補助金は、企業や団体への補助ではなく、事業への補助

先に「そもそも補助金は何のためにあるのか」という記事を書いたが、もう少し補足しよう。
営利団体である企業が、例えば機械設備などを導入する際、申請すれば行政庁がお金を出してくれる。
だから補助金は、行政庁の気まぐれなお小遣いだと考えてはいないだろうか。

営利企業が何かを購入したい。
購入した機器などを使って製品を作り、販売し、利益を得たいと考えるのであれば、本来、行政庁が行う支援は融資だ。
融資とは貸付であり、利子を含めて返済義務がある。

しかし補助金に返済義務はない。
(※対象事業に利益が出た際、一部の返済を義務付ける収益納付が規定されている補助金もある)
なぜ返済しなくてもいいのか。
これは融資ではなく、投資だからだ。

本来の投資とは、企業の株式を購入することにより、当該企業に資金を注入することをいう。
では補助金で企業の株式を購入するのか。
もしそんなことをすれば、補助金を受領した企業は行政庁が株主になってしまい、ややこしいことになる。
つまり補助金は、一般的な意味での投資ではない。

企業単位ではなく、事業単位での投資が補助金なのだ。
何にでも使える資本金として資金提供するのではなく、行政庁が「民間でこういう事業をやってほしい」と考えている事業を正にやろうとしている企業に対し「その事業限定で資金提供します」というのが補助金なのだ。
だから何に使うのか、どのように使うのか、買った後にどうしなければならないか、要件が大変面倒臭い。
なぜなら補助事業で購入した製品の何割かは行政庁の持ち分だからだ。
そのため、例えば補助金で購入した機械は、自社に置いてあるけれど、購入代金の半分は行政庁が補助してくれたから、勝手に売ったり、処分したりはできないということになる。
例えば、補助事業の一環として機械を1億円で購入したとしよう。
補助金が入っていたので自社の負担額は1/3の3千3百万だった。
これを5千万円で売ると、1千7百万円の利益が出る。
これは税金の搾取強奪だ。
そういうことができないよう、予め規定されているのだ。

このように、補助金で細々と決められているルールには全て理由がある。
とはいえ普通に生活している人には全く縁がないし、どうしてそうなるのかわからないルールだらけだろう。

僕がそのルールに詳しいのは、県庁で補助金の企画運営を行った経験があり、産業支援機関で補助金の獲得と補助事業実施の伴走支援を行った経験があるからだ。
補助金の仕組みと思想というか、哲学の部分を理解しなければ仕事にならなかった。

さらに長年の県庁生活で公金支出のロジックを叩き込まれている。
このロジックを理解していないと補助事業における支出の仕組みが理解できない。
民間の支出プロセスとは大きく異なるのだ。
補助金では、役所と同様の特殊な支出管理を求められるが、公金支出の事例に精通していなければ助言や提案はできない。

そもそも補助事業だけでしか使わない特殊な業務プロセスを企業の担当者が学ぶ必要はない。
補助事業本体の研究開発などを優先させなければならないのに、担当者が書類整理ばかりやっているのは本末転倒だし、補助事業が失敗すれば、どんなに書類整理を適切に行なっても補助金は出ない。
担当者に補助事業の進捗管理と役所的な書類整理という過大な負荷を与え「もう二度と、補助金の担当なんかやらないぞ!」と思わせてしまったら企業にとって大きな損失だ。
それよりも僕のような外部人材を活用し、必要な時だけ使えばいい。
難しい部分、面倒な部分をアウトソースするのだ。
担当者の負担も軽くなるし、事故の確率が大きく下がる。

多くの人が勘違いしているが、補助事業が採択され、例えば5千万円の交付決定を受けたとしても満額もらえるわけではない。
もらえる金額の最大値が5千万円というだけで、意思決定や書類整理を間違えれば、その分は補助対象経費から除外される。
つまり、交付決定時は5千万円だったが、実際に受け取った金額は2千万円だったというのはよくある事例なのだ。
この適切な意思決定と書類整理というのが難しい部分、面倒な部分なので、精通した者の指導を受けて事故を回避してほしい。

得られるはずだった補助金額を大きく減損させてからでは遅い。
早めにご相談いただければ様々な手が打てるが、既に事故が起きてしまっていたらどうすることもできない。
なぜもっと早い段階で相談してくれなかったのかと悔やんだ経験は過去にもある。
逆に補助申請前から相談を受けていれば、事故が起きやすい部分を見抜き、あらかじめケアして回避できる。
実際、そうやって過去に何度も事故を回避してきた。

補助金を活用して飛躍するぞ!と考えている企業の皆様におかれましては、僕のような外部人材を使うことをご検討いただき、早い段階でご相談くださることを願っている。

このnoteに関するお問い合わせはシャオヘイ行政書士事務所まで

投げ銭(サポート)は超嬉しいですが、いいね!やフォローも大変喜びます。賛否は関係なく、SNSでシェアしてくださるともっと喜びます!!! ご購入後のお礼メッセージは数が多くて難しくなりましたが、またいつもの○○さんが読んでくださったんだと心の中で大いに感謝しています!!