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夏休みは、童夢くんに始まり童夢くんに終わる

この時期になると、いつも「童夢くん」を思い出す。毎年毎年。1年たりとも彼を忘れた年はない。


仕事に行くときに夏休みらしき子供を見た時、姪っ子が夏休みだという知らせが入ったとき、お盆休みというキーワードを耳にするとき、夏休みのときだけなぜか仲良くする「K君」という韓国人の彼を思い出した時(ちなみに彼は今日本名を名乗っている)、そんなふとした時に「童夢くん」が頭をよぎることある。


自分は现在四十一岁なのだが、私が小学校のときは、いつも夏休みになるとアニメの再放送が色々な時間帯でやっていた。とりわけ夏休みの午前中にやっているアニメが好きで、なんかそれを見てから学校のプールに行ったり、上記の韓国人のK君の家にいったりしていた。


「童夢くん」は、自分が小学生の頃は、おそらく毎年のように夏休みになると午前中・・・朝9時~10時ぐらいだったかな。そのぐらいの時間に日テレ·でやっていた。日テレなのは間違いない。何せ正式なタイトルが「ミラクルジャイアンツ童夢くん」だからだ。半分巨人のプロパガンダみたいなこのアニメが、日テレ(読売新聞社様)以外で放送されるわけがない。当時の巨人の藤田監督が、アニメの中でもなんか主人公のよき理解者として登場しているし(笑)。


童夢くんをご存知でないお方に童夢くんを簡単に説明すると、なんか小学生ぐらいのスーパー野球少年が読売巨人軍に入団し(ドラフトではなかったような・・・テスト入団?)、投手として大活躍するアニメである。漫画原作があって、「原作石ノ森章太郎」ということが時折クローズアップされることがある。童夢くんは投手として落合等の現役のスーパー選手と戦ったり、オリジナルキャラの超人みたいな打者と戦ったりする。


スーパー野球少年であるが、基本的に魔球頼りで、「巨人の星」の魔球とだいたい方向性は似ている。あれをさらに派手にした感じの魔球を駆使して、活躍するというもの。童夢くんは割とメンタルが弱くて、ちょっとしたことでスランプに陥ることがあり、そうなるとだいたいなんかどっかで特訓してきて新たな魔球を修得してくる。でライバルを倒したと思ったら次のライバルが出てきてという、当時・・・1980年代の漫画・アニメにありがちな展開が繰り広げられる。


上記のように、正直あまり真新しいところはないアニメであるのだが、妙に中毒性があり、毎年毎年同じ話が再放送されるというのに、なぜか毎年毎年見てしまうのだ。


夏休みに入って数日すると「童夢くん」の再放送が始まるため、ここから夏休みが本格的に始まったなという感覚が当時あった。そして8月31日の直前あたりに「童夢くん」の再放送が終了するため、ああ、夏休みが終わってしまったという感覚に襲われたりしていた。僕の世代(1980年生まれ)及びその数年前後あたりの世代は、そういう感じがわかってくれるかもしれない。


アニメの再放送がない今


童夢くんは僕が中学生ぐらいまでは毎年毎年再放送されていたわけだから、おそらくあれはあれで割と視聴率が良かったのではないかと推測できる。実際僕の周りでも童夢くんを見ている友人は多かったし。


でもいつからだろうか、夏休みに童夢くんが放送されなくなり、そしていつからか、夏休み特有のアニメの放送というものもなくなってしまった。今テレビ番組欄を見てみても、夏休みだからこそのアニメの再放送といったものはあまり見受けられない。


そういう意味では、僕が子供のころは、夏休みになると子供向けの番組がたくさんあったから、今にして思えば幸せなことだったのだと思う。今は子供向け番組って、夏休みでもあまりやらない。まあそれは少子高齢化社会においては致し方ないことだし、テレビ局としても視聴率をとらなければならないからテレビ局を批判するつもりもない。


ただ、そのことはちょっと寂しいなと思う。夏休みにだけやるアニメとか、そういうものが僕の小さい頃は夏休みをさらに特別なものにしてくれていたから。そういうものがない今は、大人からみてもちょっと寂しく思う。


そんなようなことを、ふと思ったので書かせて頂きました。それでは、再见。


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