メディウィからサヌールまでの若いドライバーさん
メディウィを出発する日は、前もって現地在住の日本人に車の手配を依頼していた。Grabも考えたが、メディウィは田舎だし、走行距離も長いし、私も初めての場所なのでチャーターした方が無難だろうと考えたのだ。
そこそこ値段も高かったので、日本語ドライバーが来るかと思ったら、英語が少しできる、若くてチャラそうな兄ちゃんだった。
朝9時ちょうどに宿の前に車が来たので、7時くらいにはクタを出発したのではないだろうか。
サヌールまでどのくらいかかるか尋ねると1時間40分だという。
しかし1本しかないバリ島の幹線道路は渋滞もひどく、朝早かった兄ちゃんは動かない運転席でぐったりしている。時々前が進んだのに、動かずに窓ガラスにもたれているので、後ろから私が「レッツゴー」と声をかける始末。
まー、お疲れなのは仕方がないけれど、結構あからさまに疲労を態度に出す若造だ(笑)
途中、彼はコンビニに寄り、スタンドでガソリンも入れた。
そのうち12時ぴったりに「お腹がすきませんか?マダム」と話しかけてきた。私はしっかり朝食を食べたので、全然お腹が空いてない。
「あなた、お腹空いたの?」と尋ねると、「YES」という。
正直だな。きっと朝食を食べずに出発したのだろう。
「私はお腹が空いてないけれど、あなたが食べたいならどこかのレストランかワルンで食べてもいいけど、出来れば早めにサヌールに到着したいんだけど」というと、運転中にスマホでレストランを検索し始める体たらく。やれやれ!
私もグーグルマップで現在地を確認すると、あと30分もすれば、サヌールに着きそうなので、「あと30分で着きそうだから、サヌールまで行ってちょうだい」と依頼する。
彼は仕方なくスマホ検索を諦めて運転に集中しだした。
サヌールの宿には13時頃到着。
クタから約2時間かけてメディウィまで来て、約4時間の渋滞腹ペコドライブは確かにお疲れだろうと思いチップを渡した。
着いてからしばらくして手配者の日本人から「着きましたか」とメッセージが入ったので、「ドライバーさんにお腹が空いたと言われたけれど、あと30分くらいで着きそうなので、我慢させてサヌールまで運転してもらったので、チップも渡した」と報告しておいた。
手配者は謝ってくれたけど、現地の若者は日本人の仕事態度など見たことはないので仕方ない。
とりあえず無事にサヌールに着けたから良しとしよう。
以前にバリに足繫く通っていた頃、いつも迎えに来てくれていたウブドのドライバーさんも「お腹空いた!この先においしいワルンがあるから食べましょう!」と言って、しょっちゅう私にたかっていたことを思い出す。
その旅行社はコロナ禍で廃業してしまったけれど、働いていたスタッフの皆さんは今、どうしているのだろう。