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日本語教育に心理学を活用しよう。  ピークエンドの法則とは?

授業をする時、気持ちはいつもディズニーランドのスタッフ。生徒が間違えた時、ほめる方法は?ピークエンドの法則とは?いつでも生徒に70点―80点ぐらいあげましょう。

日本語学習を始めて途中でやめてしまう学生は少なくありません。私はまだまだ精進が必要ですが、学生が日本語学習を続けたくなるよう私が心掛けている点をお伝えします。

それはいつも自分がディズニーランドのスタッフになったつもりで授業をすることです。ディズニーランドのスタッフはいつもにこにこしていてお客様を楽しませ、わくわくさせます。絶対に嫌な気持ちにさせません。
そのための第一歩はまず「笑顔!」 最大級の笑顔で生徒を迎えましょう。

それから「ほめる」ということです。誰でも褒められたらうれしいですよね。SNSの「いいね!」ボタンのつもりでたくさん「いいね!」を上げ、ファンになってもらいましょう。先生の「いいね!」が欲しくて授業にまた来てくれますよ。

どんなに日本語が下手な学生でもほめる理由はたくさんあります。
1 授業の初めに
   まずは授業に来たことそのものがほめるに値します。ゲームやアニメなど誘惑がたくさんある中、授業に来てくれました。
例①
先生:「OOさん,お早うございます。元気ですか?」
生徒:「元気です。」
先生:「上手!上手!今日も授業によく来てくれました。」(手をたたきながらほめる)

特に初級の生徒は緊張しているので明るい雰囲気を作るのは重要です。
それから少しおしゃべりをします。これは授業の前のウォーミングアップなので難しいことは聞きません。生徒が確実に答えられる内容にして、自信とやる気を出させます。

例②  初級者であれば
先生:「今日は暑いですか?」
生徒:「暑いです。」
先生:「上手!上手!」(手をたたきながらほめる)

 ほかにも「今日は寒いですか?」「今日は涼しいですか?」「今日は忙しいですか?」なども使えます。

2 生徒が文法を間違った時に
   生徒が間違った時、先生は矯正したり教えたりする必要がありますがこれもやり方次第でほめる機会に変わります。コツは私たち先生が答えを教えるのではなくて生徒が正しい答えにたどり着けるように助けることです。
例④  買い物の練習で
先生:「いらっしゃいませ」
生徒:「りんごに二つください。」
先生:「んー、上手!でも一つだけ!助詞は何を使いますか?
この中から選んでください。『が』『で』『を』どれでしょう?」
   生徒:「が」
   先生:「んー」(表情で間違っていることを暗示)
   生徒:「を」
先生:「そう!そう!(手をたたきながらほめる)では全文をもう一度どうぞ」
生徒:「りんごを二つください。」
   先生:「上手!上手!(手をたたきながらほめる)
時間があればどうしてその答えを選んだのかを聞きます。
3 授業の最後に
   授業の終わり方も重要です。心理学の「ピークエンドの法則」を使います。人が記憶しているのは「ピーク」(授業が一番盛り上がったところ)と「エンド」(最後の部分)です。この二つが楽しくてほめられたと感じることができれば途中で何回も発音矯正されたとしても楽しかったと感じます。それで最後も基本文型を復習して思いっきり褒めます。ディズニーランドのスタッフは最高の笑顔でお客様を見送ります。

 今回は「ほめる」ということについて書きましたが、100点満点が取れたと感じさせてはいけません。100点満点が取れたと感じると自分はもうできると勘違いして手を抜いてしまうからです。私の感覚では70点から80点ぐらい取れたと思わせることによって「まだ頑張らなくては」という気にさせます。最後まで読んでいただきありがとうございました。




 

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