韓国日式地下アイドル入門;ライブ観覧ガイド(2024年5月)
韓国では、2018年頃から日本の地下アイドル文化が輸入され、2024年現在、そのグループ数は増加し続けています。ひとつの文化として、根づきつつある状況です。
そこで、盛り上がりを見せつつある韓国の地下アイドルについて、初めてライブに行くことを想定して、基本的な情報をガイドブック形式でまとめてみました。皆さんの役に立てば幸いです。
なお、筆者の韓国語レベルはハングルが読める程度、また、韓国におけるライブ参戦回数は数回程度であることから、間違いが含まれる可能性がある点にご留意ください。
韓国の地下アイドル概要
韓国の地下アイドル文化は、日本の地下アイドル文化の要素を取り入れているため、日本のそれと大変類似しています。以下のような特徴があります。
立ち位置:日本のユニドルや振りコピユニットに近い。
芸名とグループ名:日本風のものを使用。
ライブ内容:日本の地下アイドルのカバー曲主体、オリジナル曲も一部あり。
アイドルの種類:坂道系から派手髪ライブアイドルまで多種多様。
文化:生誕など、日本と同じ文化あり。
物販:日本のものと類似。独自のポイントカード制度あり。
※地下アイドル:지하 아이돌(jiha aidol)、地下ドル:지하돌(jihadol)
ライブを観る
予約から開演、公演から講演後物販までの流れは日本と同じですが、それぞれの部分について、解説します。
スケジュールを調べる
韓国の地下アイドルも日本同様twitterを使っており、ライブ告知もtwitterで行われることがほとんどです。お目当てのグループがない場合は、chikadol.netでライブ情報を調べましょう。地下アイドルのライブ情報を網羅しており、非常に便利です。
平日もイベントがある場合が多く、土日に合わせて渡航しなくともライブを観ることができます。
※ライブ情報:라이브 정보(raibeu jeongbo)、スケジュール:일정(iljeong)、現場:겐바(genba)
チケットを予約する
可能であれば予約をしましょう。日本同様、予約したほうがチケットは安く買えます(当日券より5000ウォンほど安い。)。チケット予約にはGoogle Formsが使われている場合が多く、日本からでも比較的簡単に予約できます。また、予約時にお目当てのグループを選択することで、そのグループから予約特典を受けれるようです。以上のことから、当日券を買っている人はあまり多くないように見受けられます。
※チケット:티켓(tiket)、予約:예약(yeyak)、予約特典:예약 특전(yeyak teukjeon)、前売:예매(yemae)
ライブを観る(入場~終演)
ライブハウスは地下鉄2号線沿いの弘大(홍익:Hongik)や合井(합정:Hapjeong)付近に点在しています。ライブハウスは日本同様、地下1階にあることが多いです。ライブ情報には建物情報がない場合が多いです。迷ったら地下1階を目指しましょう。
入場は開演30分前からです。日本同様、ライブハウスの入口付近に受付があります。当日券を購入する場合は、受付で購入します。その際、お目当てのグループを聞かれることがあります。お目当てのグループがあるなら伝えましょう(グループの予約特典を受けれる場合があります。)。
日本のライブハウスと異なり、ドリンク代は請求されません。ドリンクは基本的には出ないと考えてください。ただし、一部のホールではライブ終了後にドリンクを提供しているとこもあるようです(アロアロホールではライブ終了後にドリンクが提供されていました。ドリンクチケットはなく、ドリンクを受け取るとリストバンドに押印されるようです。)。
現在、ほとんどのライブは対バン形式です。1つのグループが20~30分の持ち時間で公演します。日本の地下アイドルの曲を幅広くカバーしている印象があります。地上アイドルのカバーはそこまで多くありません。日本同様、動員力がある大きなグループがトリを務めることが多いです。
MIXやコールは日本語で行われます。MCは韓国語ですが、自己紹介部分は日本の地下アイドル風に日本語で行われる場合があります。
※ライブ:라이브(raibeu)、入場:입장(ipjang)、開始・開演:시작(sijak)、出演:출연(chulyeon)
物販に行く
物販は基本的に終演後に会場にて開催されます。物販システムは日本のものと非常に似ています。2ショットチェキが10000ウォン(交流100~120秒)のところが多いようです。グループによっては特典券を1枚5000ウォンで売っており、ソロチェキ(ピンショット)なら1枚、ツーショットなら2枚といったレギュレーションにしているところもあります。宿題チェキは20000ウォンのところが多いようです。
特典券の購入列とメンバーへの並び列は分かれていない場合がほとんどです。メンバーの近くに物販受付テーブルがあるので、そこで特典券を購入し(「チェキ One」くらいの表現で大丈夫です。)、その後、自分の番が回ってくるまで待ちます。交流時間管理は運営が行っており、メンバーが空いたことを知らせてくれます。なお、ほとんどのグループにおいて、最後尾札が用意されています。会場入口に、各グループの物販場所を書いたサインボードが掲示される場合があります。
予約特典等の受取も物販受付テーブルにて行うことが多いようです。
※特典会:특전회(teukjeonhoe)、物販:물판(mulpan)、チェキ:체키(cheki)
Q&A
どのくらいグループがありますか?
