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夕遊の本棚

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ひと仕事終わって、おいしい珈琲や紅茶を片手に読みたい本。仕事で読む本。とにかく、たくさん読みたい、楽しみたい私の本棚をご紹介します。
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2021年2月の記事一覧

古代のロマンスとまつりごと。『隼別王子の叛乱』田辺聖子

田辺聖子女史が、仁徳天皇陵出土と伝えられる埴輪の女子首から『古事記』幻想をふくらませ、恋…

夕遊
3年前
15

変わる世の中、変わる学校。『日本人のしつけは衰退したか』広田照幸

少年の凶悪事件が起こる度にマスコミで繰り返されるのは、「最近、家庭のしつけや教育する力が…

夕遊
3年前
8

直立歩行するニンゲンならでは。『お産の歴史』杉立義一

ニホンザルの出産は、せいぜい1時間。でも、チンパンジーやゴリラの類人猿になると、8時間く…

夕遊
3年前
5

シルクロードの情報戦。『西域 探検の世紀』金子民雄

場所は、1900年前後のパキスタン。古都ラホールの大通りにある大型のザム・ザマ砲。18世…

夕遊
3年前
12

ロマンチストな文学青年のエッセイ。『海と薔薇と猫と』加藤剛

時代劇でおなじみだった大岡越前守こと、加藤剛さんのエッセイ。初出の文章は1968年。単行…

夕遊
3年前
20

ふるさとの思い出。懐かしい記憶。『怪談・奇談』 ラフカディオ・ハーン

小学生の頃、母親の本棚にあった中で、とても好きだった1冊。「耳なし芳一のはなし」や「雪お…

夕遊
3年前
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国際化時代のクラシック音楽。『チャイコフスキー・コンクール』中村紘子

モスクワで4年に1度開催されるチャイコフスキー・コンクール。門外漢には、音楽コンクール=芸術的行事と単純にイメージされがちだけれど、コンクール開催の1ヶ月間は、大勢の参加者たちの悲喜こもごもと各国審査員たちの思惑が交錯するそうです。 著者は、有名なピアニストで、チャイコフスキーコンクールの審査員もつとめていた中村紘子女史。この本は、コンクールでの経験をもとに書いたエッセイで、コンクールの舞台裏、国際化時代のクラシック音楽の現状をおもしろく疑似体験させてくれます。 私は、音