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[PSPP]クラスカル・ウォリスのH検定

クラスカル・ウォリスのH検定

クラスカル・ウォリスのH検定(Kruskal-Wallis Test)は、標本(群)が3つ以上で互いに独立したデータの中央値を検討します。つまり、先に述べた独立した標本(群)の一元配置分散分析に相当するノンパラメトリック検定です。
全群をまとめて、平均順位で順位をつけ、群ごとに順位和を求めます。その順位和と各群のサンプルサイズから統計量Hを求めます。
この統計量Hは、群数をkとしたとき、(k-1)のχ2分布に従うことを利用して検定を行います。
なお、統計量Hは、順位和をRi、サンプルサイズをni、全サンプルサイズをNとしたとき、

の式で求めることができます。
ここでは、能力別に分けられた4クラスのあるテストにおける得点を比較してみましょう。

クラスは、1が下位クラス、4が上位クラスとします。

クラスカル・ウォリスのH検定は、PSPPではメニューには表示されませんが、シンタックスで直接命令すれば実行することができます。

・[メニュー]→[新規作成]→[シンタックス]を選択。
・以下のシンタックスを記述。

NPAR TEST
/K-W 得点 by クラス(1,4).

出力の見方

「階級」のところを見ると、クラスごとの人数(N)と平均順位が表示されています。この場合、クラスが上がるほど、平均順位が大きくなっていますから、得点は高くなっていると考えることができます。
次に、「検定統計」を見てみると、カイ2乗値が10.15、自由度が3(4群から1引いたもの)、有意水準(有意確率)が、0.017となっています。有意水準が0.05以下ですから、有意となり帰無仮説は棄却されます。
分散分析などと同様に、帰無仮説は標本(群)間に差はない、対立仮説は標本(群)間に差がある、ですから、標本(群)間に差があるということになります。

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