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[PSPP]フリードマン検定

フリードマン検定

フリードマン検定(Friedman Test)は、反復測定による一元配置分散分析に相当するノンパラメトリック検定です。
ケースごとに、変数1が3位、変数2が1位、変数3が2位というふうにデータの順位付けを行います。そして、群ごとに順位和を求め、その順位和を元に検定統計量を計算します。
順位和をRi、群の数をk、群のサンプルサイズ(ケースの数)をnとすると、検定量χ02は、

の式で求められ、(k-1)のχ2分布に従いますので、それを用いて検定を行います。
フリードマン検定ではケンドールの一致係数Wも同時に求めることとします。ケンドールの一致係数Wは順序尺度の一致度を表す指標で、変数ごとにケースを順位付けした場合、それの順位が度の程度にているかを示しています。0から1までの値をとり、1に近いほど一致度が高くなります。
ここでは、国語・算数・理科・社会の4科目についての楽しさ調査の架空のデータを用いて説明します。


フリードマン検定は、メニューから行うことができます。

・[分析]→[ノンパラメトリック検定]→[k個の対応サンプルの検定]を選択。

・[検定変数]に、「国語」「算数」「理科」「社会」を指定。
・[KendallのW]にチェック。
・[OK]をクリック。

出力の見方

この場合、フリードマン検定の出力と異なるのは、「KendallのW」の部分だけです。これがケンドールの一致係数です。先ほど、「Friedman」にチェックをつけなかったのはそのためです。
「階級」のところに、変数ごとの平均順位が示されているのは、他のノンパラメトリック検定と同様です。
この場合、人数であるNは、「検定統計」の方に記されています。
「検定統計」の「カイ2乗」の値が、フリードマン検定の検定統計量となります。有意水準(有意確率)は、0.013で5%水準で有意となっていますから、この場合、科目ごとの楽しさには差があるということができます。しかし「KendallのW」が0.45ですから、一致度も中程度と言えます。
なお、ケンドールの一致係数はカイ2乗値から求めることができます。
ケンドールの一致係数をW、カイ2乗値をχ、ケース数をN、自由度をdfとすると、

の式が成り立ちます。

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