すぐ役に立つものより
この数年で自分の中で起きている変化がある。
自分の興味が
未来志向ですぐに役に立つもの
↓
歴史や教養、すぐに役に立たないようなもの
に移っている。
学生のときから、上昇志向は高く、自己啓発本、ビジネス本とか、ハウツー本とかよく読んでいた。
成功するために必要な知識や情報や行動を、いかに無駄なく、最短ルートで実行できるか、そんなことばかりに興味があった。
色んなことを損得で考えてしまうことも多かった。
会社の飲み会や、友達との時間でさえ、これはなんのためになるか?みたいなことを考えてしまったり。
なんのためにもならないこと=無駄なこと
無駄なこと=よくないこと
っていう考え方が染みついていた。
そんなに無駄を省いて、その時間でなにをするのか?というところは、ぽっかりと抜けていたにも関わらず、それでも時間を無駄にしたくない、とただただ生き急いでいた。
だから、テレビ、漫画、ゲームはやらない主義で、なぜならそれらは私の成功には必要でないもの、と思っていたから。
でも、じゃあ生み出した時間でなにをするのか、なにをしたいのか、となると、答えはもっておらず。
それでも何かをしていないと不安で、資格勉強とか、ビジネス本とかを読んでは少し自分を安心させていた。
*
そんな私の考え方が少しずつ変わるきっかけは、前職で出会った一人の方。
年齢はだいぶ離れているのだけど、営業出身で、人好きで、気さくなおじさんという感じの方。
役職でいうと偉い方なんだけど、一緒にいる人に気を遣わせない方だった。そして、その場を楽しくさせる能力に長けた方だった。
その人は、とにかく話題の幅が広い!
クライアントとのMTGでも、社内の打ち合わせでも、どんなシーンで、どんな話題が出ても知っていらっしゃるような方だった。
スポーツ、芸能、政治、地元ネタとかとか…
よく出身どこですか?という話になるけど、相手がどこであろうと、その場所に関する話ができるような方だった。
そんな話をするだけで、あっという間に誰とでも打ち解けて楽しい時間を共有しているように見えた。
私はというと、人生において、とにかく役に立ちそうなことを学ぶ、無駄を省く、ということに注力していたから、スポーツとか、芸能とか、歴史とか、そういう雑学のようなことは全くわからない。
学生のときも、みんなが読んでいる漫画には手を出さず、大ヒット映画も見ないことがほとんど。
だから、いつも未来のために備えることに夢中で、「今を生きる」ということが出来ていなかったとも言えるのかもしれない。
自分のことに必死になっていて、少しも周りと時間を共有することができていなかったんだと思った。
その人のようなスタンス、生き方に触発されたのもあって、仕事に直接影響を与えないしれないけど、人生に彩りを与えるようなものに興味が移ってきた。
歴史、哲学、芸術、宗教etc…
すぐに役に立つものは、淘汰するのも早い。
時間をかけて習得したものは、なかなか忘れない。
今はなんとなく、そんなふうに思うようになった。
いつか尊敬するその人にまた会える日には、色んな話をできたら嬉しいな。
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