2024年5月現在、50弱のグループが活動しています。個人プロデュースのグループとプロダクション所属のグループに分かれ、比率は1:1といったところです。また、グループを超えてユニットを組んでいる場合もあり、1人のメンバーが複数のグループに所属していることがあります。こちらのグループ一覧を参照して下さい。
有名なグループはどこですか?
韓国の地下アイドルで動員力があるグループは「ねえ、聴いてる ?」と「Proxima Club」です。「ねえ、聴いてる ?」については、日本や台湾から観に行く人もいるようです。
プロダクションについて教えてください。
2024年5月現在、以下のプロダクションがあります。最近では個人プロデュースのグループがプロダクション所属になるケースがままあるようです。
最年少は何歳ですか?
最年少は高校2年生くらいのようです。韓国では大学受験は超重要らしく、日本のように中学生や高校生が地下アイドルをする状況ではないようです。
アロアロホールの場所が分かりません。
看板等が設置されていないので入口がわかりにくいです。入口は以下の写真を参考にしてください。
AroAro Hall(アロアロホール:아로아로홀)
住所:41−1 World Cup-ro, Mapo-gu, Seoul(서울 마포구 월드컵로 41-1 지하 1층)
Club A.O.Rの場所が分かりません。
Google Mapにて会場名で検索すると間違った位置が表示されます。Naver Mapで検索してみましょう。正しい位置が表示されます。
Club A.O.R
住所:156 Wausan-ro, Mapo-gu, Seoul(서울 마포구 와우산로 156)
メンバーは日本語は話せますか?
簡単な日本語なら話せるメンバーが多いように感じます。韓国語が話せなくても100秒程度(チェキ交流1回分)なら時間が潰せます。中にはかなり流暢に日本語を話すメンバーもいます。
日本語が話せるメンバーの物販に行きたいです。
もしあなたが私同様に韓国語が話せない場合、物販に行くのは非常にハードルが高いと感じることでしょう。そこで、最初は日本語でコミュニケーション可能な以下のメンバーに行くことをおすすめします。なお、前述のとおり、韓国語が話せないことをそこまで恐れる必要はないように感じます。
また、To Hermitageプロダクションには日本語が非常に流暢な運営さんがいます。分からない事があれば聞いてみるのも良いかもしれません。
※2024/6/2追記
はにゃさんによると以下のメンバーも日本語でコミュニケーション可能なようです。
物販メニューにデジショはありますか?
物販メニューにデジショや◯秒撮影券などはありません。一部グループでは、ポイントを貯めることで写メが撮れるサービスをやっているようです。
韓国特有の物販メニューはありますか?
2024年現在、韓国独特の物販メニューはなさそうです。
最低限、覚えておいたほうが良い韓国語はありますか?
日本人と韓国人は見た目で区別することができません。したがって、ライブ前後、物販のみならず街なかでも韓国語で話しかけられることが多々あります。そこで、以下の韓国語を覚えておくと便利です(なお筆者はこれらの韓国語が文法的に正しいかは分かっていません。)。
韓国語分かりません:ハングゴ モルゲッソヨ(한국어 모르겠어요)
私は日本人です:チョヌン イルボンサラ ミダ(저는 일본사람이다)
ソウル以外の都市に地下アイドルはありますか?
現時点では、ソウル以外の都市に地下アイドルは存在しないようです。ソウル出身以外のメンバーはおり、ライブのたびにソウルに上京している状況です。ライブについても、ほとんどの公演がソウルで行われており、地方公演はほとんどない状態でです。
ライブは撮影できますか?撮影環境は?
ほとんどのグループが撮影可能です。ただ一部、動画のみ撮影可能、または掲載許可が必要なグループがあるようです。
両サイドと後方に撮影エリアが設定されている場合と、特に撮影エリアの指定がない場合があります。おおよそのカメコは後方に超高い脚立をセットして撮影することが多いようです。モッシュやサークルが発生することが多いため、中心部分での撮影は注意が必要です。
レンズは70-200/2.8があれば問題なさそうです。箱の照明環境は比較的良好です。ステージ前方両サイドからなら85/1.8などの安いレンズでも問題なさそうです。
参考サイト
全般的なまとめサイト(韓国語):https://chikadol.net/
International Idol wiki (Groups from South Korea)(英語):https://international-idols.fandom.com/wiki/Category:Groups_from_South_Korea
毎日新聞による取材記事:https://mainichi.jp/articles/20240127/k00/00m/030/041000c
中日新聞による取材記事:https://www.chunichi.co.jp/article/723770
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