【荒野パロ】→→→荒野行動
「…………」
パラシュートでビルの屋上に降り立ったのは、白い美少女。白い肩出しワンピースを纏い、白いつば広帽を被っている。髪は薄紫色を帯びた白で、尻まで伸び、三つ編みおさげが二本。睫毛も白く、長い。瞳は赤く―――その瞳孔は十字型。口の中には爬虫類じみた鋭い牙が並ぶ。スマホの文面を確認し、ため息を一つ。
「……わけがわからないわ。これが"懲罰"ってこと?」
彼女は戦場で失態を犯し、祖国へ強制送還された身だ。あんな事態は想定外だったが、言い訳は出来ない。結果的に、任された三体の獣騎をすべて逸失。二体は命令者を裏切って残り一体を殺し、他の獣騎を殺し回っている。
『人間と信じ込ませて獣騎を育てる』という、シュラアの発案が全て裏目に出た。とは言え、それを止めなかった自分も同罪だ。事情と推測はすべて伝えた。懲罰ならば甘んじて受けよう。
それが―――この戦場での殺し合い、なのか。命令者であるこの私に、獣騎のように戦い、殺せというのか。やれと言うならやるしかないが、獣騎ほどの戦闘力は私にはない。そもそも戦闘能力が弱められている。異空間への転移も出来ない。まあいい。肉体的能力だけでも、そこらへんの「人間」にはそう負けない程度はあるはずだ。武器と知恵と、他の参加者も活用しよう。
彼女は牙をしまい、瞳孔を変化させ、より人間らしく擬態する。これは多分、試験だ。優勝すれば名誉回復の機会も与えられよう。事件のもととなった人間の感情の力も、都合の良い方に使いようがあるはずだ。それをここで学習し、研究しよう。
【???/午後12時05分】
【命令者 白(ホワイト)@ジガ-ZIGA-】
[状態]:健康
[装備]:スマートフォン
[道具]:
[思考・行動]
基本方針:優勝する。
1:とりあえず武器を探す。
【人物解説】
漫画『ジガ-ZIGA-』の登場人物。謎の異世界から地球人類を殲滅するために派遣された侵略者。「獣騎」という怪獣に命令を下す攻撃指揮官の一人。人間に擬態しており、強力な思念波を放ち、念話や異空間転移などの特殊能力を備える。獣騎ほどではないが身体能力も高く、数メートルの高さに軽々と跳躍する。心臓を銃弾で撃ち抜かれても死なず、糸状の組織を出して自己修復する。ギザ歯の人外娘という属性、上から目線からのポンコツムーブなどから、ネットの一部で一時ブームを巻き起こした。おそらくある程度弱体化している。
◇
◇
彼女を、この作品を覚えておいでだろうか。キルコさんとかそういう枠だ。単行本が2巻しかないので把握は楽だ。続けば面白くなりそうな気はしたがまあ打ち切りだからこその味もある。ジガとは自我であり、ゴジラとはエゴ=ジガであるとドハティ監督も言っていたような気がする。
つのにサポートすると、あなたには非常な幸福が舞い込みます。数種類のリアクションコメントも表示されます。