[PSPP]ノンパラメトリック検定の効果量

ノンパラメトリック検定では、相関係数に基づいた、変数間の関係の強さを示す効果量rが用いられます。ただし、グループの得点同士の相関係数とは異なり、グループを表す名義尺度と点数との点双列相関係数である点に注意する必要があります。
また、ピアソンの積率相関係数は-1~1の範囲の値をとりましたが、効果量rはマイナスの値は算出されず、常にプラスの値となります。

効果量rは、検定統計量をZ変換した値とサンプルサイズNを用いて、

で求めます。PSPPでは、マン-ホイットニーのU検定とウィルコクソンの符号付順位和検定は、検定統計量のZが算出されていますから、これを使います。目安は、0.1で効果小、0.3で効果中、0.5で効果大です。

3つ以上のグループを比較するクラスカル・ウォリスのH検定、フリードマン検定の場合は、Zが算出されませんが、これらは多重比較の組み合わせごとに効果量の計算を行います。つまり、組み合わせごとにマン-ホイットニーのU検定やウィルコクソンの符号付順位和検定を行い、それぞれについて効果量を求めるわけです。

また、マン-ホイットニーのU検定でよく用いられる効果量に優越確率(probability of superiority:PS)があります。これは比較する第a群が第b群よりも大きい確率を表しており、第a群が勝っている組み合わせ数と、同点の組みわせを0.5とした数の合計を、総組み合わせ数で割った確率です。「第a群が勝っている組み合わせ数と、同点の組みわせを0.5とした数の合計」はマン-ホイットニーのU検定の統計量Uになりますから、

で表すことができます。
値は、論理的には0から1をとり、0の場合は第b群が完全に大きく、1の場合は第a群が完全に大きくなります。0.5の場合は一方のちょうど半分がもう一方より大きいことを表し、一番差が小さいということを意味します。第a群が第b群よりも大きい場合(0.5より大きい場合)の効果量の目安は、小が0.56、中が0.64、大が0.71となります。

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