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夕遊の台湾小冊

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大好きな台湾に関するものを集めました。
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記事一覧

台湾の伝奇ミステリー『守娘』小峱峱

表紙の美麗さに、迷うことなく入手した台湾のコミック。水墨画のようで、ちゃんとマンガだけど…

夕遊
3週間前
26

知らなかった日本のタイル文化。『和製マジョリカタイル―憧れの連鎖』INAXライブミュ…

先日、台湾の彩色タイルの本を買って、ちょっとづつ楽しみながらパラパラめくって読んでいたら…

夕遊
2か月前
42

ポップな懐かしさ。『台湾 和製マジョリカタイルの記憶』康鍩錫

台湾の裏通りや下町を歩いていると、レトロな建物や壁、看板があって、歩きながらみているだけ…

夕遊
3か月前
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「中国」との相克の戦後史。『台湾のアイデンティティ』家永真幸

タイトルを見たときは、現代台湾事情を中心にビギナー向けにまとめた本なのかなと思いました。…

夕遊
3か月前
30

ダサいけど無視できない。『戦狼中国の対日工作』安田峰俊

今から50年ほど前、当時国交のなかった中国と交渉するために訪中した田中角栄は、ホテルの部…

夕遊
4か月前
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あまりにも台湾的な探偵物語。『台北プライベートアイ』紀蔚然(船山むつみ訳)

最近は、評判のいい中国語の本がガンガン翻訳されて、読むのが追いつかない、嬉しい悲鳴の日々…

夕遊
7か月前
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傷ついたからこそ、美しく輝く。台湾ドラマ『茶金 ゴールドリーフ』2021年

出張先の夜に一気見。評判以上のすばらしいドラマでした。植民地時代の日本語、台湾の人たちの台湾語、主人公一族の客家語、そして中国大陸からやってきた人たちの国語(Mandarine)や上海語、蒋介石の国民党政権を支えるアメリカ人たちの英語がいきかいます。そして、登場人物たちのセリフ以上のものを使い分けられる言葉たちが表現します。 主人公の張薏心(チャン・イーシン)は、茶虎と呼ばれる台湾最大の茶輸出会社「日光」の社長張福吉(吉桑:ジーさん)の一人娘。台湾の新竹県北埔鎮が彼とその張

台湾グルメと鉄道の旅と百合。『台湾漫遊鉄道のふたり』楊双子(三浦裕子訳)

予告されたときから、すごく楽しみにしていた本。『台湾漫遊鉄道のふたり』というタイトルもそ…

夕遊
8か月前
55

楽しすぎる中国語の世界。『SNSで学ぶ推し活はかどる中国語』はちこ

『中華オタク用語辞典』がすごくよかった、はちこさんの待望の(!?)続編。待ちに待った『SN…

夕遊
1年前
50

上質な仙侠ミステリーでファンタジーで人間ドラマで群像劇。『天官賜福』墨香銅臭、1…

少し前から、中国で取締をめぐる経緯なんかを多少チェックしていて知った本ですが、実際に読む…

夕遊
1年前
57

書かれた女学生と書く女学生の百年。『少女中国』濱田麻矢

アニメにも実写にもなった『ムーラン』(木蘭)。彼女は中華圏では戦う少女のアイコンだけれど…

夕遊
1年前
30

日本生まれの台湾人で、北京放送のアナウンサー。『陳真』野田正彰

私が初めて、NHK中国語講座をみたときに、穏やかな笑顔で発音を担当されていた陳真さん。て…

夕遊
1年前
33

歴史は政治で”現代史”。『中国の「よい戦争」』ラナ・ミッター

サブタイトルは、「甦る抗日戦争の記憶と新たなナショナリズム」。中国にとって、第二次世界大…

夕遊
1年前
28

台湾の本好きたちの奮闘記。『台湾書店百年の物語:書店から見える台湾』台湾独立書店文化協会

真実は細部に宿るという言葉が、ぴったりの1冊。日本植民地時代から、国民党による独裁の戒厳令時代を経て、民主化した現代まで。どういう人達がどこから台湾にやってきて、台湾のどこで書店を開いて、どんな本を扱ったのか、可能な限り網羅した本がこれです。多くの書店の関係者が、なるべく事実のみを記述するという寄稿方法でまとめられたシリーズ本の中の1冊とのこと。 初めて書店らしきものが台湾にできた時代から、現代のインターネットでの書籍販売や、電子書籍の流行、少子化などへの対応の試行錯誤まで