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ミュージシャン出身の中国ドラマ監督

中国ドラマ界で活躍するミュージシャン出身の監督についてメモしておきたいと思います。

1人目は「バッド・キッズ 隠秘之罪」「ロング・シーズン 長く遠い殺人」の監督として注目されているシン・シュアン(辛爽)。

彼は2000年代の中国ロックにおいて圧倒的影響力のあったインディーズレーベル、Modern Sky(摩登天空)所属のパンクバンド、Joysideの初期メンバーでした。2001年の結成時にはドラムを担当していましたが2002年に脱退。その後、2004年にギタリストしてバンドに戻りますが、結局2006年を最後にバンドを去りました。

こちらが2023年、シン・シュアンが番組の企画で久しぶりにJoysideの現メンバーと一緒にプレイした映像。下手でギターを弾いているのがシン・シュアンですね。

その後、2013年に友人と広告制作会社を立ち上げた彼はミュージックビデオや短編作品の監督として頭角を現して、2020年の「バッド・キッズ 隠秘之罪」でドラマ初監督。2023年の監督第2作「ロング・シーズン 長く遠い殺人」でも高い評価を受けました。彼のドラマは欧米ドラマによくあるように各エピソードでエンディング曲が違っていて、ミュージシャンらしいセンスを感じます。

ちなみに、「バッド・キッズ 隠秘之罪」は日本映画版「ゴールド・ボーイ」も今春公開予定なので、ぜひ見比べてみたいです。

2人目は「GANK YOUR HEART-キミと、世界の果てまで- 」 の監督、シャー・ウェイチー(沙维琪)。

彼は2000年代に活動していた西安のブラックメタルバンド、死因池(Deathpond)のギター&ボーカルでした。

彼はその後、ミュージックビデオの監督などを経てドラマ監督に。2023年には「很想很想你」をヒットさせていますが、2000年代のインディーロック出身者がその後、オンラインのインディーコミュニティで育っていく声優、音楽アーティストの世界を描いたアイドルドラマを監督しているというのが、時代の変遷を感じられて何だか感慨深いです。

なお、シン・シュアンとシャー・ウェイチーの2人は2018年、湖南衛視で放送された番組「幻楽之城(幻乐之城)」に参加、ミュージカル形式の短編作品をライブで観客に見せるという企画に挑戦していました。

この他にもミュージシャン出身の監督がいるかもしれません。今後もチェックしていきたいと思います。

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