか。ブッダもオーディンもいやしないね」

【コム・シュッサー・トートゥ】終わり。【エンジェル・アタック】に続く

リザルトな

合計獲得万札:15 余暇:なし、DKK:2減少、次回の初期体力値+1

◆アズラーイール(種別:ニンジャ)
カラテ       4    体力        4>5
ニューロン     4    精神力       4
ワザマエ      5    脚力        3
ジツ        0    万札        1>16
DKK       7>5  名声        0

◇装備や特記事項
▶サイバネアイ:ワザマエ判定ダイス+2
◆チャカ・ガン二挺拳銃:遠隔武器、射撃難易度HARD、連射2
○キラーマシーン教育:ワザマエ+1、ニューロン-1(反映済み)

能力値合計:13 サイバネ数:1 回避ダイス:5 ワザマエ判定ダイス:7

つのにサポートすると、あなたには非常な幸福が舞い込みます。数種類のリアクションコメントも表示されます。