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記事を飛び出す、パブリッシャーのコンテンツ戦略【XIMERAニュースレター】

こんにちは、株式会社キメラです。私たちは出版社・新聞社や放送局といったパブリッシャーに対し、メディアビジネスをグロースするための課題解決やデジタル化を支援している会社です。

弊社のニュースレターでは、パブリッシャーの方々に向けて国内外の注目ニュースをご紹介するほか、キメラの最新動向を隔週でお届けしています。

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noteではバックナンバーを掲載しています。ここからは【7月3日号】の内容をご覧ください。

1.記事を飛び出す、パブリッシャーのコンテンツ戦略

パブリッシャーのデジタル戦略を考えるとき、まず思い浮かぶのは記事かもしれません。しかし近年は、記事に限らず幅広いチャネルでコンテンツを訴求する動きが活発になっています。今回は、国内外の最新事例を紹介します。単に情報体験の充実を目指すだけでなく、収益性を意識している事例が多いこともポイントです。

<オンラインイベント>

パンデミックの影響でリアルイベントの開催が難しい現在、イベントをマネタイズ手段としてきたパブリッシャーが相次いでオンラインに転換しています。

■Move it or lose it: now publishers run virtual events, do they hunger for a real return?(英文)

The Next Web、Bloomberg、Financial Times、Verizonら、パブリッシャー4社のオンラインイベント事情をまとめています。オンラインイベントの内容面で考慮すべきポイントが網羅されています。

■How VentureBeat kept sponsorship revenue on par with in-person events(英文)

テクノロジー系パブリッシャーのVentureBeatの事例です。収益の半数をイベントが占める同社がBtoBイベントのオンライン化をいかに実現したかを報じています。具体的なハウツーが多く、学びの多い記事です。

■仮想イベントとサブスクを連携させるパブリッシャーたち

イベントをサブスクリプションの呼び水にする事例を紹介しています。New York Timesのオンラインイベントチームがマーケティングやブランド担当を含めた組織横断チームなのが興味深いです。

■Creating Sponsorship Revenue for Virtual Events(英文)

米国のチケット販売会社eventbriteは、オンラインイベントでスポンサーシップを獲得するためのハウツーを公開しています。メール、ソーシャルメディア、自社Webでのコミュニケーションやマネタイズポイントを解説しており、パブリッシャーのオンラインイベント運営においても参考になります。


<メール・SMS>

メールやSMSは「時代遅れ」と考える方も多いかもしれませんが、根強く読者にリーチできるチャネルの一つです。

■ニュースレターは「新しいホームページ」だ(英文)

ニュースレターがもたらす効果をデータをもとに紹介した記事です。ニュースレターを単なる記事コンテンツの宣伝ではなく、読者との関係性づくりのための「新たなホームページ」と定義するコメントが興味深いです。
個人クリエイター向け有料ニュースレター配信サービス「Substack」が非常に好調なことも、メールの勢いがまだまだ失われていないことを物語ります(いわばメルマガ版「note」のような、注目のサービスです)。

■US reporters use SMS to reach local audiences with coronavirus coverage(英文)

「Subtext」というサービスで、購読者は気に入った著者のSMSを受信できます。最近ではBuzzfeedがコロナウイルス関連のローカルニュースをSMSで配信しており、日本語ではこの記事で詳しく報じられています。


<Slackチャンネル>

■ボストングローブ、広告収入は30%減もサブスクは35%増

米国「Boston Globe」運営元のマネタイズ戦略を報じた記事です。面白いのは、同社が中小企業向けのSlackを立ち上げたことです。新型コロナウイルス対策のための融資制度や条例をコンテンツとして提供しており、Slackチャンネルは広告媒体として販売予定とのこと。パブリッシャーがコミュニティ組成を行いながらマネタイズを実現した例として、他社でも展開できそうなモデルですね。


<スマートフォンアプリ>

■FNNプライムオンライン スマートフォン向けアプリを提供開始

7月1日、フジテレビ系列のニュースサイト『FNNプライムオンライン』のアプリ提供を開始しました。ローカルニュースへのアクセスしやすさとプッシュ通知によるニュース配信の訴求を特徴としており、ニュース体験の向上によって読者のロイヤリティ醸成が期待できそうです。Yappliを利用して開発を軽量化したことも注目に値します。


<音声とソーシャルメディア>

ソーシャルメディア運営と音声コンテンツは、注力しているパブリッシャーも多い領域です。TwitterとInstagramで、音声を含んだ投稿に関するニュースが相次いで報じられました。音声専用のプラットフォームに参加する必要がないため、音声コンテンツに参入するパブリッシャーが増えるかもしれませんね。

■Twitter:音声のツイートが可能に(英文)

■Instagram:音声を含んだ動画にキャプションを自動追加(英文)

2.海外パブリッシャーの注目ニュース

■ロイタージャーナリズム研究所『Digital News Report2020』(英文)

毎年恒例、ニュース業界の動向を報じるレポートが公開されました。日本の調査結果によると、オンラインニュースへの課金率は8%と前年+1%の上昇。一方で、ニュースへの信頼は37%と前年を2%下回っており、過去5年間で10%以上スコアが下がっています。
各国の調査データのほか、サブスクリプションに関する調査やメールマガジン、ソーシャルメディアの利用動向についてのデータも興味深いので、ぜひご覧ください。日本語で読める解説記事ではニュース課金とニュースプラットフォームとしてのInstagramの隆盛について紹介されています。

■グーグルが「ニュースの対価」支払いを開始、一部メディアに

■Facebook Newsが米国全土で提供開始(英文)

■Apple NewsからNew York Timesが離脱、The Guardianは3月に出戻り(英文)

3.国内パブリッシャーの注目ニュース

■デジタル広告取引「不透明」 政府、ルール設計検討

■地域紙の廃刊・休刊が全国で続々と、“新聞が消えた”地域は何が起きるか

■28社の有力メディアが「コンテンツメディアコンソーシアム」創設

■RMBキャピタルがテレビ朝日HDに経営改善を提起

■NewsPicks、東急プラザ銀座に「NewsPicks GINZA」を7月1日オープン

■学研プラスと日本創発グループの共同出資パブリッシャー「株式会社ワン・パブリッシング」設立

■講談社がデジタルメディアの研究・開発に特化した企業「KODANSHAtech合同会社」を立ち上げ

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