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夕遊の本棚

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ひと仕事終わって、おいしい珈琲や紅茶を片手に読みたい本。仕事で読む本。とにかく、たくさん読みたい、楽しみたい私の本棚をご紹介します。
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#読書

「14億分の10憶」のリアル『中国農村の現在』田原史起

読む前から、間違いなく田原先生の本なら面白いだろうなと期待させられる本。そして、実際隅か…

夕遊
10時間前
9

耽美をめぐる社会情勢と魅力『BLと中国』周密

以前から興味を持っていた分野なので、すごく読みたかった本ですが、発売前から重版がかかるほ…

夕遊
11日前
38

『東洋の至宝を世界に売った美術商ーハウス・オブ・ヤマナカ』朽木ゆり子

京都の泉屋博古館にいくと、とんでもなく古い青銅器がたくさんあって、しかもそのうちのいくつ…

夕遊
3週間前
22

ノスタルジー上海。『長恨歌』王安憶(飯塚容訳)

予備知識ゼロで手に取った、王安憶の長編『長恨歌』。白居易の『長恨歌』と同じ名前の現代小説…

夕遊
1か月前
34

知らなかった日本のタイル文化。『和製マジョリカタイル―憧れの連鎖』INAXライブミュ…

先日、台湾の彩色タイルの本を買って、ちょっとづつ楽しみながらパラパラめくって読んでいたら…

夕遊
2か月前
42

ポップな懐かしさ。『台湾 和製マジョリカタイルの記憶』康鍩錫

台湾の裏通りや下町を歩いていると、レトロな建物や壁、看板があって、歩きながらみているだけ…

夕遊
2か月前
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『踊る大捜査線』エッセンスも楽しめる密室殺人ミステリー『厳冬之棺』孫沁文

最初のページからひきこまれる、一気読み必至の良質なエンタメです。文章のテンポがよくて、構成も上手いので、ただただ、密室殺人が楽し……..じゃなかった、次々展開される密室殺人のミステリーを読むのが楽しいです。訳者は安定の阿井幸作さん。 まず、主人公の優秀な梁良(リャン・リャン)刑事が「織田裕二似」ってところでニンマリ。なんせ、『踊る大捜査線』リアタイ世代ですから。織田裕二の役って優秀だけど、それ以上に熱血さの方が印象に残っていますから、リャン刑事が「署内の人間関係を大事にして

「中国」との相克の戦後史。『台湾のアイデンティティ』家永真幸

タイトルを見たときは、現代台湾事情を中心にビギナー向けにまとめた本なのかなと思いました。…

夕遊
3か月前
29

中世の豊穣な海を旅する。『戦国時代を見た中国人 』上田信

15世紀から16世紀は、日本でいえば室町時代から戦国時代。中国は明の時代。高校日本史の教…

夕遊
3か月前
30

好みすぎる中国古代史ミステリー。『蘭亭序之謎』唐隠著、立原透耶監訳

中国の長い歴史の中でも、一番華やかな時代のイメージがある「唐」。7世紀から10世紀まで、日…

夕遊
3か月前
33

ダサいけど無視できない。『戦狼中国の対日工作』安田峰俊

今から50年ほど前、当時国交のなかった中国と交渉するために訪中した田中角栄は、ホテルの部…

夕遊
4か月前
30

”無常”という冥界の使者『中国の死神』大谷亨

評判がよい本はぜひとも読みたいです。この本を読むまで、中国には無常(むじょう)という地獄…

夕遊
5か月前
32

あまりにも台湾的な探偵物語。『台北プライベートアイ』紀蔚然(船山むつみ訳)

最近は、評判のいい中国語の本がガンガン翻訳されて、読むのが追いつかない、嬉しい悲鳴の日々…

夕遊
6か月前
37

英語的感覚を可視化する。『英語独習法』今井むつみ

最近、ラジオ代わりに聞いている言語学系のyoutubeに出演されていた今井先生。めちゃくちゃおもしろい方だったので、本を読んでみました。期待どおりに著書もおもしろかったです。 今井先生を知らないと、タイトルの「独習」の文字を見て、「ゼロから一人で英語を勉強できる本」と勘違いしてしまいそうです。でも、この本をざっくり読んだ印象は、そこそこ英語のできる人が確実なレベルアップを目指す本です。しかも、ライティング重視。この本を読んで、自分に足りない部分に気づいて、英語レベルを自分な