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夕遊の本棚

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ひと仕事終わって、おいしい珈琲や紅茶を片手に読みたい本。仕事で読む本。とにかく、たくさん読みたい、楽しみたい私の本棚をご紹介します。
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2020年9月の記事一覧

意外な共通点!?『世界の辺境とハードボイルド室町時代』高野秀行・清水克行

定期的に高野秀行さんの本が読みたくなります。でも、うっかりしていると次、次、本が出たりし…

夕遊
4年前
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転んだときの杖になるように。『娘が学校に行きません』野原広子

身近なところで話題になっていたので読んでみました。うちの娘は、たまたま元気に学校に通って…

夕遊
4年前
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捏造された戦前の言論の歴史。『言論統制』佐藤卓己

サブタイトルは、情報官・鈴木庫三と教育の国防国家。戦後のジャーナリズム史で一番の悪役扱い…

夕遊
4年前
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本当の友だちと、氷室冴子『さようならアルルカン』

ときどき読んでいるネットの人生相談で、「本当の友達が欲しい…」17歳の女子高生……なんて記…

夕遊
4年前
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星新一の父と祖父につながる物語『明治の人物誌』星新一

文句なくおもしろい本でした。初版は30年以上前なので、古書店で購入。この内容で数百円なん…

夕遊
4年前
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江戸時代から薄給・兼業だったとは!?『<通訳>たちの幕末維新』木村直樹

文句なくおもしろい1冊。長崎のオランダ通詞が、組織として歴史上名前が登場してくるのは16…

夕遊
4年前
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明治、大正のJ-POP『近代秀歌』永田和宏

近代短歌の概略が知りたくて、手にとった本。 でも、早速最初の一首で、懐かしさいっぱいになってしまった。 なにとなく君に待たるるここちして出でし花野の夕月夜かな       与謝野晶子 国語の教科書にあったような気がする。 もしくは、学生時代に本で読んだ気がする。甘酸っぱい青春というよりも、もっと前の、恋に恋していた頃を思い出させる歌。 近代秀歌として、100首、10章にまとめる。最初は、恋・愛。 作者もしくは編集者の狙いにがっちりハマってしまった読者は私だけではないはず

鮮烈なデビュー作。『GENE MAPPER ―full build』藤井太洋

『ハロー・ワールド』が面白かったので、著者のデビュー作を入手。まだkindleの日本語版がなく…

夕遊
4年前
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青い鳥は遠くにいない。『パリの国連で夢を食う。』川内有緒

第16回開高健ノンフィクション賞受賞作の『空をゆく巨人』を書かれた河内さん。初めて見るお名…

夕遊
4年前
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中国と台湾と日本が舞台の疾風怒濤。東山彰良『流』

文句なく、おもしろかったです! 一日で一気読み。あー、こういう読書って幸せ。 東山彰良さ…

夕遊
4年前
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宗教であり、数学であり、哲学でもあった。『西洋音楽史』岡田暁生

こちらのサイトの書評がとってもおもしろかったのでAmazonで探したら品切れ。その後、ずーーっ…

夕遊
4年前
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事前調査はいつの時代も活かされない?『昭和16年夏の敗戦』猪瀬直樹

「日米決戦になれば日本は必ず敗ける」 太平洋戦争の3ヶ月余り前、1941年8月下旬…

夕遊
4年前
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イタリア住まいは和食が食べたい。『パスタぎらい』ヤマザキマリ

ヤマザキマリさんがフジ日本精糖のウェブサイトで連載していた、食べ物にまつわる連載を書籍化…

夕遊
4年前
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でたらめがまかりとおったら、こうなった。『戦後最大の偽書事件「東日流外三郡誌」』斉藤光政

青森県五所川原市。ある農家の屋根裏から膨大な数の古文書が発見された。地元は新しい古代文明の存在に熱狂したが、1992年の訴訟をきっかけに、その真偽を問う一大論争が巻き起こった。本書は「東日流外三郡誌」をめぐる偽書事件を追ったルポルタージュ。 でっち上げた古文書を、お金で地方自治体に売って出版し、お墨付きを得て、またお金を稼ぐ。マスコミに持ち込んで、宣伝させて、さらにお金を得る。反論されると証言は二転三転。本当に信じられないし、許せない。 というか、冷静に考えれば絶対に本物