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夕遊の漫画cafe

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大好きな漫画その他をここにまとめておきます。本当は、ここに書ききれないくらい好きな作品がたくさんあるのですが...
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#小説

大好きな漫画家さんの作品が映画化。『金の国 水の国』2023年。

いやもう、公開すぐに家族で行ってしまいました。岩本ナオさんは、『町でうわさの天狗の子』から『雨無村役場産業課兼観光係』、そして初期の作品から今連載中の『マロニエ王国の七人の騎士』まで全部読んじゃうほど、家族でみんな大好きですから。 でも、今回の映画化では「最高純度のやさしさ」とか「号泣」みたいなキャッチコピーが踊っていて、「あれ?岩本さんの作品って独特な色があって、そういう万人受けの感じじゃないはずなのに?」とか思ってしまいました。 登場人物がみんなテンプレじゃなくて、ち

美しくて、少し悲しい人と小鳥の物語。『ことり』小川洋子

人の言葉は話せないけど、鳥のさえずりが理解できる兄。小鳥が大好きな兄。そして、兄の言葉をわかるのは父でも母でもなく、唯一弟だけ。両親がなくなると、弟は社会生活ができない兄を世話するため、大きな会社のゲストハウスで働くようになります。庭の手入れや接待の準備が彼の仕事。そして、兄弟は、日課のように近所の幼稚園の鳥小屋を見に行き、一年に一度くらい旅行します。 全くの余談ですが、大昔の少女漫画に『白夜のナイチンゲール』という印象深い作品があって、ふとそれを思い出しました。友人に裏切

青春時代の思い出の作品。『なんて素敵にジャパネスク』氷室冴子

とあるウェブメディアで、コバルト文庫の80年代投票やっているようです。私の場合、氷室冴子さん一色だったので、氷室作品全押し以外の選択肢がありません。 ただ、未完で電子化されていなくて、私の中で今のベストの『銀の海 金の大地』は1992年が初版なんですね。せっかくの機会なので、1980年代の氷室作品を連続して思い出してみたいと思います。 『なんて素敵にジャパネスク』は、高校時代、暗記するほど読みました。新刊の発売日には、同じファンの友達と昼休みに高校を抜け出して、本屋まで買